広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2006年9月6日発行 第98号

 ODAメールマガジン第98号は、フィリピンから「フィリピンの教育事情を覗いて」「ミッション:制約要因を解決する」をお届けします。

フィリピン地図

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フィリピンの教育事情を覗いて 原稿執筆:在フィリピン日本大使館 角井 伸一 一等書記官

 フィリピンの人口は8千万人を超え、2015年には1億人を超えると予想されています。また15歳未満の若年人口は3千万人、割合は35%と今後も増加し続けると見られています。こうした中で、深刻な問題となっているのが、教室不足、教材不足により生徒が快適な教育環境の中で授業を受けられないということが挙げられます。

 こうした状況の下、我が国では無償資金協力により「教育施設拡充計画」(第1次~6次)を実施した結果、フィリピン全域に教室数1,940室、理科室178室、トイレ491か所が提供できました。

 今回、私は第5次計画(2期目)で提供された教室等を見る機会がありましたので、そこで見聞きしてきたことについて述べたいと思います。

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 フィリピンの公立学校は、校舎自体が古くてかつ狭く、また教室の絶対数が足りないため、教室以外の場所で授業が行われていることは珍しくありません。例えば、屋根をビニールで覆っただけの場所や簡単なプレハブ作りの場所で机もない所です。教室で行われるにしても、1教室あたり60名以上詰め込まれているケースが多く、快適な教育環境とは言えない状態です。

 また、理科実験室が無い学校では、生徒が実際の実験ができないため、紙に書かれてある実験道具を見ながら行うということも少なくありません。トイレが無い学校なんて考えられませんが、この計画の実施前にはそういった学校も存在しました。

 学校側の問題だけではなく、この地域は比較的貧しい家庭が多く、特に農業を営んでいる家庭では、仕事が優先され、学校に行けない生徒も少なくありません。

 フィリピン政府もこのような状況を打破するため、全ての子供に基礎教育の機会を提供することを目標とした「万人のための教育」や、地域社会の参画による学校改善の運動の成果を高めるための「基礎教育セクター改革アジェンダ」という政策が策定されていますが、実際には教育分野の国の予算が限られているため、教室不足問題の解決に直結していないのが現状のようです。

 第5次計画(2期目)では41校の学校を対象に、165教室、理科実験室24校、トイレ39校を設置しました。この結果、生徒が学校に積極的に来るようになった、理科実験室で実験ができるようになり生徒たちの学習意欲が高まった、衛生的なトイレにより学習環境が向上したなどの反応が校長や教員からありました。

 一方課題としては、質の高い教員不足の問題、継続的なメンテナンスの問題がありましたが、ここでも予算上の制約があるようです。

 最近、フィリピン政府でも教育の議論が活発になり、質の高い教育を目指すべく予算を含めて見直す動きがでてきています。日本政府としてもこのような動きを歓迎しつつ、今後さらなる支援ができるかどうか他の団体とも連携して、積極的に検討していく考えです。

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ミッション:制約要因を解決する 原稿執筆:JBICマニラ事務所 吉川 正紀 駐在員

 暑くても、汚くても、居住地であれば、自分はどんなところでも暮らしていけるだろう。そう思っていました。しかし、マニラ湾沿いの高層ビルを車窓から眺めながら、約20分北上しただけで、そんな自分の考えが無知と傲慢から生まれたものであると痛感しました。

 フィリピンの全人口の10%強にあたる1,000万人が暮らすマニラ首都圏の北部に、カマナバ地区(カローカン市、マラボン市、ナボタス町、バレンズエラ市の総称)は位置しています。マニラ港での日雇い労働などの職を求め、地方から多くの人が移り住んだ地域で、かつてマニラの都市貧困の象徴であったスモーキーマウンテンに隣接しており、貧困層が多く居住しています。

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 トタンや木材でできた小屋に大家族で住む人々、倉庫の中に無秩序に住み着いている人々。高層ビル街とは目と鼻の先にも関わらず、景色は一変します。

 何よりも自分の考えの甘さに気づかされたのは浸水と浸水した水の臭い。地盤が低いカマナバ地区は、マニラ湾の潮位の影響を受け、満潮時には排水路が逆流し、日常的に浸水被害を受けています。雨季(5月~9月)には膝下程度の浸水が何日も続くことも珍しくありません。ごみなどが入り混じった漆黒の色をした水はなかなか排水されず、周辺は異臭に包まれています。

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 高層ビル街からたった20分しか離れていないのに・・・。地理的な条件を生かせれば、いくらでも開発のチャンスがあるのに・・・。

 国際協力銀行が実施中のカマナバ地区洪水制御・排水システム改善事業は、この地域の浸水被害を受ける地域を減らし、浸水被害を受けたとしても浸水時間を短くすることを目標としています。

 本事業は、貧困層の劣悪な生活環境を改善し、地域開発による便益を住民に届けやすくするだけではなく、この地域の持つ地理的な優位性を引き出すことができれば、政治・経済の中心地であるマニラ首都圏の一部として大変身を遂げるかもしれません。

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 自分の想像を超えた劣悪な環境の居住地域。他方で大きなポテンシャルを秘めた地域。

 こうした地域の制約要因を解決していくことが円借款の重要な仕事のひとつだと実感させられました。

《追伸》
 この事業を実施するにあたっては、排水路の周囲、水門・ポンプ場予定地などにおいて住民移転が必要でした。フィリピン政府は、移転住民に対し移転地を提供し、移転地での職業訓練、開業のためのマイクロファイナンス支援を行うなどの配慮をしてきています。移転当初は新しい土地での生活になじめなかった人々も、こうした支援の甲斐があってか、徐々に新しい生活を築きつつあります。



編集・発行 外務省国際協力局(〒100-8919 千代田区霞が関2-2-1)
8月1日より旧経済協力局は「国際協力局」になりました。

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