軍縮・不拡散

第22回国連軍縮会議 in さいたま(概要と評価)

平成22年10月

1.概要

  1. (1) 8月25日から27日まで,さいたま市の浦和ロイヤルパインズホテルにおいて,第22回国連軍縮会議inさいたま(国連主催。外務省,さいたま市協力)が開催され,18か国と国際機関の政府関係者,有識者,マスコミ関係者等約80名が出席した。
  2. (2) 主な出席者は,リブラン・カバクトゥラン・フィリピン国連常駐代表(2010年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議議長),ローラ・ホルゲート米国家安全保障会議WMDテロ脅威削減担当上級部長,セルジオ・デュアルテ国際連合軍縮部上級代表ほか。また,我が国政府代表として武正外務副大臣が冒頭挨拶を行い,我が国の軍縮・不拡散に対する積極的な取組について述べたほか,日本政府による本年度中の「軍縮・不拡散教育グローバル・フォーラム」の主催を表明した。

2.評価

 今回の会議は,(1)軍縮・不拡散専門家が一堂に集い,2010年NPT運用検討会議の結果及び今後の課題や,地域的な核問題等についての議論を深めたこと,(2)我が国の軍縮・不拡散に対する積極的姿勢を国際社会に示したこと,(3)開催地であるさいたま市等の高校生や一般市民が会議を傍聴することにより国際的な議論の一端に触れ,軍縮問題に関する意識を高められたことに意義を見出せる。特にセッションIVでの傍聴席の高校生等による発言参加に対し,会議参加者からも有意義と評価する声が多く聞かれた。会議の模様はさいたま市ホームページでインターネット中継されたほか,多くのメディアに取り上げられた。なお本会議においては,各参加者は各国政府等の立場を代表するものではなく,個人の意見として発言を行っている。

3.会議の内容(概要)

 各セッション参加者の発言概要については以下のとおり。

(1)セッションI【NPT運用検討会議の結果と今後の課題】

 NPT運用検討会議が最終文書の採択という成果を達成したことに対し積極的に評価する意見が相次ぎ,今後の課題として包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効,兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)交渉開始,2012年中東会議成功等の必要性が強調された。また,米国の参加者からNPTの脱退問題についての議論の継続に言及があったほか,FMCT交渉の場についても議論が交わされた。

(2)セッションII【核兵器のない世界に向けた具体的措置】

 米露間の新START条約やCTBT,FMCTといった法的分野での取組や,本年4月に開催された核セキュリティ・サミット,核兵器国の核政策における同盟国の役割等,幅広い分野について議論が交わされた。

(3)セッションIII【地域的核・通常兵器問題】

 北朝鮮,中東,南アジアの核問題についてそれぞれの地域における問題点等について議論され,北朝鮮の核問題に関しては韓国の参加者が北朝鮮へ厳しい態度で臨むべきことを述べたのに対し,中国の参加者は経済的側面からの信頼醸成も含め忍耐強く対応すべきことを主張した。2012年中東会議を含む中東地域の安定に関してはイランやNPT未加盟国をめぐる課題に関する意見が多く出された。また,東アジア地域の軍備管理枠組みの可能性について同地域での信頼醸成が重要である旨の発表があった。

(4)セッションIV【市民社会の役割:軍縮不拡散教育―市民社会との連携】

 軍縮及び軍縮教育分野における研究機関の取組や国連,政府,市民社会の果たすべき役割と連携について発表が行われ,政府によるこの分野への資金拠出を求める意見や平和教育と軍縮教育の関係についての議論,過去の国連決議にもかかわらず多くの国が無関心であることへの問題提起等があったほか,被爆者である参加者からは,核軍縮ではなく核廃絶を国際的な考え方の基本とすべきであり,そのためにも被爆者として核兵器国の指導者に会いたいとの発言があった。また,傍聴席の高校生等から,軍縮教育の方法や国連軍縮会議自体の広報の必要性等につき率直かつ積極的な質問及び発言があった。

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