(6)開発分野における人材育成と研究

開発分野における高度な人材の育成を行うため、外務省は2011年度より、「高度開発人材育成事業」を開始しました。同事業は、開発の現場で指導的立場に立つ人材を育成するための実践的プログラムであり、既存の開発学科を有する大学の博士課程を補完するコースを有しています。具体的には、(1)ビジネス実務者による日本の企業文化・産業史・ビジネス史を習得するための講座、(2)アジアの開発への日本の貢献、アジアの経済発展モデルの他地域への応用(南南協力)の実践的側面についての講座、(3)国際公法を習得するための講座、(4)交渉のロールプレイング・ワークショップ、(5)インタビュー/プレゼン能力向上のためのメディア・トレーニング、(6)開発分野で国際的に影響力のある海外の有識者による特別講義・講演等の交流事業の6つのコースから成っています。

JICAは、専門的な知識や多様な経験を持つ人材を確保してそうした人たちに活躍してもらうため、2003年に「国際協力人材センター」を開設しました。また、省庁、JICAやNGO、国際機関といった国際協力に関する求人情報を国際協力キャリア総合情報サイト「PARTNER」(http://partner.jica.go.jp/)より提供し、人材の登録、各種研修・セミナー情報の提供、そしてキャリア相談(進路相談)なども行っています。

さらに、国際協力専門員制度により、高い専門的な能力と開発途上国での豊富な業務経験を持つ人材を確保しています。2008年10月に設立されたJICA研究所は、開発途上国の政府や国際援助のコミュニティへの発信を行いながら、国際的に通用する方法論を用いて、政策について実際の開発協力経験に基づいた研究を進めています。


<< 前頁   次頁 >>