教訓 | コスタリカ・ニカラグア対応策の実施状況 | コスタリカ・ニカラグア 日本のODAに関する幅広い国民層への広報については、現地報道各社へのプレスリリース配布、大使館ホームページ、facebookを通じた幅広い広報を継続している。 先方政府の国家政策における優先順位が高く、強いイニシアティブを発揮している分野に対する協力は、高い成果につながり成果の持続や拡大にも期待できる。 中南米地域においては、日本が単独で実施するよりも、米州開発銀行(IDB)との協調によって、より規模の大きな協力の実施、事業形成・実施の円滑化、経済的負担や作業負担の軽減などが可能となり、協調の有効性が高いことが確認された。 多様なODA援助形態を戦略的に組み合わせて協力を行うことは、協力成果を一層拡大・定着させるとともに、効率性も高いことが確認された。 複数国・地域に対する協力を行う場合、テーマに応じ、協力形態を選定するべきである。例えば、特定のテーマに関する協力の場合、一国で得られた知見や教訓、成果などを第三国に横展開する「広域協力」の形の方が効率的に成果の発現につなげやすい。他方、一カ国では解決できない地域共通の課題の解決のためには地域調整機関を窓口として地域全体で取り組む「地域協力」の形の方が、域内の基準などの統一化の推進が図りやすいといった利点がある。 ODAによる政策レベルの成果を適切に評価するためには、政策目標をより明確化するとともに、個別の協力プログラムの目標に対し、具体的な指標を設定すると有益である。 先方政府のイニシアティブを後押しする協力については、2021年以降予定の次回国別開発協力方針改定時に検討する。 米州開発銀行(IDB)との協調融資案件については、ニカラグアの省エネ電化促進案件は2019年に事業終了した。また、コスタリカの首都圏下水道整備案件については引き続きJICA・IDB間で協調して事業を実施中である。日本はIDBと定期的に協議を行い、新規協調融資候補案件や協調融資の可能性について引き続き検討している。 戦略的なODA援助形態間の連携に関し、ニカラグアの運輸交通分野で、過去に実施した無償資金協力や技術協力と連携する形で有償資金協力(橋梁案件)を実施中である。また、中米地域において、教育分野や保健医療分野を中心に、技術協力やボランティア事業の連携により、技術や方法の導入を促進させている。 域内の事例から得られた知見・教訓の活用では、所得格差課題に対する取組みの一つとして、エルサルバドルで実施した一村一品運動が好評であった。これを受け、現在、グアテマラやホンジュラスでもその適用を進めている。また、警察分野では、ブラジルの成功事例をもとに、ブラジル政府の協力を得ながらグアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルで活動を実施している。保健や防災、教育分野でも、同様に成功事例の構築とその展開を念頭に事業の形成を行っている。 中米各国の共通課題に取り組む際には、中米統合機構(SICA)の枠組を活用しており、現在、環境保全分野、運輸交通分野、気候変動対策分野において協力事業を実施住民間で防災情報を共有(中米広域防災能力向上プロジェクト)(グアテマラ) 写真提供: JICAムルクク橋(橋梁・国道整備事業)(ニカラグア) 写真提供: JICA25
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