若い人やいろいろな経験を持つ幅広い層の国民が参加できる国際協力を推進するため、JICAは、青年海外協力隊事業やシニア海外ボランティア事業を行っています。青年海外協力隊は、20歳から39歳までの青年が開発途上国に原則2年間滞在し、開発途上国の人々と生活や労働を共にしながら、開発途上国の経済社会開発に協力する国民参加型事業です。青年海外協力隊は半世紀近くの歴史を持ち、海外でも高く評価されている日本の「顔の見える援助」の一つです。シニア海外ボランティア事業は、幅広い技術、豊かな経験を持つ40歳から69歳までの男女で、ボランティア精神に基づき開発途上国の発展のために役に立ちたいという人たちが行う活動を日本政府が支援するという国民参加型事業であり、青年海外協力隊のシニア版として位置付けられています。
人と人とのつながりを地道に構築し、日本と途上国との間に草の根の関係を作り出す海外ボランティア事業は、現地の人たちの日本への親しみを深める効果ももたらします。これは、東日本大震災に際しての諸外国からの支援にもつながっています。また、近年はボランティア経験者が、民間部門の途上国進出等に貢献できるという側面も注目されています。
JICAボランティア事業参加者への外務大臣感謝状授与式でモザンビークから帰国した青年海外協力隊員の山田由美子さんに感謝状を手渡す阿部俊子外務大臣政務官
ペルーの職業訓練学校にて電子工学を教えるボランティア(写真:JICA)