平成18年度 あなたの目で見る国造りの現場 ODA民間モニター報告書
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バングラデシュ人民共和国 People's Republic of Bangladesh
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8. ダッカ市廃棄物管理計画調査(開発調査)
視察プロジェクト概要
協力期間


実施機関
平成15年11月~平成18年3月 
(うち、平成17年4月~平成18年3月
フォローアップ期間)
ダッカ市(DCC)
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実施目的
必要性
 都市拡大が進むバングラデシュの首都ダッカでは、人口が1千3百万人を超え、増大する廃棄物の管理が大きな社会問題となっている。ダッカ市では、廃棄物管理事業実施体制の弱さ、廃棄物管理計画の欠如等の理由により、適切な廃棄物管理・処理が行われておらず、都市の衛生環境が著しく損なわれている。一般廃棄物と医療廃棄物、産業廃棄物が分別されずに投棄され、市内の最終処分場(マトワイル)では適切な処理はなされずオープンダンピングされており、悪臭、水質汚染、自然発火による大気汚染等の環境問題を引き起こしている。このような背景から、バングラデシュ政府は、ダッカ市の廃棄物管理マスタープラン策定およびダッカ市(DCC)職員の能力強化のため、開発調査の実施を要望した。 イメージ
事業概要
 本調査では、ダッカ市内の廃棄物の現状調査を実施し、廃棄物管理マスタープラン(Clean Dhaka Master Plan)を策定した。調査期間を通じて、ダッカ市職員と協働で調査を行い、研修を実施するなど、市職員の廃棄物管理に関する理解促進と能力強化に努めた。さらに、調査の中で実施した住民参加型収集のパイロットプロジェクトでは、市民と議論を重ねながら地域に適した廃棄物収集の仕組みを確立した。
 さらに、緊急課題の一つである最終処分場の改善事業に対して、我が国の債務削減相当資金を投入し、開発調査と同時並行で支援を実施。住民参加型収集を広めていくために、2006年7月よりJOCV(環境教育)2名がダッカ市に着任した。
 わが国は、引き続きダッカ市の自主的な取組みを促しながら必要な支援を実施し、ダッカ市とともにClean Dhakaを目指していく予定である。
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効果
ダッカ市廃棄物管理マスタープランの策定
ダッカ市の廃棄物管理能力の強化
廃棄物管理部の設置
職員の能力強化
住民参加型収集システムの確立
処分場改善事業の開始
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備考
ダッカ廃棄物管理に関するわが国の援助実績
平成12年 短期専門家派遣
平成15年11月~平成18年3月 開発調査
平成18年7月~青年海外協力隊(環境教育2名)派遣
平成18年 医療廃棄物・草の根無償(ローカルNGO)
平成18年 技術協力プロジェクト
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モニターからの意見・感想
飽津 博史
 クリーン・ダッカは必ず実現するでしょう。
 ゴミは都市の縮図です。調査チームは最終処分場整備だけではなく、ゴミを出す人達の意識改革から取り組んでいく大胆な対策を提案。最初は市の局長も理解してくれなかったそうですが、今では啓発シールや清掃コンクール等工夫をこらした取り組みも行ない、全市一斉清掃期間には市長自ら参加するまでになったそうです。旧市街のモデル地区では、いままでゴミを集めるシステムすらなかったそうですが、いまでは「東京コンテナ」とよばれるゴミステーションが活躍し、住民からは増設要望も聞きました。確実に取り組みが定着しつつあります。目標の10年後には、住民が誇れるきれいな街になっていることでしょう。
奥 亜紀子
 自分たちの世界しか知らないため、今までのやり方で何が悪いのかが理解できなかったそうだが、JICAがダッカ市と共同して住民の意識改革から始め、様々な問題を乗り越えてようやく現在では住民がこのままでは街がゴミで埋まってしまうことを理解し始めたそうだ。同時に役人側もバラバラになっていた廃棄物の局を、現在試験的に行われている廃棄物管理部として一つにまとめることは予算が減ってしまうからといって反対していたが、最近は一つにまとめて効率化を図ることの必要性に気付き始めているようだった。実際に街でも、ゴミの収集システムが受け入れられている様子が見られた。方向性は見えてきたので、今後ダッカ市が自力で行えるようにバックアップしていく必要があるだろう。
舟橋 周作
 着ているものを捨てる気持ちでゴミ集積場に行ったほうがいいよと言われていた。市役所ではヘルメット、長靴、マスクなどを借りて向かった集積場。同行した大使館員が以前とはぜんぜん違うと驚いていた。確かに臭かったが、マスクをはずしてもそれほどきつくはなかったし、普通の靴でも大丈夫なほど整備が進んでいた。ゴミ処理で最も重要なことの一つは分別であるが、それは、生活基盤のない貧しい人たちの悲しい生活によってなされている現実があった。ゴミ収集も順調に進められているようであったが、そこにも貧しい人々の悲しい生活の場があった。彼らの生活支援を絡めた支援ができないか、よりよい方法を考えてほしい。
村橋 光臣
 ダッカ市における廃棄物管理計画は、社会的なインフラ整備の要求度が高い社会背景にもかかわらず、積極的な対応方針が打出されていると感じた。廃棄物の発生は、多様な社会条件が複合的に影響するものであり、現場で即物的な対応が必要であると同時に、衛生教育の充実が根底になければならないと考える。行政の係わる廃棄物管理計画は、衛生観念の普及も課題として取組むように示唆すべきであると考える。廃棄物の埋立て処分場を視察して、未分類のままの廃棄物が堆積されている状況を確認し、コストと効果の兼合いが難しいと感じた。先進国が20世紀の半ばに発生させた公害の轍を、バングラデシュで再現させないよう援助することが肝要である。
澤登 春仁
 莫大な人口に対し狭い国土、極端に人口密度が高いバングラデシュでのごみ問題は日本以上に重要であり、後世に負の遺産を残さないためにも、早期の対応が迫られる。
 しかし首都ダッカでも適切な廃棄物管理・処理が行われていないため環境問題が引き起こされているが、本支援により行政、住民の理解、能力向上が図られている。オールドダッカでもごみ収集の仕組みを確立したため非常に整然とした町並みが作られていた。
 ごみ処分場で学校にも行かずリサイクルできるごみを拾う貧しい子供たちの姿、またこのごみ拾いにより再利用可能な資源の8割以上が再利用される現実に複雑な思いを持った。
竹平 誠治
 ゴミ処理場では、ゴミの山、ピッカーの姿、近くにビルが見られ、ダッカ市の都市化の様子を垣間見ることができた。
 ODAの一環として、町にゴミ集積場を設置し、収集容器を用意したことは、町がきれいになったことに加え、ダッカ市民に公衆衛生の概念を形成させることにも一役買っていると思う。
 ゴミ問題は、継続して取り組むことが重要である。マスタープランを作成するだけにとどまらず、PDCAサイクルを構築し、ダッカ市民が自らそのサイクルを回して行けるようになるところまで、支援することを期待したい。
永井 英男
 ごみ処理は、大都市に共通する大問題である。人口1300万人を超える首都ダッカで、JICAが敢えてこれに取り組み、市と共同で期限を設定して廃棄物管理マスタープランを策定したことは評価できる。視察では道路やごみ集積所に放置されたごみが目に付き、ごみ処理問題の深刻さが垣間見られた。市には、ごみ処理専任部署が無い状態だったという。これに対し、JICAが市を説得し、職員の能力強化、市民の清潔意識向上など、一貫してソフト面の貢献に2年半努力したのは素晴らしい。新たにごみ箱を設置した旧市街区を歩いていて、街角で「JICA!」の声が掛かり驚いた。市民のごみ処理活動への期待をひしひしと感じた。今後の進展に期待したい。
友田 つばさ
 DCC側職員の実に意欲的なマスタープランについてのプレゼンには正直驚いた。その高いモチベーションに援助の必要性を疑ったほどである。JICAによる開発調査はこうしたDCCの自助努力という部分で確実に成果をあげていると感じた。
 一方でJOCVによる住民啓発活動も今年7月から始まったばかりというが、その成果なのか、ダッカ旧市街地にあるワード65モデル地区を実際歩いてみると、思ったよりゴミも少なく、住民参加型収集システムが定着しつつあることを実感した。
 ベンガル人は個人主義で参加型はなかなか困難だと言う人も多いが、今回の案件については早期の意識変化があったと高く評価できると思う。こうした現場活動にもっと比重をおいて、早い段階で広域に成果を出せれば、これからの廃棄物処理場整備計画をより有効的に進められるのではと期待する。
大澤 友里恵
 各家庭にゴミを集めに来てくれる人がいる。その事実だけを知れば、随分至れり尽くせりの援助だろうと人は考えるかもしれない。だがゴミを所構わず投げ捨てるバングラデシュ人には、まずゴミとは一箇所にまとめて捨てる物という認識が必要なのだろう。「自分の場所だけ綺麗であればいい」というバングラデシュ人の気質にどれだけ変化を与えられるかが今後の課題ではないだろうか。
 ダッカ市庁舎の最上階に新たに設けられた廃棄物管理課の存在がダッカ市のゴミ問題へのやる気を物語っていたように思う。現在は一般・産業・医療廃棄物の区別がなされずに投棄されていると聞き、然るべき手順に則った処理がダッカ市全体で行われるまで、まだゴールは遠いと感じた。
仙波 百合香
 ゴミは自分の家にさえなければいいという感覚を持つ国民。街の路上にはゴミが散乱し、処理場では自然投棄が行われている。しかしこの住民参加型収集プロジェクトでは各住民が市内に置かれているコンテナにゴミを持参し、また各家を回る係に分別したゴミを出していた。ゴミ捨て場にゴミを捨てる習慣がない人に、ゴミを適切に分別して適切な場所に捨てる変化を自主的に促すなんてすごいことだと思う。同時に日本よりもリサイクルが徹底し、スーパーでも布か紙袋の使用が徹底されている面もある。今後も地域に適した収集システムの普及と住民全体の参加により、市全体の大きな効果が期待できる重要な支援であり継続すべき支援だと思う。
猪瀬 朋
 人間が生活していれば多かれ少なかれ必ずごみを生む。問題はごみをどう処分するか。市民一人一人がごみを扱う際のルールとマナーを理解し守らねばならない。しかし、そうした判断の基準として本来常識であってほしい思考、公教育が十分に普及していない。住民は徐々に従来の認識を変え、コミュニティの一員としてごみが投棄されない街づくりに参加しようとしていた。いらないものはごみ用コンテナに入れ、再利用できるごみを探したら散らしたごみはコンテナに戻す。廃棄物管理のフレームワークを提供するとともに、その適正な実施を支える住民の自覚を促していた。住民が自治体任せにしがちな日本は、むしろ見習わねばならない点も多く思えた。
崎 正俊
 人口集中の進むダッカでは、ゴミ問題は、他の大都市同様深刻な問題である。市内やゴミ処理場で、収集や処理の様子を間近に視察することが出来、とてもいい経験となった。JICAやJOCVの方々が尽力されている様子も大変よくわかった。ゴミ収集のシステム作り以上に、ゴミ問題への住民の“意識”をどのように変えていくのか、そのことの重要性・大変さを感じた。また、最初処理場の異臭は、想像していたよりもましに思えた。しかし、現地の方に「過去30回近く来たうちで2番目にましなほうです」と言われ、普段の異臭のひどさは如何ばかりかとも思った。そのゴミの山の中で働いている子どもが5人いた。つぶらな瞳だった。5人中4人は学校へも行かず、家族の生計を支えていた。この子達が学校へ行ける日はいつやって来るのだろうと考えながら、後ろ髪を引かれる思いでゴミの山を後にした。
山下 隆章
 40ha(半分は建設中)というゴミの最終処分場の広さにまず驚かされた。しかも、この処分場は、ダッカ市の半分をカバーするものであり、数年で満杯になるらしい。到底、高熱焼却処分場を建設して処理出来得る量ではない。また、ゴミ回収の習慣がない住民の啓発も急がれるなかで、ゴミ処理の重要性を行政レベルではあるが認識させ、行政機構を変革させた本案件は、市の環境整備計画に大きく寄与していることが窺われた。最近では、ゴミ収集が儲かる仕事として、住民の活動も活発になっているそうである。ただ、ゴミの山から再利用できる資材を捜す子どもたちや黒い汚水の中をかき回す住民を見たとき、真に急務の案件であることを感じた。
谷 千春
 廃棄物処理場の見学では生まれて初めてのゴミの異臭に思わず足がすくんだ。けれど自分も日頃の生活の中でこういうゴミを出していることを思うと、ゴミの問題は途上国・先進国を問わず私達の最大の問題の一つであると痛感した。急激な人口増加、石油・化学製品の増加、処理場の不足、環境破壊といった問題は日本でも同様である。だからこそ一人一人がどれだけ意識を持てるかが重要である。このプログラムでは、処理場の建設だけでなく住民に対する啓発や自主的に取り組むシステムづくりに力を入れている。ただ、ショックだったのはゴミの分別がスラムの人々のゴミ集めによってなされていることだ。ゴミの山で出会った子供達の現実を目の当たりにしてこの国の貧困問題を改めて考えさせられた。
井本 利子
 都市の発展と廃棄物処理は切り離すことができない問題だ。先進国と呼ばれる国でも、なかなか完全とは言いがたいのが廃棄物の問題ではないだろうか。
 科学技術の進歩で、自然のままでは循環しにくくなった製品も多い。また、生活の向上は余剰品をも生み出すことになる。
 都市の発展や人口増加のスピードが著しい今、問題が大きくなる前に早急に取り組む必要がある。
 現場は聞かされていた情報より、ずっと整備が進んでいたように思われる。しかし、必要なのは最終処分場の整備だけでなく、廃棄物をだす人々の意識の向上といえる。日本人スタッフの頑張りによるものと胸を張れる案件だ。
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