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[17]民間企業の行う海外職業訓練に対する援助
1.事業の開始時期・経緯・目的
開始時期
雇用保険法に基づく能力開発事業として、84年度より、民間企業の行う海外職業訓練に対する援助事業を実施している。
経緯・目的
国際化の進展を背景として、民間企業の海外活動は今や効率的な事業展開を図るうえで不可欠な要素となっており、海外活動を支える人材の育成、現地労働者を訓練できる職業訓練指導者の養成が重要な課題となっている。他方、海外活動に当たっては、いわゆる経営の「現地化」が強く求められるとともに、現地政府等からは技術、技能の移転、さらには、人造りのための職業訓練の実施について要請がなされている。こうしたことから、民間企業の行う海外職業訓練は一面において開発途上国の人材育成ひいては経済社会開発の促進に寄与する効果を有している。
このような民間企業の行う海外職業訓練の重要性に鑑み、本事業が実施されている。
2.事業の仕組み
概 要
海外職業訓練を行う我が国の民間企業等を支援するため、以下の事業を(財)海外職業訓練協会に委託して実施している。
[1]海外企業内訓練シルバーコンサルタント事業
我が国の経験豊富な中高年齢の専門家をシルバーコンサルタントとして登録し、海外企業で困難に直面している我が国の職業訓練指導者の要請に応じて海外へ派遣し、指導・援助を行う。
[2]情報提供事業
モニター等を活用し、海外の職業訓練に関する情報の収集を行い、インターネット、書籍の刊行、図書館サービス等を通じて民間企業等に提供する。
[3]教材研究開発事業
海外職業訓練用教材の開発を行う。
[4]相談援助事業
海外職業訓練等に関する専門的知識・ノウハウ・経験を有する者をアドバイザーとして登録し、民間企業等からの求めに応じて各種相談・援助を行う。
[5]訓練事業
海外において外国人の職業訓練に当たる者に対して指導技法等の訓練を行う。
審査・決定プロセス・決定後の案件実施の仕組み
海外企業内訓練シルバーコンサルタント事業概念図
3.最近の活動内容
概 要
[1]海外企業内訓練シルバーコンサルタント事業
2000年度は13人、2001年度は10人のシルバーコンサルタントをタイ、インドネシア、中国等に派遣した。
[2]情報提供事業
米国、英国、中国等56か国の雇用・能力開発等に関する最新情報をインターネットで提供しているほか、海外の職業訓練・教育制度・日系企業の人材育成事例等を「海外調査報告」として体系的に取りまとめ刊行した。
また、海外の雇用・労働・能力開発等に関する情報をまとめた書籍「海外・人づくりハンドブック」を、2000年度はシンガポール、韓国、米国、ハンガリー、2001年度はフィリピン、オーストラリア、モンゴルについて刊行した。
[3]教材研究開発事業
2000年度は「機械保全の基礎」「ファジィ制御」「冷凍空調保全」等の2001年度は「機械保全の基礎(電気保全編)」「サーバー構築入門」等の教材を開発し刊行した。
[4]相談援助事業
2000年度は1,751件、2001年度は1,497件の相談援助を行った。
[5]訓練事業
2000年度は220人、2001年度は236人に対して訓練を行った。