広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2005年8月24日発行 第73号

 ODAメールマガジン第73号は、コスタリカからから「世界初の音楽隊員」「日本の支援で救急対応24時間」を、トルコから「トルコにおける産業オートメーション技術の指導~「ものづくり技術」を通じた「ひとづくり協力」~」をお届けします。


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New!ODAホームページ新着情報
ネパールの「「万人のための教育」支援のための小学校建設計画(3/3期)」に対する無償資金協力について ODAホームページ
タジキスタンの国立音楽院に対する一般文化無償資金協力について
エチオピアの「小児感染症予防計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について
ホンジュラスの国立演劇学校に対する一般文化無償資金協力について
エチオピアの「アムハラ州給水計画」および「食糧援助」に対する無償資金協力について
ウズベキスタンの「人材育成奨学計画」に対する無償資金協力について
青年海外協力隊の派遣に関する日本国政府とインド政府との間の書簡の交換について
ルワンダの「公共輸送復旧計画(第1期)」に対する無償資金協力について
パキスタンの「ライヌラー河洪水予警報システム整備計画」他2件に対する無償資金協力について
無償資金協力(入札結果等の公表)(平成17年度)
無償資金協力(入札結果等の公表)(平成16年度)
パキスタンに対する円借款の供与について
日本NGO支援無償資金協力(平成17年度の交換公文締結日別)
ブータン王国のブータン国営放送局に対する文化無償資金協力について
エリトリアに対する無償資金協力(食糧援助)について
エリトリアの「アスマラ-マッサワ間道路橋梁改修計画(第2期)」に対する無償資金協力について
技術協力に関する日本国政府とエリトリア国政府との間の協定の署名について
ハイチ選挙プロセスに対する緊急無償資金協力について
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 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


世界初の音楽隊員インタビュー:コスタリカ国立交響楽団第二バイオリン首席(元青年海外協力隊員)八木 哲夫さん聞き手:在コスタリカ日本大使館橋本 真弓 専門調査員

 1974年、世界で初の音楽の青年海外協力隊員として、コスタリカに派遣された八木哲夫さんにインタビューしました。


八木 哲夫氏

 派遣当時、八木さんは国立(くにたち)音楽大学の学生でした。当時のコスタリカ文化省から、音楽教育の手法として日本で開発されたスズキ・メソッドをコスタリカに導入したいという要請があり、八木さんが派遣されました。

 それから30年、八木さんはコスタリカの音楽レベル向上に貢献し、現在はコスタリカ国立交響楽団第二バイオリン首席を務め、さらに今年9月に、同国立交響楽団は、初の日本公演を行う予定です。

 今では彼自身がコスタリカの音楽のレベルを高く評価しています。コスタリカでの経験と期待を語ってくれました。

 「子供の頃から音楽が好きでしたが、中学の先生が私の才能を評価してくださり、高校、大学で音楽の専門性を高めました。

 大学時代に、今後の人生を考える中で、自分の能力を試し、将来へのヴィジョンを見つけたいという想いでコスタリカにやってきました。

 その3年前、1971年にコスタリカでは音楽革命が起きていました。音楽レベル向上のために多くの外国人音楽家が招待されていました。私が所属した当時の国立音楽庁(現在の国立音楽センター)は、外国人によって支えられていました。

 あれから30年、当時の生徒達の多くは、現在国立交響楽団の中核となっており、また外国のオーケストラメンバーとしても活躍しています。

 コスタリカで、多くの才能ある子供達に出会いました。一方で、残念ながら家族の理解不足や本人の努力不足で音楽の道から外れていく子供も多く、
また、音楽やスポーツという情緒教育も、もっとカリキュラムに取り入れていく必要があると思います。これまで友情と尊敬の念を示してくれたコスタリカ人に感謝しています。

 民主主義が成熟しているコスタリカでは、皮肉にも互いの意見を尊重しすぎて、なかなか物事が進まないこともあります。しかし、強さと優しさの両面を持つコスタリカが、着実に発展していくことを私は確信しています。」



日本の支援で救急対応24時間インタビュー:コスタリカ赤十字社総裁Miguel Carmona(ミゲル・カルモナ)さん聞き手:在コスタリカ日本大使館 橋本 真弓 専門調査員 

 日本はこれまでコスタリカ赤十字社に対し、1998年、2001年、2002年、2005年にわたり、草の根・人間の安全保障無償案件を実施し、総額377,955ドルを供与しています。


赤十字

 コスタリカ赤十字社は、予算の30%を政府の補助金で賄い、残りの70%は自己調達しなければなりません。そのため、日本の支援は非常に役立っており、今日も、コスタリカ国民、そして年々増える観光客の緊急対応や救命作業に活用されています。

 カルモナ総裁が、日本の援助の効果について説明してくれました。「的確に、質の高い救急対応を提供することは常に我々の挑戦です。日本国民の皆さんからの支援で、我々の業務と能力は劇的に改善されました。例えば、全国の40%をカバーするに過ぎなかった無線中継は、現在では90%に至っており、コスタリカのような起伏の激しい地理的環境でこのレベルを確保することは容易ではありません。全国121カ所の赤十字支部は常時、本部と連絡がとれる状態になりました。このような通信網改善により、救急車の到着時間は10分まで短縮することができました。

 さらに、我々自ら考案した移動通信車への支援のおかげで、山間部や海岸部といった通信電波の弱い地域で災害が起きた場合、直ちに出動することができ、災害現場の状況を逐次本部に報告することが可能となりました。


移動通信車

 今年1月にカリブ海で発生したリモン・サラピキ洪水の際も活躍しました。人命救助のため、そしてコスタリカの経済発展のために、赤十字社は今日も24時間、日本国民から供与頂いた機材を用いて使命を果たしています。」



 トルコにおける産業オートメーション技術の指導~「ものづくり技術」を通じた「ひとづくり協力」~原稿執筆:JICAプロジェクト チーフアドバイザー鈴木 靖男さんJICAプロジェクト コーディネーター幸喜 仁さん

 日本が工業生産力を向上させることによって、急速に経済を発展させ、「技術立国」としての地位を築いたことは世界的にも有名な話です。

 その背景には生産過程における技術革新だけでなく、良質な労働力の存在もあげられます。とりわけ、実際の「ものづくり」にあたった中堅技術者を育成するため、工業技術教育が強化(工業高等学校、国立工業高等専門学校の創設及び工業教員養成所の設置等)されました。

 日本が国策として、工業技術系人材の育成に「投資」をしたことが経済成長を後押ししたといっても過言ではありません。
この経験を一つのモデルとして捉え、同じような発展段階にある途上国の開発計画や教育政策などに応用するため、国際協力機構(JICA)が実施する技術協力プロジェクト等で、その適用可能性が試みられ、アジア諸国を中心に一定の成果を挙げてきました。

 今日はそのような事例の中から、「ヨーロッパの工場」をめざし、産業発展が著しいトルコ共和国に対し、かつての日本の高度経済成長を支えた「ものづくり技術」を移転する、という目標を挙げて実施されているJICAの技術協力プロジェクト「自動制御技術教育改善計画」を紹介します。

 このプロジェクトは
(1)トルコの二つの地方都市(イズミール市及びコンヤ市)に存在する5年制工業高校をパイロットスクールとして位置づけ、
(2)両校にコンピュータ制御及び産業ロボット等の技術教育を核とした「産業オートメーション技術学科」を新設し、
(3)同学科で技術教育を実践することのできる教員の養成を通じて、
(4)良質な中堅技術者を育成し、
(5)近代産業界で必要とされている人材需要を満たすことを目的としています。

 ひとつのユニークな特徴として挙げられるのは、日本の工業高校の現職の先生方がトルコの技術・職業高校の先生方を直接指導するという形態です。

 これまで、群馬県、埼玉県、静岡県、山口県、東京都、栃木県、千葉県、宮崎県など各県の工業高校から先生方を派遣していただき、指導に当たってもらいました。

 日本の先生方が指導・移転した技術を一刻も早く、できる限り多くのトルコの先生方に普及させるという趣旨に基づいて、既に指導・移転の終わった技術から順に「夏季技術セミナー」を通じ、トルコ全国に向けて発信しています。

 具体的には、学校の夏休み期間を利用し、トルコ全国から技術・職業教育分野の現職の先生方を招聘して、1コース1週間の期間で、合計13コースのセミナーを実施(毎年のべ260名が参加)しています。

 なお、パイロットスクールのトルコ人の先生方は、セミナーの運営管理手法についても日本の先生方から指導を受けていますので、「トルコ人の、トルコ人による、トルコ人のための」技術セミナーが運営されていることになります。

 セミナーの内容は、主にロボット制御技術、そしてそれを支えるコンピュータ関連基礎技術(コンピュータープログラミングやネットワーク通信など)を中心に構成されています。

 セミナーに参加するトルコの先生方は、これらの技術を吸収してそれぞれの地域に持ち帰り、各自の技術・職業高校の生徒たちに授業を通じて教えることになります。

 ちなみに、セミナーで扱っている技術は、既に多くの途上国でも中小企業から大企業に至るまで幅広く取り入れられている汎用技術で、今後途上国が産業の近代化を成し遂げ、キャッチアップを図るために必要不可欠な「基本中の基本」的技術として位置づけられています。

 なお、トルコ国家教育省(日本の文科省に相当)は、このセミナーを自国のみに留まらせるのではなく、歴史的、地理的、経済的に関係の深いアゼルバイジャン、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンなどの中央アジア諸国をはじめ、アフガニスタン、イラク、パレスチナなどの中近東諸国へも移転・普及させることを計画(第三国研修)しており、来年の実施に向けてその準備を開始したところです。

 このセミナーを実施するための技術指導(カリキュラム運用管理からテキスト・機材開発および教授法まで)は、質・量共に並大抵のものではないのですが、日本側からトルコ側への移転速度が予想よりも早く、そしてスムーズになされたと我々は理解しています。

 その要因としては、日本がもっとも得意とし、且つ、世界に誇れる「ものづくり技術」であるということ、つまり技術移転を行う側ですでに高度に熟知/完成した技術、我々日本人自身が完全に「ものにした技術」であった、ということではないかと推察しています。

 セミナーを通じて教師の資質を向上させるということは、産業界へ送り出す人材の質も向上させることに直ちにつながります。実際、パイロットスクールの所在地域のみならず、イスタンブルなど他地域の産業界からも来年5月の卒業生の輩出を大きな期待をもって注視されているところです。

 また、今年トルコも中進国入りし、先進国へ離陸しようとしていますが、このような社会・経済段階におけるモデル的な技術協力プロジェクトとなっております。



編集・発行 外務省経済協力局(〒100-8919 千代田区霞が関2-2-1)

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