ODA評価 年次報告書202126インドのメトロ事業の経験を踏まえ、バングラデシュ・ダッカ交通整備事業において、ジェンダーアクションプランの作成支援等のジェンダー視点に立った取組の支援を実施している。広報活動として、例えば「女性・平和・安全保障(WPS)国際会議」(令和2年12月、於:ベトナム)、外務省主催ウェビナー等の機会に、紛争影響国における女性の保護、経済的エンパワーメントの支援、紛争下の性的暴力予防のための警察・軍・司法関係者の能力強化、アフガニスタンの女性警察官支援等のプロジェクトを紹介。その他国際会議や国連での会議等の機会に、紛争下の性的暴力担当国連事務総長特別代表(SRSG-SVC)事務所への拠出案件である、コンゴ民主共和国に対する司法制度や警察支援を好事例としてたびたび報告している。また、国際ガールズデーや国際女性デーの際にも、ジェンダーに関する取組などをJICAホームページ等で発信している。提言: 日本のジェンダー分野を代表する案件の形成日本が被援助国及び国際社会に対し、ジェンダー分野における貢献を十分に示せるよう、日本の代表案件となるようなジェンダー案件を形成し、日本のODAの強みを全面に押し出すべきである。また、アピールできる実績を作ることは、他ドナーとのさらなる連携に役立てることが出来、協力関係の強化、ひいては日本のジェンダー支援の強化につながることが期待できる。対応策の実施状況社会実装について、定義や目指すべき方向があるものの、創設後10年を経過した現在でもSATREPSプロジェクト期間内で目指すべき到達点に関する共通認識が不十分であり、具体的な推進策を打ち出しにくい。今後は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)及びJICAのそれぞれのプロジェクト資料において具体的に目指す社会実装に関する共通認識を関係機関が確立する必要がある。また、SATREPS事業が終了してから数年後の効果を調査して分野・領域毎に俯瞰的な教訓を抽出する長期的なフォローアップが必要である。社会実装の目指すべき到達点または具体例について、SATREPS関係機関において検討中であり、令和3年度中に整理する予定。長期的フォローアップについては、JSTがSATREPS事業の追跡評価(調査)を継続するとともに、令和3年度にJICAが研究の類型化や高い開発効果があった案件の教訓抽出等を目的にSATREPS事業のレビューを行う予定。SATREPS全体の教訓を抽出すべく、引き続き既存の枠組みを活用しつつ関係機関間で検討していく。提言: 「社会実装」の共通認識と長期的なフォローアップメカニズムの確立対応策の実施状況キルギスのイシククリブランド フェルト作業所で働く女性(女性のエンパワーメント推進にかかるODAの評価)女性のエンパワーメント推進にかかる ODAの評価SATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)の評価
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