平成19年度 あなたの目で見る国造りの現場 ODA民間モニター報告書 Official Development Assistance
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カメルーン共和国 Republic of Cameroon
1. ラジオ放送網整備計画(無償資金協力)
視察プロジェクト概要
実施年度
供与限度額
実施機関
平成19年度
総額9.17億円
通信省
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実施目的
必要性
 カメルーンが策定する貧困削減戦略のひとつに情報通信技術の開発及び普及が掲げられており、国民への情報伝達としてラジオ放送の役割が強調されている。しかし、放送機材の老朽化により現在では51%の人口をカバーするに止まっている。これを70%にまで向上することと、安定した放送を実現するため必要な送信機材とシステム機材の整備の必要があり、今次要請に至った。 イメージ
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事業概要
FM放送局4カ所(ヤウンデ、エボロワ、ンガウンデレ、マルア)に送信機材とスタジオ機材を供与する。
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効果
FM放送受信可能住民数が235万人から531万人に増加する。
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モニターからの意見・感想
津田 美樹
 概してアフリカではよくラジオを耳にする。技術畑ではない私が情報通信機材の説明を十分に理解することには苦しんだが、無償資金協力を受けながらも、機材供与が十分ではない点に関しては、「無償だから仕方がない」と思う反面、彼らの掲げる数値目標達成は困難なのではないかと疑問を抱いた。特にこれら古い機械が、カメルーンにも必ずや到来する情報通信技術の波にキャッチアップできるか否かが、目標とするFM放送受信可能住民数拡大よりも不安であり、かつ迅速な対策が望まれるという視点が欠けているように見えた。だがラジオ放送拡大を教育問題とリンクさせ識字率を向上させたい意向に関しては速急に実行していくべきである。
佐藤 元彦
 ラジオ放送の普及・安定化により貧困を削減するという計画。CRTV総裁を表敬訪問した後、ラジオ局スタジオ、送信所を訪れ、関係者の説明を受けた。E/Nの署名がなされたばかりで機材は未設置であったが、送信所の関係者からは機材の設置と継続的運用に自信が示された。また、識字率がなお8割程度にとどまっている状況の中で、新聞等の文字媒体よりはラジオの方が人々の生活に届きやすいことが説明された。放送には、BBCをはじめとする海外の主要放送プログラムが積極的に取り入れられていた点も注目された。ただ、ラジオ放送の普及を通じてどのように具体的に貧困が削減されるのか、についての関係者の認識を十分に聞き出すことは出来なかった。
松村 洋平
 情報伝達において新聞のコストが高いカメルーンでの、ラジオ放送網の普及に対する貢献は高く評価できる。この電波を通して農業の栽培方法や教育等にも活用していくという。政府が国策として国民の生活レベルの向上を図る時、このような情報インフラは不可欠であり、この日本の無償資金供与は妥当だと言える。今回の援助で、受信可能住民数が国民の70%にまで拡大するが、施設の意義を考えると、放送網の拡大の効果を検証して、将来の100%のカバーを可能にするような更なる供与をすべきかを検討する必要があると思う。今回は放送局の発信する側の人の話しか聞けなかったが、実際の受益者である国民にとって必要であることは明白である。
林 隆之
 新聞やテレビが高価な途上国の人々にとって、1台買うだけであらゆる情報が手に入るラジオが魅力的な情報源であることは疑いがない。しかしながら、ラジオ局では何十年も前のシステムを使っており、装置の老朽化も激しかった。国としても投資しづらいだろう、国民から直接の反響を得づらい事業であるだけに、我が国のODAがこの事業を担うのは大変意義のあることだと思う。
 しかし、ガバナンスに問題点が多いとされる国の情報網に対する支援であることは認識しなければならない。ハードとして提供された情報網が、プロパガンダとしてではなく国民に役立つ形で使われるよう、ソフトの支援も念頭に置く必要性を感じた。
江口 友起
 FMラジオ局のスタジオを訪れた際、その閑散とした空気に驚いた。スタジオはマニュアル仕様。人の出入りも少なく、情報の発信源とは思えなかった。また、厳重な警備の中にたたずむパラボラは、壊れた機材が放置され、その管理方法に改善の必要性を感じた。
 今後、ODAの9.17億円の無償資金協力で、送信機材とスタジオ機材が供給され、受信可能人口が51%から70%まで向上するという。ラジオが最も貴重な情報源となるカメルーンでは、情報インフラの敷設は重要な意味を持つ。重要なのは、機材の供給後、いかにメンテナンスをしていくかということである。無償資金協力にとどまらず、エンジニアの養成など技術協力も同時に供給する必要がある、と感じた。
近藤 佳里
 私たちが訪問した放送局は、近代的なシステムとは程遠く、なぜか懐かしく思えるような製作風景だった。その後、案内された山の上のアンテナ塔は、警備は厳しいが修理工場のように壊れた機械を直していたし、壊れたアンテナらしきものもそのまま風にさらされていた。ラジオ放送整備計画はこれから実施されるもので、国民への情報伝達の大きな役割を担おうとしている。関係者への質問の答えからは明確なビジョンや、構想を聞くことが出来なかったのは残念であるが、援助によって放送網が整備され、より多くの人々に情報が伝わることは必要であると思われた。カメルーンの伝統や文化が組み込まれたプログラムや、緊急時や災害時に役に立つ放送が多くの人々に聞かれるようになってほしい。
大川 希恵
 ヤウンデの市街地に立つ「立派なビル」というのが、ラジオ局を訪れた第一印象です。男性・女性を問わず、そこで働く人々の専門性を感じるとともに、情報網の中心を担う「社会上層部」の印象を受けました。
 放送網の要であるアンテナ施設を見学して受けた印象は、ビル見学で受けた印象とは少し異なりました。そこでは、長年の使用で擦り切れた放送機材が、なおも騙し騙し使われ続けている様子が見られたからです。
 説明全体を通じて、新しい機材を導入し、ラジオ放送網を維持・拡充する必要性が感じられました。また、現在ある機材を可能な限り使用する、という追加援助の前提条件がきちんと満たされていたように感じました。
祖母仁田 政明
 国民の知る権利を保障する基礎的なインフラ整備は、この国の経済発展を促進する観点から極めて重要である。しかしながら国民の所得状況からテレビの普及が進んでいない。そこで当面ラジオでの情報提供を優先したいとのカメルーン政府側のODA要請も納得できる。日本は無償資金協力で送信機材とスタジオ機材を今年度供与するが、現在使用している機材もかなり老朽化している。メンテナンスができる技術をどう供与するかという視点も今後必要である。機材の有効活用はもとより故障修理に対応できる基礎的技術協力を視野に入れた人材派遣をセットにするとこの案件がより生きてくると思う。ODAの重要な役割が感じられる案件である。
橋本 宰
 ヤウンデとドゥアラを結ぶ国道の左右は、ジャングルが続いていた。その途中に時折見える民家やバスを待つ人々を見て、とてつもない辺鄙な場所に住む人がいると驚いた。その地域に住む人々の主要な情報源はラジオであろう。日本が援助を行い、受益者人口を51%から70%に引き上げることは、全く正しいことに思われる。ラジオ局を訪問した時に見た、中学校の放送室並みであるアナログ機材の古さに驚いた。その反面、国にある唯一の放送局は情報操作の危険も孕んでいる。ヤウンデの高台に建つ送信基地が機関銃を持つ兵士に厳重に守られていることに、国の現状を垣間見た。ガバナンスを考慮しながらのアフリカ支援の難しさを感じ取った案件でもあった。
石川 鈴枝
 FM放送局の機材は今から42年前マニラから運ばれたものという。高台に立つ送信所では、私たちが入って行く時の厳重な警戒と、古い機材をメンテナンス中の汗にまみれた作業員の姿が印象的であった。
 この国の多くの人にとり、一日分の新聞はその日の食事代に相当する。新聞は読めないが、どの部族も仕事をしながらラジオをよく聞くという。そのような実情のもとに、ODAにより、ラジオ放送を享受できる人が増え 個々人の生活に潤いがもたらされるのであれば、そのことは素直に喜びたい。
 しかし、ラジオ放送が学校教育の現場で活用される段階に来て、はじめてこのプロジェクトが貧困削減戦略につながっていくのではないかと思った。なぜなら、貧困削減のための経済成長を可能にしてくれるのはこの国の未来を担う子ども達だからである。
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