広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2005年7月20日発行 第71号

 ODAメールマガジン第71号は、エルサルバドルから「エルサルバドル技術協力プロジェクト「耐震普及住宅の建築普及技術改善」」とヨルダンから「博物館が切り拓く地域観光の活性化―技術協力プロジェクト「博物館活動を通じた観光振興」―」をお届けします。


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アフガニスタンの「学校建設計画」に対する無償資金協力について
コンゴ共和国の「コンゴ共和国におけるマラリア対策強化及び小児感染症予防計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について
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 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


エルサルバドル技術協力プロジェクト「耐震普及住宅の建築普及技術改善」 原稿執筆:JICAエルサルバドル駐在員 細川 幸成さん

●メキシコからの南南協力(

 2001年にエルサルバドルで起きた二度の大地震によって、土壁やレンガといった、脆弱な材質で作られた家に住んでいた多くの人々の命が奪われました。

 このため、エルサルバドルでは地震に強く安価な住宅を建設するための技術や、耐震性のある住宅を供給することが求められています。
 このような背景から2003年に「耐震普及住宅の建築普及技術改善プロジェクト」が始まりました。

 このプロジェクトでは、日本からの協力だけでなく、メキシコ人の専門家が訪れて、過去に日本がメキシコに対して行った協力の成果をさらにエルサルバドルに移転しています。

 日本は1985年に大地震のあったメキシコに対して、無償資金協力及びプロジェクト方式技術協力を実施しました。
 これは、震災直後ということもありますが、日本で関東大震災が起きた際にメキシコから受けた協力に対するお礼という意味もあります。

 その協力ではメキシコ国立防災センター(CENAPRED)に対して、地震に強い住宅を供給するための技術を移転した結果、現地の実情に即した技術として定着しました。
 今まさにエルサルバドルでは、日本が過去にメキシコに移転した技術を享受しているのです。

●エルサルバドルの防災能力強化に向けて

実験棟全景(立派な実験棟が完成!)
実験棟全景
(立派な実験棟が完成!)

 プロジェクトの実施機関の1つである中米大学で、住宅の耐震実験を行うために、高さ18メートル、面積230メートル2の実験棟がエルサルバドル側の予算で建設され、一部の機材を日本が供与しました。

開所式典 写真左より、2人目がレンドン・メキシコ大使、トヘイラ中米大学学長、グティエレス公共事業大臣、細野大使
開所式典
写真左より、2人目がレンドン・メキシコ大使、トヘイラ中米大学学長、グティエレス公共事業大臣、細野大使
グティエレス公共事業大臣によるテープカット
グティエレス公共事業大臣によるテープカット

 3月に行われた実験棟の開所式では、駐エルサルバドル細野大使、同レンドン・メキシコ大使はもとより、当地駐在の各国大使にも参加をいただき、ラテンアメリカにおける南南協力の良い事例として、このプロジェクトを広く紹介することができました。

 また、開所式と同じ日に、防災に関するセミナーも実施しました。
 このセミナーでは、2005年1月に神戸の世界防災会議に参加したエルサルバドル人の成果発表、細野大使による防災分野における日本の国際協力の事例紹介、そしてパナマに派遣されているJICAの広域防災専門家による中米に対する日本の広域協力の紹介が行われました。

 エルサルバドルのプロジェクトはまだ研究の段階ですが、今後はプロジェクトで得られた研究成果を、住宅建築の現場に普及して行く予定です。

南南協力
 途上国間協力とも呼ばれる。タイ、ブラジルなど開発が比較的進んでいる中進開発途上国が、自国における開発経験および人材などを活用して、開発が進んでいない後発開発途上国に対して実施している協力を指す。



博物館が切り拓く地域観光の活性化 ―技術協力プロジェクト「博物館活動を通じた観光振興」―  原稿執筆:在ヨルダン 技術協力プロジェクト「博物館活動を通じた観光振興」展示計画・業務調整 専門家 大山 晃司さん

 観光収入はヨルダンにおける貿易外収支の約20%を占めており、大きな外貨獲得手段です。
 産油国でなく、リン鉱石等の他に経済価値を有する資源を産しないヨルダンにおいて、 観光産業は経済発展に貢献する基幹産業として期待されており、日本政府は人材育成、施設整備、遺跡の保護等を通じて、ヨルダンにおける観光分野の支援を進めています。

 ヨルダン・ハシェミット王国政府・観光遺跡省と独立行政法人・国際協力機構(JICA)は、2004年12月より技術協力プロジェクト「博物館活動を通じた観光振興」を実施しています。

サルト博物館
サルト博物館
カラック博物館
カラック博物館

 このプロジェクトは、日本政府の円借款事業で施設整備される国立博物館(アンマン)、カラク考古博物館(カラク)、死海博物館(死海)、サルト歴史博物館(サルト)の4博物館をプロジェクトの対象としており、3年間の実施期間において、これらの博物館が自律的に運営管理されるようになることを目標として掲げています。

カラク城
カラク城
死海博物館
死海博物館

 この目標の達成により、4つの博物館が地域観光への入口となってそれぞれの地域の持つ価値が再認識され、ひいては周辺地域の観光振興につながることとなります。
 これがプロジェクトの最終的な狙いです。

 文明の交差点であるヨルダンは、旧約聖書に登場する古代都市や、ローマ帝国の遺跡、イスラム王朝や十字軍の古城など、数多くの文化遺産が存在する国です。

 また、地球上で最も低い位置にある死海や、紅海の珊瑚礁、ワディラムの砂漠をはじめ、自然遺産にも恵まれています。

 魅力的な文化・自然遺産を有するヨルダンにおいて、観光は大きな可能性を秘めています。

 しかしながら現状では観光地の整備が立ち遅れており、文化・自然遺産などの観光資源が十分に活用されていない状態にあります。

 これに対して、日本政府はJICAを通じて1994年に観光開発計画調査を実施し、首都アンマンのダウンタウン、十字軍の古城があるカラク、19世紀の石造伝統建築が残る町サルト、さらに死海地域をターゲットとした観光開発マスタープランを策定しました。

 その際にJICAが目指したのは、現地の文化にそぐわない、大規模な高級リゾート地を誘致するような形の観光開発ではなく、地域の文化や歴史、価値観を尊重し、土地に残された自然・文化遺産に着目して、現地側が自らの文化を再評価しながら推進していくことができるような、地域自律型の観光振興の方向性です。
 この中で注目されたのが「博物館」です。

 博物館と聞くと、考古遺物や動植物標本等が、ショーケースの中に無造作に陳列されているだけの施設、という印象が強い方も多いと思います。

博物館ツアー
博物館ツアー

 現に、例えばヨルダンの多くの博物館を見ますと、単にそれだけの施設に終始している事例が多いのも事実です。
 しかし博物館は、地域の自然や文化に関する膨大な資料情報の収集と調査研究に基づき、またその展示を通じて、地域の持つ多様な側面を観光客に紹介し地域観光への導入口になると共に、貴重な自然・文化遺産を次世代に伝えていく使命を担える施設としての大きな可能性を秘めています。

 こうした博物館の可能性を念頭におき、観光開発のターゲットとした各地域で博物館施設を新設、もしくは改修されることが開発調査による観光開発マスタープランに盛り込まれました。

 このプランは1998年に、海外経済協力基金(現国際協力銀行)を通じた円借款の供与が決定され、「観光セクター開発プロジェクト」として実施されました。
 これにより博物館の施設整備は円借款による実現に至りましたが、博物館の運営組織や活動の強化等、ソフト面での支援の必要性が課題として残されました。

 これに対して、JICAは青年海外協力隊員の博物館への派遣や日本での博物館研修コースへのヨルダン側学芸員の派遣等を通じて、博物館開設準備段階の学芸業務を中心とした、現場レベルでの協力を2001年より行なってきました。

 しかしながら、博物館運営組織やスタッフの能力強化支援をより包括的に行うことで、魅力的な観光資源として機能するモデル博物館を確立させたいというヨルダン政府のニーズに基づき、技術協力プロジェクト「博物館活動を通じた観光振興」が2004年より開始されました。

 プロジェクトでは専門家派遣、本邦・現地研修、機材供与を通じて4つのモデル博物館への技術支援を行っていきます。

 博物館に関する制度・組織・法体系整備への支援を通じた「博物館組織体制の確立」、資料収集・保存・展示等への技術支援を通じた「博物館職員の能力強化」、教育事業や地域住民向けの活動支援を通じた「博物館による周辺住民との協働活動の実施」が活動成果として期待されています。

 現在、チーフアドバイザー・博物館運営専門家と、展示計画・業務調整専門家が現地に派遣され、支援業務を実施しています。

 観光分野や博物館分野における技術協力プロジェクトはJICAでは初の試みであります。
 ヨルダン人と日本人による魅力的な博物館作りと、地域の価値の再発見を通じて、地域開発の新たな地平が開けるのを願ってやみません。



編集・発行 外務省経済協力局(〒100-8919 千代田区霞が関2-2-1)

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