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[7]緊急無償
1.事業の開始時期・経緯・目的
開始時期
1973年度、「災害緊急援助」として創設。その後、1995年度に「民主化支援」、1996年度に「復興開発支援」、さらに2000年度に「NGO緊急活動支援無償」(注:2002年度より「日本NGO支援無償」に統合された)を加えた。
経緯・目的
(1) 災害緊急援助
海外における自然災害及び内戦等の人為的災害の被災者を救済する目的で1973年度より開始。
(2) 民主化支援
世界各地で非民主的体制が崩壊し、あるいは長期に渡る内戦等が終息し、新たな選挙により真に民意を代表する政府を構成しようとする動きが近年強まっていることを背景に、1995年度より開始。
(3) 復興開発支援
和平成立前の難民及び被災民救済等の緊急・人道的支援と和平成立後一定期間を経てから行われる開発援助との間をつなぐ期間において行われ、かつて紛争当事者であった国あるいは地域での復興・再建プロセスをスムーズに移行させるための支援として、1996年度より開始。
2.事業の仕組み
概 要
緊急性を要するこの援助の特殊性から、他の無償資金協力と比較して、資金供与がなされるまでの手続きが簡素化されていることが特徴として挙げられる。
審査・決定プロセス
相手国政府、国際機関等からの要請に対し援助実施の必要があると判断される場合には、日本の現地大使館からの情報などを踏まえ、援助額及び具体的な実施ぶりを決定する。
決定後の案件実施の仕組み
案件の実施が決定すると、外務大臣は閣議にて緊急無償を実施する旨の発言を行う。日本の在外公館は、この閣議発言後速やかに相手国または国際機関との間で口上書を交換し、その後に資金供与が行われる。
3.最近の活動内容
概 要
2003年度は、件数33件(災害緊急援助13件、民主化支援2件、復興開発支援18件)、援助総額約256億円の緊急無償を実施した(実績ベース)。
分野別実績及び内容
(1) 災害緊急援助
2003年度は、イラクに対する人道支援、中国に対するSARS対策、鳥インフルエンザ対策支援の他、イラン等における地震災害、パキスタン等における洪水災害、アフガニスタンの難民、国内避難民及び世界エイズ・結核・マラリア対策基金に対する支援を行った結果、災害緊急援助の実施実績は約118億円となった。
(2) 民主化支援
グアテマラ総選挙に対する支援及びアフガニスタンにおける選挙人登録計画への支援として、2003年度においては約10億円の援助を実施した。
(3) 復興開発支援
2003年度は、イラクに対する復興支援を行った他、スリランカ(母子保健)、パレスチナ(衛生・医療・教育・雇用・貧困)、アフガニスタン(緒方イニシアティブ、地雷除去など)、リベリア(児童兵のDDR)に対する支援として、約128億円の復興開発支援を実施した。
