平成19年度 あなたの目で見る国造りの現場 ODA民間モニター報告書 Official Development Assistance
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インドネシア Republic of Indonesia
1. ジャカルタ首都特別行政区北ジャカルタ地区プンジャリガン郡カマラ・ムアラ村
に対する共同井戸設置支援計画(草の根・人間の安全保障無償資金協力)
視察プロジェクト概要
実施年度
供与限度額
被供与団体
平成15年度
3,397,700円
ヘクサ・トゥンガル財団
実施目的
必要性
 カマラ・ムアラ村の住民は、元々インドネシア各地の農漁村等からの移民で構成されており、現在は都市部の最貧層(教育、所得、レベル各面)ともいえる劣悪な環境の中で生活している。しかしながら、同村に対する行政サービスが届くようなことは皆無であるため、被供与団体のヘクサ・トゥンガル財団が中心となり民生環境改善に向けて自助努力的な活動を主体的に行なっている。同団体が行なった住民ニーズ調査によると、喫緊の問題は、生活用水の確保であるとの結果が出ており、これまでに、外部の団体から援助を受けて、12の共同井戸を設置し合計1,800名が生活用水を確保することが可能になった。しかしながら、同村内の3つの隣組に関しては、未だに生活用水が絶対的に不足しており、約1,500名(約300世帯)が生活用水の確保に腐心している状況にある。
事業概要
 生活用水が不足しているカマラ・ムアラ村内の3つの隣組に、6つの共同井戸を設置することで、右隣組内の生活用水の確保を狙ったプロジェクトである。供与資金の使途は、(1)井戸掘りに使う各種器具・原材料の購入費、(2)給水タンクタワーの設置費用、(3)労働賃金の3つに大別される。
効果
 現在まで貯水タンク及びポンプは、全て順調に稼動しており、事業実施後大きな問題もなく利用されている。住民会合を通じて水管理が行なわれており、また維持管理に掛かる経費については、住民から利用料を徴収することによって賄われている。
備考
 ヘクサ・トゥンガル財団は、この共同井戸管理のみならず、コミュニティラジオ、幼稚園運営、住民組織運営を行なっている。
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良好な状態の貯水タンク
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タンクから配水される水
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モニターからの意見・感想
野畑 圭造
 北ジャカルタ地区のカマラ・ムアラ村に到着してまずゴミの臭気、生活環境の劣悪な状況にびっくりした。インドネシア各地の農漁村等からの移民のこの村は、行政対応のかやの外なのか。生活用水の確保の為の共同井戸の設置の支援を我国がしなければならない程見放されているのか等と気の毒に思った。行政に頼れないのか、ヘクサ・トゥンガル財団が受皿で、共同井戸管理の他コミュニティラジオ、幼稚園運営等行っているとのことで、ユニークな反面、感心した。しかし、残念なのは折角の井戸水も飲料水に適さないようで行政の対応がほしいと思った。我国のODAの援助一環として水質の検査、飲料水への転換方法等手をさしのべてはどうかと思った。
坂戸 英樹
 1.「無償」資金は日本から援助先に直接届くとのこと。スピードアップやコスト削減につながれば素晴らしい。
 2.「フィルターを付けて井戸水を飲用に!海水の浸入を防いで!」との地元の声があった。更なる支援を求める気持ちはわかるが、目抜き通りの繁栄の陰で貧しい漁村(村民によれば5段階で4番目)に地元政府が飲用水さえ提供しないなら、「無償」は焼け石に水の感がある。所得再分配は自国の責務として取り組ませるよう行政を教育すべきだ。インドネシア政府を突き放すべきだと確信した。
 3.入手に窮する飲料水に加え軽食まで頂戴した。この善意を一部の団員等が口に運ばなかったことは、誠に申し訳なかった。
小林 知子
 カマラ・ムアラ村に青い海は存在しない。黒くよどんだゴミの浮く遠浅の海、十数センチ幅のコンクリートのヘリが防波堤代わりの村は、満潮時になると海と化す。
 共同井戸の設置により洗濯や水浴び等の生活用水が確保され、生活は随分楽になった。しかし飲料水としては利用できず、35L12円程度で購入しているという。依然低所得の住人の負担は大きい。
 ODAの援助により、必要最低限の生活用水の確保はできた。住人会合を通じて水管理もされるようになった。この住人会合の輪が広がり、地域清掃・共同トイレ清掃等の活動に広がって行くことを切に願う。ガラス片も混じるゴミだらけの空き地で、裸足の子ども達が凧揚げをしていた。子ども達の表情を曇らせてはいけない。笑みを絶やしてはいけない。
雨宮 章
 視察初っぱなに垣間見た、まさにこの国の格差社会の現実・・・。
 都市最貧層の暮らすこの地域にとって、“水”は生きることへの最低保障でもある。草の根無償援助による生活用水確保のための12基の共同井戸設置は、たしかに何よりも喫緊の課題であり、劣悪な生活環境の改善に大いに貢献した。しかし、残念ながら確保されたのは洗濯等の水であって、飲料水ではなかった。依然、この地域の人たちは、飲み水をなけなしの現金で買わざるをえないのだ。
 維持管理の問題はあろうが、なぜ当初から浄水機能を付加して、飲料水確保まで想定した支援計画になっていなかったのか・・・。それこそが、痒いところに手の届く支援のありように、私は思えた。
毛利 彰宏
 日本では、見ることの出来ない光景を観た。堤防のない海岸(人口が密集しているのに・・・!)に住民のでないゴミが流れつき、腐敗し、ヘドロと化し悪臭を放つ。誰もそれを片付けない。加えて、生活用水がなく、以前は全ての水を購入していた。多くの支援国や団体の援助で井戸を掘った。残った6ケ所が日本に依頼されたのだ。
 井戸が出来、水が出ても飲用には適さないと言う。「フィルターを付けて飲料水にしたい」と聞いたので、その点を大使館で質した。
 すかさず明解な反論があった。
 「援助を受ける側の自助努力の部分は、将来の自立の為必要である。」・・・と。
 将来の自立に迄気を配るのが日本流なのだ。
宮崎 恭子
 生活用水の確保も難しかったこの村に共同井戸を設置した事は、画期的な試みであったと感じました。この村の感想を述べるなら、「漫画の様な村」です。居住地側の海には塵が溢れ異臭を放っており、その側で所構わず昼寝をしている働き盛りの成人男性。茹だる様な暑さなのに、焚き火の側で遊んでいる幼い子供達。誰も危険だと止めないのでしょうか?根本的にこの村には教育が一番必要だと思いました。教育こそが、貧困の連鎖を断ち切る大きな武器になります。その教育の一環として幼稚園運営を行っている事は、とても有意義に思います。子供達の使用している教材を視察した所、運筆や巧緻性などを意識した素晴らしい物でした。この幼稚園から、村を劇的に向上させるリーダーが巣立って行く事を期待します。
大矢 弘子
 人間の生活に必要不可欠なものが「水」である。住民ニーズ調査でも、生活用水の確保が一番の問題であることから、共同井戸の設置支援は必要であり、充分、住民に役立っていると感じた。井戸から供給される水は、飲用ではなく、あくまでも洗濯やシャワー用の生活用水であり、村民からは、フィルターの支援で飲用にしたいとの声もあったが、生活改善は徐々で良いと感じた。井戸のない地域への支援や毎月一度はあふれる海水対策、海岸整備の方が先であると思う。水に困っている地域でありながら、携帯電話片手にバイクに乗っている姿に違和感を覚えた。価値観の押し付けはいけないが、生きる上での選択順位等、教育支援も必要なのではなかろうか。
中谷 順子
 人が生きていく上で水は欠かせないものである。よって、このような水に関する援助は無条件になされるべきだと私は思う。
 この案件の支援目的は生活用水の確保であった。なぜ飲料水の確保を目的としないのか疑問だったが、周辺地域の上水道水準や自助努力という点から妥当であると納得した。
 視察では、井戸を管理するヘクサ・トゥンガル財団の他の活動もみる事ができた。この村では、地盤沈下に起因する日常的な洪水に悩まされており、まだまだ解決すべき問題があるが、パワーポイントを用い私達に財団の活動を生き生きと説明する姿に、この村の明るい未来を感じた。
西村 保広
 高層建築ラッシュに沸くジャカルタとは裏はらに、あまりにも違いすぎる生活環境に、現在おかれているインドネシアの実態を見たような気がした。インドネシア政府には、重点課題として取り組んでほしい。現場を視察し、海から押し寄せる途方もない無限のゴミを見た時、まずこれを何とかしてほしいと思った。生活環境が、あまりにも悪過ぎる。
 しかし、無邪気な子供たち、愛想の良い住民は、元気そうに満面の笑みで迎えてくれ、私たちに、「水をありがとう」と言ってくれた。そして、飲み水があればもっと良かったとも付け加えた。
 この視察から、インドネシアでは、水、住宅、ゴミなど、生活環境整備の必要性を強く感じた。
秋山 満代
 ジャカルタ市街から車で約1時間移動した所にカマラ・ムアラ村はある。海の幸で生計を営む小さな漁村だ。ジャカルタ市内のビル街とは全く異なる風景に驚く。防波堤のない海岸線に、真っ黒な暗い海が広がっている。
 この村に共同井戸が設置され、生活用水が確保できたことで、人々の暮らしは以前に較べ楽になったと実感できた。しかし課題は山積している。いまだに生活用水が確保できていない隣組がある。生活用水は確保できても飲料水は買わなければならない。飲料水として利用できるように、浄化するフィルターの設置が望まれる。生活用水を各家に供給するホースは地上にむき出しで、すぐに壊れてしまうように見えた。給水面での改善も必要だと思った。
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