<2> 政府開発援助に関する中期政策

平成17年2月4日

1. 中期政策の位置付け

(1)平成15年8月に閣議決定により改定された政府開発援助大綱(以下、ODA大綱)は、「この大綱の下に、ODA中期政策や国別援助計画を作成し、これらにのっとったODA政策の立案及び実施を図る」こととしている。また、旧ODA中期政策は、旧ODA大綱の下で平成11年8月に策定されたものであり、策定後5年が経過している。これらを踏まえ、今般、ODA中期政策を抜本的に見直し、ここに新たな中期政策(以下、新ODA中期政策)を策定する。


(2)ミレニアム開発目標(MDGs)、地球的規模の問題を始めとする開発課題への取組を進めるとともに、多発する紛争やテロを予防し、平和を構築することは、国際社会が直ちに協調して対応を強化すべき問題である。また、我が国と密接な関係を有する開発途上国との経済連携の推進等を通じ、これら諸国の持続的成長を図ることは重要な課題である。このような国際社会の直面する喫緊の課題への取組において、我が国としては、ODA大綱がODAの目的を「国際社会の平和と発展に貢献し、これを通じて我が国の安全と繁栄の確保に資すること」と位置付けていることを踏まえ、戦略的かつ効率的なODAの活用を通じて、我が国の地位にふさわしい役割を果たす考えである。

このような考え方に基づき、新ODA中期政策では、ODA大綱のうち、考え方や取組等を内外に対してより具体的に示すべき事項を中心としたものとし、ODA大綱の基本方針の一つである「人間の安全保障の視点」、重点課題である「貧困削減」、「持続的成長」、「地球的規模の問題への取組」、「平和の構築」、そして「効率的・効果的な援助の実施に向けた方策」を取り上げ、我が国の考え方やアプローチ、具体的取組について記述し、大綱にのっとってODAを一層戦略的に実施するための方途を示す。


(3)国別援助計画の策定に当たっては、ODA大綱に加え、大綱の内容を更に具体化した新ODA中期政策を併せて踏まえることとする。なお、新ODA中期政策における記載の有無は、ODA大綱に盛り込まれている事項自体の重要性や必要性等を変更するものではない。新ODA中期政策は向こう3~5年を念頭に置き、国内外の情勢を踏まえつつ、それ以前にも必要に応じ、実施状況を評価した上で改定することとする。


(4)ODAに対する国民の理解と支持を得るためにも、我が国ODAに関し、十分な透明性を確保するとともに積極的に広報し、援助活動への国民参加を促進することとする。また、評価を充実し、効果的な援助の実施に努めていく。


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