中華人民共和国 People's Republic of China

モニターからの意見・感想:

2. 青年海外協力隊員(作業療法士)活動現場(技術協力)

視察プロジェクト概要
協力期間
配属先
職種
2004年12月1日~2006年11月30日
開封市第一人民病院
作業療法士
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実施目的
必要性
 配属先は河南省開封市の最大の総合病院であるが、リハビリテーション科のスタッフのうち、専門的な教育を受けている人員は少なく、理学療法士、作業療法士、言語療法士の区別がなされないまま業務を行っているのが実情である。このうち、作業療法については、まだ初期段階に留まっていることから、知識・技術の向上のため、協力隊員の要請が行われた。 イメージ
事業概要  開封市第一人民病院のリハビリテーション科にて、脳血管障害の後遺症である上肢機能回復訓練とその指導、使用用具の作成、評価表の作成、使用方法の指導について協力する。
効果
 病院スタッフの作業療法に関する知識・技術が向上するとともに、周辺地域でのリハビリ活動が行われる。 イメージ
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モニターからの意見・感想
近藤 義男
 河南省開封市で最大の総合病院、第一人民病院を視察した。ここのリハビリテーション科のスタッフは専門の教育を受けた人が少ないため、初代の理学療法士に続いて、現在は作業療法士の藤澤隊員が派遣されていた。日常業務は脳血管障害や整形外科疾患の患者に対する作業療法の訓練である。様々な作業具や隊員が自ら工夫して造った自助具を使い、患者に対する接し方や心理的ケアを含めて指導をしたり、時々勉強会を開いて作業療法の紹介をしている。隊員とペアで活動しているセンターの李副主任の役割も大きいと感じた。リハビリに対する、病院職員や患者の意識改革と技術向上のため、現地の人の求めにあった貢献をしている隊員に頭が下がった。
渡辺 明春
 私は中国で鍼灸の学習をしていた経験がある。根強い中国伝統医学への信頼のなか、西洋伝来のリハビリテーションを普及させる隊員に敬意を表したい。1回の治療費が17元と伝統的治療と比べ安くないなか、限られた設備、慣れない環境で隊員が創意工夫をしている姿に感動した。北京など大都市では、リハビリテーションの統一教材や自助具なども販売され始めている。しかしここでは一つ一つが手作りであり、材料も自腹を切っての製作という。儒教の考えからか家族のリハビリが当り前の社会で、専門職がいかに的確に医療実践し、生活をも見据えたリハビリができるか、伝統医学との共生にも興味がある。
 青年海外協力隊の活躍を心より祈りたい。
我妻 雄子
 開封市最大の総合病院に藤澤聖子さんを訪ねた。言葉の壁が大変そうでしたが、にこにこと明るく、理想を持って仕事に励んでいるというオーラがあった。若さですね。反日デモの時など不安であったと言っていたが、日本で2年間研修した良きアドバイザーの上司がいて、中国の方々の人柄と彼女の人柄で、乗り越えているのだと感じ安心しました。
 東洋医学に長い歴史を持つ中国ではあるが、リハビリの立ち遅れがあるため、作業療法の要請があってここに来たと言っていた。リハビリは遊んでいるように見えるしお金がかかるので、続けることができない患者が多いという話もあった。そんな中、隊員支援のためにJICA事務所から供与されたホットパック(温熱療法のための機材)を見た。私は、この手の支援は大いに進めるべきだと思う。協力隊である彼女達の活動が円滑にすすみ、効果がそれによって早く現れ、さらによろこばれるよう配慮してほしい。効果的支援であると思う。
 協力隊員の勇気に敬意を表し、安全と保障に万全を尽くすべきである。
土井 謙次
 青年海外協力隊の藤澤さんの、謙虚だが確かな信念で働く姿勢に心を打たれた。さらに、彼女を支えるスタッフや患者から、藤澤さんに対しての感謝の気持ちが伝わってきた。このような目に見える貢献、直接成果が表れる人的協力は、平和国家・日本の国際貢献のあり方としてきわめて重要であると思う。青年海外協力隊は、ぜひともこれからも発展・拡充してほしい制度である。また、次代の日本を担う人づくりという点でも、たいへん有意義であると感じた。
 しかし、制度的に応募者の負担が大きすぎるのではないかと感じた。協力隊員が、帰国後に多少でも就職に有利になり、または、給与に反映されるような公的な資格制度がつくられることを望みたい。
内記 和彦
 私の暮らしている沢内村は、山間豪雪地域ということから、医療体制の整備に長く苦労してきました。病院の整備、医師の確保、看護師等の医療従事者の確保、最近も数年かけてやっと理学療法士を確保できた状況です。
 開封市第一人民病院では、日本から派遣された作業療法士の藤澤さんの活動と病院の概要を視察しました。中国ではリハビリの分野が遅れており、この分野での支援を必要としているとのことでした。私の村でも同様な状況から、その必要性は十分に分かります。
 リハビリについて中国が自力で取り組めるように支援をすることは、有意義なことだと考えます。できれば、日本国内向けの青年地方協力隊があればいいと感じた程でした。
茂木 幹夫
 一人見知らぬ地で新しい作業療法の紹介と普及に努める藤澤隊員。辛さや苦労は感じさせずに孤軍奮闘している姿に、ただただ頭の下がる思いであった。日本の若者も捨てたものではない。そして、彼女を取りまく人々も彼女をやさしく包みこんでいるのがすぐに分かった。そこには反日感情など微塵も感じられなかった。任期が終わって帰っても手作りの治療器具を見れば藤澤隊員を思い出すに違いないし、新しい作業療法も定着するであろうと確信している。提案は、青年海外協力隊員の労に報いる方法である。帰国した際には、その知識と経験を公に認めて、新に国際協力推進員○級といった国家資格を創設して与え、その後の就職等に有利に生かせるような方策を講じてほしいと思う。
田所 日出志
 中国での身体障害者数は6千万人とも言われている。 総合病院では、リハビリテーション科の設置と理学療法士、作業療法士の設置が義務付けられているが、専門技術者養成機関が少なく、慢性的な指導者不足の中で知識や技術のある青年海外協力隊員の存在は大きい。
 作業療法士として、リハビリの認知と作業療法理論を伝え実践していくことが課題となっているが、勉強会の開催やリハビリ機材が乏しい中で独自の考案機材で治療を行っていたのに感心した。病院ではスタッフや患者さんからの期待と信頼を受けており、ODA活動の継続が必要と感じた。また、身体障害者以外の知的障害者や精神障害者は管轄外とのことであったが、この分野でもODAによる支援がより拡大することを強く感じた。
横山 真弓
 リハビリがまだあまり知られていない中国で、作業療法士として派遣された青年海外協力隊員藤澤さんの仕事と病院を視察した。以前派遣されていた隊員(理学療法士)と担当分野は違うが、後任として、同僚の李さんと頑張っている様子が印象的だった。日本では、機能訓練を発症後すぐに始めるのが効果的だそうだが、大分経ってから始める人が多く、なかなかめざましい進歩がないこと。作業療法は日常生活に戻る訓練で、少し障害が残っても受け入れて生活しなければならないことを理解してもらいにくいこと、など、難しい問題もあるようだ。中国語の勉強を続けて、もっと患者さんに丁寧に説明できるようにしたい、同僚・現地の方と日中の相互理解を深めていきたいという姿勢、自分の技術を余すところなく伝えて、隊員が帰国しても現地の方の手で続けていってほしいという藤澤さんの考えには感銘を受けた。このような人を介した協力こそが、日本人の姿が見える援助であると思う。
中森 薫
 病院は患者でごったがえしていた。さらにトイレが近いのか、廊下移動中どうも臭う。
 青年海外協力隊員もカウンターパートの方も非常に熱心である。リハビリの精神を現場で教えたい。しかし多くの患者はリハビリ経験がなく、これが治療かと反発する人が少なくないという。
 ご存知中国は人口が多く、田舎ほどインフラが未整備であり、通院できるだけでも幸運であろう。さらにリハビリを受けられるのは有難いことのはずであるが、そのことを理解できるのは何割であろうか?
 協力隊員も現地生活にはサポートが欠かせない。その中の2年間で何を残せるか、帰国後のカウンターパートの活躍が頼みどころか。援助を受ける国の、組織的なフォローは無いのだろうか。
藤井 美穂
 青年海外協力隊・隊員である藤澤さんが、日本では馴染みのある織物の用具を、自らの手で作り、作業療法の一部に取り入れていたことに彼女の熱い努力と、彼女の存在が病院のリハビリ技術の向上の一助になっていることを肌で感じることができた。ただ、患者さんとの関わり合いの中で、藤澤さんのやり方を理解してもらうまでに困難を要することも多々あることを聞いた。藤澤さんは、作業療法士としてのミッションと、青年海外協力隊としてのミッションという二つを抱えている。彼女はそれを十分に認識し、後者のミッション達成に向けては、まずは病院の仲間たち、そしてより多くの患者さんとの触れ合いを大切にし、日中の相互理解の促進に努めたいと話していたことに、感銘を受けた。
水野 幸恵
 病院の入り口には私たち民間モニターを歓迎するとの幕が大きく掲げられていた。ここでは女性の協力隊員がリハビリを直接患者に指導したり、中国ではあまり知られていないということで、広めるために他の看護士に対して勉強会を開いたりしているということであった。器具も十分そろっていないため、窓枠を利用して作った器械とか、絵を見て行動を促すようにできている表だとか、彼女自身で工夫しながら作成していることには驚かされた。どこで何ができなかったのかということを順を追って絵で確認しながら改善していけるというかなりの優れものであった。私たちがぞろぞろと部屋に押し入ってきたのにもかかわらずリハビリをしていた患者さんは、私たちが部屋を出るとき軽く会釈をするとにこっと笑顔で返してくれた。その笑顔を見て人と人の直接的な援助の大切さを感じた。
林 義男
 開封市周辺四百万人の医療・保健等を行う総合病院で、青年海外協力隊の隊員の方は、中国人スタッフとともに、作業療法士として活躍されていた。ここではリハビリテーションそのものが初期段階であり、彼女の知識や技術はたいへん貴重なものであった。赴任して7ヶ月でまだコミュニケーションが充分とれないなか、彼女の真剣で懸命な姿勢は中国人スタッフにも充分伝わっていた。反日騒動のなかナーバスになる彼女に「心配しないで。私たちの仲は変わらない。」と気遣ってくれた副主任の方は日本での看護研修の経験があり、彼女の存在が隊員の活動を支えていた。大規模なインフラ整備だけでなく、人と人との交流が日中間の将来を考える上でとても重要だと感じた。
菊池 敦
 赴任してからまだ7ヶ月余りだそうだが、協力隊員の藤澤さんは、この病院に根付いており、必要な人材となっていると感じた。
 この地域ではリハビリに対する認知度がまだ乏しく、彼女も当初はその目的と必要性を患者やその家族に理解してもらうのにも苦労したという。それが今では彼女が時に制止するほど、熱心にリハビリに取り組む患者がふえたそうだ。
 病院内には彼女や前任の理学療法士の隊員が導入したリハビリの器具や、その使用方法を記した掲示があり、日々患者に用いられている。またこの病院を拠点に、研修会等を通じて市内の他の病院へもリハビリの普及が見込まれているそうだ。
 この病院ではまだ、義肢装具士や言語聴覚士などの分野で人材が必要であるという。専門の人材が不足している所へ、その知識や技術・経験のある人材を派遣するこのプロジェクトは、今後もより発展させてほしい。
片原 恵美子
 事前に名前を何度もお聞きし、お会いするのを楽しみにしていた。いざお会いすると、思いのほかいい顔をしていた。
 現場は作業療法が未知の分野であり、作業療法の道具をカタログに沿って作ったと聞いた。一代目の理学療法士の隊員の報告を読むと、すばらしい活躍である。現場の活動は想像を超えて、初代隊員のプレッシャーが存在し、どうなっているのだろうかと思った。
 隊員は現場のスタッフに大切にされ、自分も周りを大切にして、その活動は充実していると感じた。これは隊員を支える中国人スタッフのおかげである。特に副主任は日本で二年の看護師の研修経験がある。この人の存在があってこその隊員の派遣、活躍であると思った。
岸 芙美子
 熱列歓迎で出迎えてくれた河南省開封市最大の総合病院に少し恥ずかしそうに笑う青年海外協力隊の藤澤聖子さんがいた。外国人スタッフは彼女一人。作業療法士の専門的知識を伝えるために彼女は派遣された。中国にも彼女の分野を学ぶものがいるが、あえて日本から派遣する理由は何か当初疑問に思えた。藤澤さんを多面でサポートしている副主任の李さんは彼女から多くのことを学んでいると話してくれた。藤澤さんはただ技術を伝えに来ただけではなかった。中国ではリハビリ=完全な機能回復という考えが多い中、藤澤さんは患者さんがより良い生活が出来る為に患者さんの持つ力を引き出すことをリハビリの目標にしていた。彼女は知識だけを伝えるのではなく患者さんと向き合ってリハビリに協力する姿勢は中国人スタッフの強い刺激になるだろう。JICAによるボランティア派遣は国境を越えた人と人との真の交流がある。暗い過去や様々な国レベルの問題をも簡単に乗り越え、人の暖かみを伝えるとても大切な活動に思えた。この日中間の繋がりがきっと未来に繋がっていくのだろう。
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