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ODAメールマガジン/2006年7月19日発行 第95号

 ODAメールマガジン第95号は、イラン・イスラム共和国から「イランにおける技術協力~地震対策の強化~」「イランの水資源問題への取り組み」をお届けします。

イラン・イスラム共和国地図

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イランにおける技術協力 ~地震対策の強化~ 原稿執筆:在イラン日本国大使館経済協力班 長田 仁 二等書記官

 イランといえば、最近は核開発問題で世界的に注目を集めていますが、実際のイラン国内の様子や人々の生活は意外と知られていないのではないでしょうか。

 首都テヘランでは高層マンションが建ち並び、緑が多く茂っている様子を目にすることもできますし、テヘランから山を越えてカスピ海側まで行けば、まるで日本のような風景を見ることもできます。
 一方で、内陸の乾燥地域では、イランと聞いてイメージする通りの土漠地帯が広がるなど、イランの国土は多様な顔を持っています。

テヘラン北部の様子
テヘラン北部の様子
カスピ海に近い地域の田園風景
カスピ海に近い地域の田園風景

 イランの国土に関することで忘れてはいけないのは、日本と同じように地震が起きやすい地域であるということです。

 2003年12月にイラン南東部のケルマン州バムで発生した地震により、4万人以上の人が死亡し、ユネスコの世界遺産に指定された古代遺跡アルゲ・バムは壊滅的な被害を受けました。

地震により80%以上が崩壊したアルゲ・バム
地震により80%以上が崩壊したアルゲ・バム

 最近では、2006年3月30日夜から翌朝にかけてイラン中西部のロレスタン州で立て続けに3度の地震が発生して、死者65名、負傷者481名という被害をもたらしました。

 この地震に対し、日本からは1000万円相当の毛布、テント、発電機等の緊急支援物資の供与を行いました。

緊急支援物資の目録を手渡す八幡公使(右)
緊急支援物資の目録を手渡す八幡公使(右)

 このように地震が発生しやすい地域でありながら、地方の住宅は日干し煉瓦を積み重ねただけの耐震性の低い構造のものが中心であり、大規模な地震が発生するたびに崩壊した住宅に押しつぶされて多くの死者が発生しています。
 しかし、地震による被害を抑えるためのイラン政府の対策は十分とは言えず、イランにおける地震防災の分野には多くの課題が存在しています。

 日本はこれまで大きな地震を何度も経験してきており、地震防災の分野では優れたノウハウを持っています。
 そのため、自らの経験を生かした効果的な援助が可能であり、日本の協力による地震対策の強化が求められています。

 このような中、テヘラン市政府の地震防災対策の強化を目的とした技術協力プロジェクト「地震後72時間緊急対応計画構築」が今年度から始まりました。
 このプロジェクトはテヘラン防災管理局を実施機関として、地震発生直後の緊急対応計画と関連するシステムを改善し、コミュニティレベルも含めて緊急対応の実施主体を強化することを目的として、現行の緊急対応計画の更新に係る支援や、早期被害予測システムの開発、コミュニティレベル緊急対応システムの構築等を行うものです。
 4月下旬から5月上旬にかけて事前調査団がテヘランを訪れて情報収集やプロジェクト基本計画に係る調整を行いました。
 10月頃には実際にプロジェクトが実施される予定になっています。

 テヘランは近年の人口集中や都市化の進展により、ひとたび大規模な地震が発生すれば大惨事となることが懸念されています。
 このプロジェクトに先立って2002年~2004年に行われた開発調査では、テヘランで大地震が起きた場合、最大で38万人が死亡、48万戸の家屋が全・半壊し、間接被害と2次被害を合わせると経済損失は330億ドルにも達するとの被害予測が出されています。

 地震による被害の規模は地震発生直後の初動対応によって大きく左右されるため、日本の技術協力によりテヘランの緊急対応計画が効果的に改善されることが期待されます。



イランの水資源問題への取り組み 原稿執筆:JICAイラン駐在員事務所 中山義規 企画調査員

 イランの年間降水量は平均して650ミリメートルほどだが、イランの内陸部では年間降水量が50ミリメートル程度と極端に少ない。
 伝統的に比較的降水量の多い山地から伝統的な「カナート」とよばれる地下水路によって、水を運ぶことによって、農業や人々の生活がほぼ持続的に成り立っていた。
 しかし、近年の人口増加、灌漑の普及などによる水需要の増加により、深井戸等の開発などによる地下水位の低下、地盤沈下、流量以上の無理な水資源開発計画の立案、水資源を巡るステークホルダー間の対立など、問題が深刻化してきている。

 このような状況に対し、イラン政府は流域単位で水資源管理を行う総合的水資源管理の導入による状況の改善を目指している。
 JICAでは2004年から水資源管理公社に水政策専門家を派遣し、水資源管理に関する技術移転を計るとともに、2005年から水資源管理に携わる行政官を対象とした総合的水資源管理の国別研修を実施している。
 また、本年度からはイランの主要河川のひとつであるセフィード川を対象とした総合的水資源管理計画の協力を行う予定である。

セフィード川流域で塩分濃度を測定する
JICA牛木専門員(中東広域水セクターアドバイザー)
セフィード川流域で塩分濃度を測定する
JICA牛木専門員(中東広域水セクターアドバイザー)
カナート復旧の様子を視察するJICA調査団
カナート復旧の様子を視察する
JICA調査団
視察のため、カナートに入るJICA調査団員
視察のため、
カナートに入るJICA調査団員

 水資源が乏しいにもかかわらず、イランの一人当たりの水利用量は日本とほぼ同じで、人々の節水に関する意識は低い。
 水の有効利用の推進のため、日本のグループ・レインドロップスによってとりまとめられた雨水利用マニュアル「やってみよう雨水利用」の英語版である"Rainwater and You"のペルシャ語版の翻訳出版を行い、関係機関、学校などに配布した。

「やってみよう雨水利用」ペルシャ語版
「やってみよう雨水利用」ペルシャ語版

 雨が少ないにもかかわらず、洪水や土石流に巻き込まれて亡くなる人もいる。
 乾燥のため風化した地盤は弱く、ひとたび雨が降ると、土石流が発生しやすい。
 ゴレスタン州のマダルス川では2001年、2002年と洪水が相次ぎ、合計300名以上の犠牲者を出した。
 JICAでは2004年から「イラン国ゴレスタン州洪水・土石流対策計画調査」を開始し、洪水対策のマスタープランの策定、住民への意識啓発などを行っている。

土石流のため、廃村になった村(ザンジャン州)
土石流のため、廃村になった村(ザンジャン州)


編集・発行 外務省経済協力局(〒100-8919 千代田区霞が関2-2-1)

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