麻生外務大臣

「我が国のミンダナオ和平プロセスに対するより積極的な貢献」
(IMTへの要員派遣ほか)

平成18年7月23日

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 日比(フィリピン)国交正常化50周年を記念する「日比友好の日」にマニラを訪れている麻生太郎外務大臣は、7月23日、グロリア・マカパガル・アロヨ大統領及びアルベルト・ロムロ外務長官とそれぞれ会談した。会談の中で、麻生大臣は、ミンダナオにおける国際モニタリング・チーム(IMT)への日本人開発専門家の派遣を主要な柱とする、我が国のミンダナオ和平プロセスに対する新たな貢献策について伝え、これらの取組を通じて、長らく紛争に苦しんできた元紛争地域の人々を支援し、ミンダナオにおける恒久和平を実現すべく、今後積極的に和平プロセスに貢献していきたいとの考え方を伝えた。(フィリピン側からは、日本がミンダナオの和平プロセスにおいて、より積極的な役割を果たすことを歓迎するとともに、日本の今回の決定に感謝する旨表明があった。)

1.IMTへの開発専門家の派遣

 ミンダナオにおいては、2003年7月にフィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線(MILF)との間で停戦協定が締結されたことを受け、2004年10月より、マレーシア、ブルネイ、リビアからなる国際モニタリング・チーム(International Monitoring Team : IMT)が展開し、元紛争地域の治安状況は大きく改善してきている。そうした中、フィリピン政府及びMILFから、IMTの「停戦モニタリング」と並んでもう一つの重要な柱である「復興・経済開発のモニタリング」部門において主導的な役割を担える専門家を派遣して欲しい旨要請があった。今回、日本政府はこの要請に応え、開発専門家を在フィリピン日本大使館員として発令し、IMTに派遣することを決定したものである。右専門家は、IMT本部のあるコタバトを活動の拠点とし、MILF元紛争地域の復興・経済開発の状況をモニターすることに加え、同地域の包括的経済開発計画の策定及びその実施に関与すること等が期待されている。

2.「ミンダナオ・タスクフォース」の立ち上げ

 日本政府は、IMTに派遣される専門家が円滑にその任務を果たせるよう全面的に支援すべく、在マニラの日本大使館、JICA、JBICから構成されるミンダナオ・タスクフォースを立ち上げる。同タスクフォースは、和平プロセス担当大統領顧問室(OPAPP)及びバンサモロ開発庁(BDA:MILFの復興・開発の実施担当機関)等と緊密に連携しつつ、IMTに派遣される要員とともに、MILF元紛争地域の開発計画を策定する他、我が国の「草の根・人間の安全保障無償資金協力案件」、一般無償資金協力案件、技術協力案件、円借款案件が、ミンダナオ全体の和平構築に資するような形で、一層効果的に実施されるよう調整すること等を主な任務とする。

3.中部ミンダナオへの「草の根・人間の安全保障無償資金協力」の集中実施

 上記タスクフォースの事業の一環として、中部ミンダナオ(MILF元紛争地域)において、学校教室、職業訓練施設、給水システム、保健所の建設など、草の根の人々が直接裨益し、平和の配当を実感出来るような地域開発事業に対する「草の根・人間の安全保障無償資金協力」を今後1年間に10件以上を目標として、集中的に実施していくことを決定した。右決定に先立ち、本年6月、在マニラの日本大使館は、調査団をコタバトに派遣して、「草の根・人間の安全保障無償資金協力」の説明会を実施し、現在、OPAPP及びBDAと協力しつつ、中部ミンダナオ地域のNGO、学校等を対象に案件形成の作業を進めているところである。なお、反政府勢力であるMILFの復興・開発の実施担当機関であるBDAと連携して、最終和平合意が締結される前に、「平和の配当」が実感出来るような支援を行うというのは、他国に先駆けて日本が初めてであり、極めて画期的なものと言える。

(参考)

ミンダナオ地図

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