平成19年度 あなたの目で見る国造りの現場 ODA民間モニター報告書 Official Development Assistance
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カンボジア王国 Kingdom of Cambodia
1. 母子保健プロジェクト(技術協力プロジェクト)
国立母子保健センター建設計画(無償資金協力)
視察プロジェクト概要
母子保健プロジェクト(技術協力プロジェクト)
協力期間
実施機関
平成7~12年(フェーズ1)、平成12~17年(フェーズ2)
カンボジア国保健省
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実施目的
必要性
 カンボジアにおける妊産婦の死亡率は域内で最も高く、右死亡率削減が保健分野の最優先課題となっている。他方終戦当時の国立母子保健センターは、国立病院としての施設及び機能が脆弱であり、医療従事者間の役割分担も明確でなく、正しい採血も行えない状態であった。カンボジア保健省は、国立母子保健センターを、他の病院施設にて治療が出来ない患者の最終搬送先となる「最後の砦」的病院へと強化すべく、また母子保健分野人材育成のための研修場としての役割を担わせるため、日本政府に対し、母子保健センターに対する技術協力と、国立病院としてふさわしい機能を備えた病院施設の建設を要請。日本政府としても、妊婦死亡率の低下には右センターの活動強化は不可欠であるとして、同センターに対する協力実施を決定した。 イメージ
事業概要
母子保健プロジェクト・フェーズ1においては、同センターの運営能力の改善、研修活動の強化、臨床活動の向上及び全国レベルでの研修等を実施。
フェーズ2においては、地方医療施設の助産婦・医師を対象とした妊娠出産・産科救急医療の研修を実施。更にはエイズ母子感染対策プログラムの導入と地方への展開。
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効果
 技術協力の導入により、当国で初めて診察費徴収制度が母子保健センターに導入され、保健施設における予算の自立化のモデル的存在となった他、患者カルテやIDカードの発行による患者登録制度の導入、医療従事者間の役割分担の明確化等、同センターにおける医療体制を抜本的に改革。結果現在同センターは、母子保健にかかる患者最終搬送先及び研修センターとしての地位を確立。また地方の保健行政区医療関係者の能力向上、中央と地方との連携の強化が図られた。 イメージ
備考
 現在母子保健関連では、我が国の技術協力による医療器材保守管理及び地方母子保健向上のプロジェクトが実施されている他、母子保健の現状把握を目的とする開発調査も実施された。
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国立母子保健センター建設計画(無償資金協力)
実施年度
供与限度額
実施機関
平成7年度
17.61億円
カンボジア国保健省
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実施目的
必要性
 カンボジアにおける妊産婦の死亡率は域内で最も高く、右死亡率削減が保健分野の最優先課題となっている。他方終戦当時の国立母子保健センターは、国立病院としての施設及び機能が脆弱であり、医療従事者間の役割分担も明確でなく、正しい採血も行えない状態であった。カンボジア保健省は、国立母子保健センターを、他の病院施設にて治療が出来ない患者の最終搬送先となる「最後の砦」的病院へと強化すべく、また母子保健分野人材育成のための研修場としての役割を担わせるため、日本政府に対し、母子保健センターに対する技術協力と、国立病院としてふさわしい機能を備えた病院施設の建設を要請。日本政府としても、妊婦死亡率の低下には右センターの活動強化は不可欠であるとして、同センターに対する協力実施を決定した。 イメージ
事業概要
 母子保健センターの産婦人科診療部門、訓練研修部門、宿泊部門、管理部門の移転新築、及び関連機材の整備。 イメージ
効果
 産婦人科を中心とする外来診療科及び入院施設が建設された他、200名収容の大会議室、3室の研修室、3室の宿泊施設などの研修施設も備わり、同センターに、当国母子保健サービス及び研修機能を支える基本的な条件と環境が整備された。 イメージ
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モニターからの意見・感想
山口 真知子
 国立母子保健センターに朝8時半に到着。館内はたくさんの子どもと妊産婦であふれていた。日本の無償資金協力により1997年建設され、年間7,000の分娩を行う国内最大の産科病院である。日本側の支援は、単に箱物を作るだけでなく、カンボジア人の手で運営できるようにという視点で貫かれ成功していると感じた。1つは独立採算体制に向けた運営のため、患者から診療費を徴収する制度を導入する一方、貧困者保護のため医療費免除制度を設け、カンボジアの人に受け入れられる制度を作ったこと。また、国家レベルの研修センターとしての制度を確立させ、地方の保健施設・保健スタッフの能力向上を図る事業にカンボジアのスタッフが自信と誇りを持って取り組んでいることにある。
湯浅 俊介
 国立母子保健センターは自分にとって一番興味のある案件の1つであった。日本では今や殆ど無いに等しいような出産時の母親の死亡であるがまだ多数あると聞いてとても驚いていたのだ。しかしそれと同時に日本がODAで支援したこの病院ではそういう事を防ぐために母親の健康指導を行っていると聞いてとても安心した。あと1つここでは驚いた事がある。それは貧しさゆえに診察料を払えない人は申し出れば払わなくてよいという事だ。経済的に貧しい人が多いカンボジアならではであろう。今では日本の方から手を出す事は少ないそうだ。それでもこの病院は機能している様子であった。この病院のようにプロジェクトが成功するといい、そう強く思った。
棚橋 志穂
 カンボジアでは内戦後、他人との信頼関係が希薄になり、チームで働くのが困難な状態だった。母子保護センターでは、JICAの支援を受けてスタッフの研修制度を確立したが、その内容は技術協力のみならず、技術向上のプロセスの中で、カンボジア人同士の良好な人間関係を築くことを目的としたものだという。日本の援助は、カンボジアの内情を理解した上で、最善の方法をとって実施されているのだと感じた。
 慢性的な人材不足や、地理的なアクセスの難しさから貧困層の妊産婦がケアにたどり着けないなど、まだまだ改善すべき点は多い。しかし院内の子供の多さに、カンボジアの未来への希望を感じずにはいられなかった。
黒川 貴功
 患者に「この病院が日本の支援で建てられたことを知っているか。」と質問したところ、半数ほどが「知っている」と答えた。患者たちの間で別名「日本の病院」とも呼ばれているそうだ。エジプトにある、日本の支援で建てられたカイロ大学小児病院も同じように呼ばれていたことを思い出した。
 本施設を訪れて印象的だったのは、資金面での自立を実現していることと、国内の医療に関わる研修施設として位置づけられていることである。単に施設を建てるだけでなく、日本人スタッフがいずれ退いても、自分たちで自立し、発展していけるよう(サステナビリティ)指導している点が印象的であった。そのためには、長い内戦下で失われた、人々の自信や信頼関係を回復させることが不可欠である。
津藤 洋一
 母子保健センターが、単なる病院機能としてのみではなくカンボジアにおける人材育成の研修期間としての役割をも果たしていることを視察し、このセンターに期待される役割の大きさを実感した。また、産後の育児指導・栄養指導などのきめ細かい事業が展開されていることに強い印象を受けた。今後、首都や都市部と地方の農村との医療格差の是正というさらなる課題に取り組む上で、よりきめ細かい人的な支援の必要性を感じた。先進国と呼ばれる日本でも妊産婦の救急医療における様々な問題点が指摘されているが、カンボジアでは地方の農村部で十分な保健衛生の知識が普及されていない現状にある。このセンターの果たすべき役割の重要性を認識した。
古関 明子
 国立母子保健センターは母子への医療サービスばかりではなく、医療における人材育成や指導を行うことによってサステナビリティ即ちいずれはカンボジア人の手でということを目指すプロジェクトであった。栄養指導を行ったりエイズ母子感染予防のための指導を行ったりする現地スタッフのもと、講習を受ける夫婦や沐浴指導を受ける父親。貧困者に対する医療費免除制度があり、行政サービス機能も充実し利用者も増え、日本の支援の成果が現れてきている。しかし、地域格差、衛生指導、機材購入など日本政府、日本人スタッフに負うところも大きいようだ。至る所で日本に感謝する言葉が聞かれたが、自助努力や意識改革はまだ課題のようである。
川嶋 康平
 母子保健センターへ最初に入ったときは、思っていたより清潔さを感じました。
 このセンターは、貧困者には診療費を無料にするなど、利用されやすいよう配慮されていると聞きました。しかし、無料にした医療費をどこかが工面しなければなりません。独立採算制にするとたちまち行き詰ってしまいます。
 妊婦や乳児の死亡率が高いという問題を抱えるこの国で、死亡率を改善するためには高水準の医療を地方にも広げていく必要があります。しかし、資金・技術力など問題が山積みです。このセンターは、医師や看護師の技術力を研修で向上させ、地域での母子保健のレベルを向上させていくうえで重要な役割を担っていると思います。
 このセンターは日本の支援によって建設、運営されていますが、最終的には自主運営しなければなりません。独立採算できるよう支援する重要さを感じました。
安藤 涼真
 子どもは、国の宝であり、未来を担っていく大切な存在である。その子ども達がよりよい環境で育つことができるようにしてあげることは、とても大切なことであり、また、良い環境を整え、正しい子育てのしかたを教えることを、日本人からカンボジア人へではなく、カンボジア人からカンボジア人へすることができるようになってきているのはとてもよい事だ。
 これからはプノンペンばかりでなく地方にもこの施設を建設し、地方に住んでいて、プノンペンまで通うことの難しい人たちにもこの施設が利用できるようにしてほしい。
寺田 舞香
 家族中が集まるほど大きな出来事である「出産」が日本の支援をもとにしてより安全で確実なものになっていることを今回の視察で実感した。
 この母子保健センターは技術を向上させるために研修を行い、センターだけが成長するのではなく新生児の親に対しても新生児に対する知識を与え正しい親への成長を促しているのを感じた。
 このようにして新生児の成長にも深く関わっていくこのセンターに地方では経済・地理的に行けない場合もある。よって私は今後地方の人もこのセンターの恩恵を受けることができるようになって欲しいと思う。
川原 隆実
 ODAの支援により、HIVの感染率低下や、次世代の医者の研修制度の確立などが成された。また、母子保健センターの方は、日本の支援が効果的であったとおっしゃっていた。それは、プロジェクトがカンボジア人主体で行われたからだ。その結果、現在はカンボジア人が自分達だけでやっていけているという。その点で、支援の成果が出ている案件であったと思う。しかし、道路の整備がされていないといった地理的な条件のために、貧しい人がケアに辿り着けないという問題も残っている。ただ、母子保健センターでは、全国の幅広い人のためになれることを目指しているため、これからその問題は少しずつ解決されていくのではないかと思う。
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