アンゴラ国別評価提言対応策の実施状況農業試験場で耕作する農民(地域社会機能強化プロジェクト) 写真提供:長倉 洋海 / JICA 2017年のロウレンソ新政権発足後、アンゴラでは新しい国家開発計画などが策定されるなど、国内状況に大きな変化が起こっている。このため、以下の3提言を日本の対アンゴラ国別開発協力方針や事業展開計画へ反映するべきである。●新国家開発計画の重点項目の一つとして「地域間の調和のとれた開発」が掲げられており、日本はアンゴラの地方部における協力をより積極的に実施する。●アンゴラの開発ニーズに合致した多額の資金提供が可能である円借款を有効に活用した支援を行う。●ロウレンソ新政権が取り組む重要課題の一つである投資環境整備分野への日本の支援の可能性を探求する。 また、今後、日本の対アンゴラ支援が増える可能性を見据え、日本の対アンゴラ支援の現地実施体制を強化する。さらに、日本の対アンゴラ支援の認知度をアンゴラ国内で高めることが重要であり、日本のODA広報を強化する。 アンゴラの新国家開発計画については、今般の新型コロナウイルス感染症対策として取られた貧困者救済政策などの経済社会政策に関する情報の収集を行った上で、次回の国別開発協力方針(2022年以降を予定)や事業展開計画に反映する。 地方部における協力については、地方自治体への国家の権限委譲のための制度が整備されつつあり、各地方自治体が抱える個別事情に応じた開発計画に沿った協力が望ましい。特に、農業分野において、地方部における協力の可能性を追求する。円借款の有効活用については、アンゴラの経済情勢や対外債務の状況を注視しつつ、ニーズにあった案件の形成を目指し、情報収集を行う。原油価格の下落や新型コロナウイルス感染症の影響による経済悪化が懸念されるが、長期的観点から引き続き投資環境整備分野での支援を検討する。 現地実施体制強化については、2018年7月にJICAアンゴラフィールドオフィスを事務所に格上げした。現在、新型コロナウイルス感染症の影響により業務が制限されているが、現地事務所の活動分野の拡大及び専門性の強化が期待されており、引き続き現地実施体制の強化を検討する。 日本のODA広報については、日本企業の活動支援や文化交流活動とともに大使館ホームページやfacebookに掲載しており、引き続き積極的に行っていく。22
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