資料編 > 第3章 > 第3節 > 2 > [21]アフリカ開発銀行(AfDB:African Development Bank)及びアフリカ開発基金(AfDF:African Development Fund)
[21]アフリカ開発銀行(AfDB:African Development Bank)及びアフリカ開発基金(AfDF:African Development Fund)
1.設立及び日本の協力開始の時期・経緯・目的
開始時期
AfDBは1964年に設立され、日本は1983年に加盟した。
AfDFは1973年に設立された。日本はAfDF設立当初からの加盟国である。
経緯・目的
AfDBは、アフリカ地域の途上国の経済的・社会的開発を促進することを目的として設立された(設立協定上の本部は、コートジボワール・アビジャンに置かれているものの、2003年以来、本部機能は、チュニジア・チェニスに暫定的に移転)。2003年末現在で77か国が加盟している。アフリカ域内から53か国、また域外のメンバー国から24か国が加盟している。
AfDFは、IBRDに対するIDAに相当しており、AfDBが準商業ベースで貸付を行っているのに対し、AfDFはそうした条件での借入が困難な国に対して、より緩和された条件で融資を行っている。2003年末現在、26か国(域外国25か国及び南アフリカ共和国(未批准))及びAfDBが加盟している。日本はAfDF設立当初からの加盟国である。
2.事業の仕組み
概 要
主な機能は、[1]開発途上加盟国に対する資金の貸付、[2]開発プロジェクト・開発プログラムの準備・執行のための技術支援及び助言業務等である。
AfDBが比較的所得の高い開発途上加盟国に準商業ベースで貸付を行っているのに対して、AfDFはそうした条件では借入が困難な低所得国に対してより緩和された条件で融資を行っている。2003年末現在、AfDBの資本金は320億ドル、AfDFの資本金は186億ドルとなっている。
審査・決定プロセス
借入国と協議の上、プロジェクト・プログラムを策定し、理事会において審査・決定がなされる。
決定後の案件実施の仕組み
借入国が案件を実施し、AfDB(AfDF)はモニタリングを行っている。
3.最近の活動内容
概 要
AfDBからの融資は準コマーシャル・ベースで実施されるのに対して、AfDFからの融資は長期で無利子(手数料のみ)のより緩和された条件で実施されている。
2003年の融資総額は承認ベースで、AfDB 11億1,000万ドル、AfDFが14億8,000万ドル、2002年はAfDBが14億5,000万ドル、AfDFが13億1,000万ドルである。
両機関は、NEPAD(アフリカ開発のための新パートナーシップ)への協力や、農村部の上下水道の整備・改善を旗艦プロジェクトとして掲げ、貧困削減を推進している。また、拡大HIPC(重債務貧困国)イニシアティブの下、サブ・サハラ・アフリカに集中する債務問題の救済にも積極的に取り組んでいる。
主要な事業
融資全体額における部門別比率(2003年)で見ると、農業部門が13.4%、財政部門が17.1%、社会部門が18.9%、エネルギー部門が8.4%、上下水道部門が16.4%、運輸部門が16.6%、鉱工業部門が1.6%、多目的部門が7.5%等となっている。
4.日本との関係
意思決定機構における日本の位置づけ
最高意思決定機関は、各加盟国の総務により構成される総務会であり、日本は財務大臣が総務に任命されている。また、融資承認等の日常業務の意思決定は18人の理事(域内12名、域外6名)からなる理事会で行われており、日本からも常時、理事が選任されている。
邦人職員
専門職員583名のうち日本人職員0名(2003年末現在)
日本の財政負担
AfDBの資本金320億ドル相当額のうち、日本の出資額は17億5,000万ドル相当額(シェア5.5%)であり、域外国中第2位。また、AfDFの資本金186億ドル相当額のうち、日本の拠出額は25億4,000万ドル相当額(シェア13.6%)であり、域外国中第1位である。注)
日本の信託基金への拠出状況
2002年度拠出 約7,000万円
2003年度拠出 約6,000万円
使途:以下の3項目を中心、AfDBと日本の関係強化を図ることを通じ、アフリカ諸国の貧困削減を促進することを目的としている。
[1]一国の総合的・中期的な開発戦略を示し、援助協調を行うための中心的な道具として位置づけられる「貧困削減戦略文書(PRSP)」の策定に対する支援
[2]HIPCs(重債務貧困諸国)を含むAfDB適格国に対するキャパシティ・ビルディングや政策アドバイスの提供
[3]人材育成(奨学金プログラム等)
なお、これまでに約15億6,000万円の拠出をしており、2003年度における支援案件は以下の1件である。

5.より詳細な情報
書籍等
年次報告:1年間の途上国援助活動を国別・課題別に取りまとめている他、域内途上国のデータを掲載している。例年5月に発行されており、アフリカ開発銀行本部にて入手が可能である。また、ホームページにも掲載されている。
ホームページ
アフリカ開発銀行ホームページ
(http://www.afdb.org)
途上国支援活動にかかる最新情報や職員の募集情報、開発政策にかかる各種詳細情報を提供している。