広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2006年2月22日発行 第85号

 さて、ODAメールマガジン第85号は、平成17年度ODA民間モニター・エジプト班から「平成17年度ODA民間モニターからの報告」、フィリピンから「フィリピンのNGO」「避難民再定住地域におけるトラウマ対策」をお届けします。


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ウズベキスタン共和国の国立児童図書館に対する一般文化無償資金協力について
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アフリカに対する平和の定着支援について
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ラオスの「ビエンチャン市上水道施設拡張計画(詳細設計)」に対する無償資金協力について
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 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


平成17年度ODA民間モニターからの報告 原稿執筆:平成17年度ODA民間モニター・エジプト班 福谷 優一さん(学生)

 私は日本の行うODAを評価するにあたって三つの視点を持っている。
 一つは「無駄のない効果的な援助が行われているか」である。
 国民の税金を投入する訳だからこれは当然であろう。

 二つ目は「その援助が適切に評価されているかどうか」である。
 せっかく援助して実際に効果が出ているのにほとんど知られていなかったり、感謝されていなかったりすれば、わざわざ財政逼迫の中税金を投入する気持ちにはなかなかなれまい。

 三つ目は二つ目と少し関連するが、「政治的メリットがあるか」、要は「国益に適うものであるか」である。
 先進国の責任として当然貧困に苦しむ国に手を差し伸べる事は必要である。
 しかし一握りの先進国に対し援助を要する発展途上国は無数にある訳で、その援助先及び規模の選定においては、あらゆる意味でより援助効果が大きい案件を選ぶべきであろう。

 以上の観点から今回視察したエジプトへのODAを評価すると、まず効果的な援助という面で想像以上であった。
 日本においてメディアから受け取る情報の論調はODAは無駄に使われているというようなものが多い。

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 しかし実際視察した限りでは、電力や水や病院等国のインフラとして極めて重要な案件を始め、作業療法や保育等エジプトが弱い様々な技術分野に至るまで効果的な援助が行われていると感じた。

 また歴史的しがらみも無く、極めて対日イメージも良好で、日本のODAの存在すら隠す国もある事を考えると正当に評価され、感謝されている様に感じた。

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 また国益という側面でも、エジプトが中東の安定におけるキーカントリーであり、尚且つアフリカ随一の大国である事を考えると強固な協力関係の構築は特に日本のような資源も無い貿易立国にとって重要であると感じた。
 こう見てくると、むやみやたらとODAをばら撒く事には反対だが、エジプトへのODAには大きな意味があると思うし、国もアフリカ諸国への支援増大を打ち出した状況の中、更なるエジプトへの援助拡大が行われるべきと感じた。



フィリピンのNGO
原稿執筆:在フィリピン日本大使館 経済班 石田 宗俊 専門調査員
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 フィリピンはNGOの活動が盛んな国として知られています。
 NGOという言葉の定義にもよりますが、開発、環境、啓蒙などに取り組む団体は5千を超えると言われています。

 注目すべきは数字だけではなく、その活動の内容についても言えます。
 一般にフィリピンのNGOはプロジェクトの執行能力が高く、政府を補完する「有能な」社会サービス提供者として評価されています。
 それでは、なぜフィリピンのNGOはそれほど有能なのでしょうか。

 理由の一つに、キリスト教会系団体の慈善活動を基礎とする長い歴史、ノウハウの蓄積を挙げることができるでしょう。

 しかし、多くのNGO関係者は、マルコス政権下の失政・圧政が、その後のNGO活動の飛躍の種を蒔いたと口を揃えて強調します。
 NGOを中心とする市民パワーが同政権の崩壊に大きな役割を果たした時、NGOの運命が一気に開けたというのです。

 そして、次のアキノ政権下に制定された新憲法では、NGOが国家開発を担う重要なプレーヤーであることが明記され、その後のいくつかの法律においてもNGOの活動がしっかりと認知されることになりました。

 これにより、国際社会からNGOを通じた援助が大きく伸び、優秀な人材が多くNGOに集まっているのです。

フィリピンNGO関係者との協議(於:大使館) フィリピンNGO関係者との協議(於:大使館)
フィリピンNGO関係者との協議(於:大使館)

 また、フィリピンのNGOは、個々の組織の会計の透明性などをチェックするため、フィリピンNGO検定審議会(Philippine Council for NGO Certification)と呼ばれる、「自浄」的な機関を設けています。
 このような取り組みも内外にその信頼性を高めている要因であるといえるでしょう。

 もちろんフィリピンのNGOにも課題は存在します。
 国内外からの援助資金を多くのNGOが分け合っているわけですから、活動資金の確保は容易ではありません。
 時にはファンド・レイジングの競争に晒されるわけです。

 フィリピンは貧富の差が大きく、貧困削減が大きな課題となっていますが、そうした中で、今後もNGOの活躍は欠かせないものとなりそうです。
 2006年は、日比外交関係回復50周年の節目の年ですが、この節目の年に当たり、フィリピンで活動する日本のNGOとフィリピンのNGOが貧困削減に向けて連携を深めようとする動きが最近活発になってきています。
 日本政府としてもこのような動きを歓迎しつつ、さらに、いかにNGOと効果的に共同できるのか積極的に模索していく考えです。



避難民再定住地域におけるトラウマ対策 原稿執筆:JICA事務所 前原 光弘 総務班長

 フィリピン・ミンダナオ島。
 その最南端に位置するムスリムミンダナオ自治地域(ARMM)は、経済停滞・貧困に加えムスリム反政府勢力の活動により治安状態が悪いところです。

 地域住民の所得はフィリピン全土の平均所得の約3分の1、基本的な生活に欠かせない水、電気、衛生的なトイレの供給等の指標もフィリピン平均の半分以下という状況です。

 そこでJICAは、国際的な活動も行っているフィリピンのNGO “Community and Family Services International (CFSI)”との連携を通じて「避難民再定住地域におけるトラウマ対策」を実施しています。

 プロジェクトでは、
(1)コミュニティにおける若者の深刻なトラウマに対するケア
(2)幼児の知能開発を行うデイケアセンターの拡充
(3)兵士として召集されやすい若者に対するトレーニングと教育機会の提供、
をテーマに各活動を行っています。
 これにより、その地域の3,000人を越える人々が受益者となっています。

 その中でも特徴があるのは、若者による「平和の壁画」作りです。
 幼い頃から武力紛争や暴力を目の当たりにして育った子どもたちは、深刻なトラウマに直面しており、心のケアが求められています。

 そこでプロジェクトでは、若者たちに平和の心が育つよう、若者たちがデイケアセンターに平和のメッセージが込められた壁画を描き、地域に平和のメッセージを発信する試みを行っています。

 そして、これらの共同作業を通して、若者が対話を重ね、暴力以外の選択肢に目を向ける機会を提供しています。
 また、こういった活動に自主的に参加するということを通して、若者が自分たちから地域のために何かをやるという気持ちになるよう促しています。

 2003年からJICAのARMM支援は本格的に始まりましたが、治安の面などで依然として困難な課題が山ほどあります。
 しかし、こうした取り組みが、人々の心に夢と希望を与え、新しい生活へ踏み出す機会の第一歩となることが期待されています。



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