広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2005年1月15日発行 第64号

ODAメールマガジン第64号は、インドから「インド、ムンバイ市内の病院への医療機材供与」、アフガニスタンから「アフガニスタンにおけるDDR支援~アフガン政府・大使館・JICA・NGO協調プログラムを通じて~」とカメルーンから「カメルーンにおける無償資金協力支援~日本の小学校建設計画~」をお届けします。

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インド、ムンバイ市内の病院への医療機材供与(原稿執筆:在インド日本大使館 柳 秀直公使)
 2月28日、インドの西海岸ムンバイ市のサー・ジェイジェイ病院の敷地内で、同病院と、姉妹病院であるカマ・アンド・アルブレス病院への総額7億5900万円の医療機材の引き渡し式が行われ、私も出席しました。

 この式典には、インド側からムンバイを州都とするマハラシュトラ州のデシュムク州首相をはじめ州の医療教育大臣、大蔵大臣、プラビン病院長他病院関係者が、日本側からは安井ムンバイ総領事、酒井JICAデリー事務所長、そして機材調達を請け負ったオガワ精機の保延(ほのべ)さん(女性)、三菱商事の城(たち)ムンバイ事務所長など、計約500人の人が出席し、壇上で企業のお二人から納入した医療機材の目録が州首相に手渡されました。

 供与された医療機材は電動手術台、透視撮影用X線装置、超音波診断装置など約200種類にも及ぶものですが、維持管理に費用がかかるMRIやCTスキャナのような高度な機械は含まれておらず、基礎的な機材を中心としています。

 この二つの病院はムンバイ市内に多くあるスラムのような貧困層の人々が住んでいるところからも遠くないところに位置しており、約3,800名の職員が働く大きな病院で、州の医科大学の病院も兼ねています。

 州の予算で運営されているため、貧しい人々には無料で診療を行い、その比率は45%以上にも上ると言われており、貧しい人々にとって極めて重要な医療施設です。

 ムンバイは1年中30度を越え、暑い時季には40度近くになる土地ですが、病院には冷房はなく、天井の扇風機だけです。
 それでもきれいに掃除された診察室で、特に脳外科、母子保健関連を中心に診療が行われており、今回供与された機材は、皆日本の援助であることが一目で分かる日の丸に「from the people of Japan」と書かれたシールが貼られ、既に多くの機材の使用が開始されています。

写真  式典の最初には看護婦さんによるコーラスが行われ、来賓のスピーチの締めくくりに、デシュムク州首相は地元のマラティ語(インドには公用語のヒンディー語以外に公認言語が17あり、その一つ。英語は準公用語)で話をした後、最後に英語で日本側出席者にも分かるように、

「我々、マハラシュトラ州は日本政府、特に日本の人々の善意に本当に感謝しています。
今回の計画のために出された約3億ルピーは決して小さな金額ではなく、我々は頂いた機材を大切に使います。
日本はマハラシュトラ州には、他にもアジャンタ、エローラの仏教遺跡関連施設の改善のためにも協力を行っていますが、我々はこうした日本の協力に感謝しており、今後とも大事にしていきたいと思います。」

 と話され、
 州の保健大臣、大蔵大臣も同じように、

「日本の国民に感謝します。
日本は戦後の廃墟の中から今日まで見事に発展しましたが、インドも日本のように発展できるよう頑張りたいと思います」
 と発言されました。

 国連は2000年の総会において2015年までに、5歳未満児の死亡率を1990年の水準の3分の1まで削減し、妊産婦の死亡率を1990年の水準の4分の1までに削減するなど11の目標(Millennium Development Goals, MDGsと略)を立てています。

 約11億の国民のうち約3億人が、絶対貧困層と言われる1日1ドル以下で生活しているインドで、これらの目標を達成することが国際社会全体の目標達成のために不可欠です。
 今回の二つの病院への医療機材供与によって、インドがこうしたMDGsに規定された乳幼児死亡率、妊産婦死亡率の削減目標を達成することが容易になるよう期待されます。

 このプロジェクトは1997年に正式に要請され、98年に基本設計調査を行ったものです。
 しかし、その直後同年5月に行われたインドの核実験実施のために日本政府はインドに対する新規援助を一時停止し、このプロジェクトも凍結されてしまいました。

 その後、日本が2001年末に援助再開を決めた後の最初の無償資金協力案件として再度基本設計調査を行い、2003年に交換公文が署名され、ようやく実現に至ったものです。

 この病院で勉強し、卒業以来ずっとこの病院で勤務し、本件にも最初から直接の担当医師として関わってきたデシュパンデ博士(女性)は、

「計画が宙に浮いてしまった時には、一時失望といらだちも覚えましたが、今日ようやくこの日を迎えられたことは感無量で幸せです。」

 と式典において述べていたことが日本側の出席者にとっても大変印象的でした。


「アフガニスタンにおけるDDR支援~アフガン政府・大使館・JICA・NGO協調プログラムを通じて~」(原稿執筆:在アフガニスタン日本大使館 草の根・人間の安全保障無償資金協力担当 寺脇 麻衣さん)
写真  2004年10月9日史上初めての大統領直接選挙が行われ、カルザイ大統領が選出されたアフガニスタンでは、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリアをはじめ多くの国際社会が戦後復興を支援しています。

 我が国も、DDR(Disarmament, Demobilization, and Reintegration:元兵士の武装解除・動員解除・社会復帰)を推進する国としてアフガン復興を支える重要な存在となっています。
 アフガニスタン政府は、2005年6月までに5万人を越える旧国軍兵士の動員解除及び武装解除が完了することを目標としており、2004年12月末時点で3万2千人の武装解除が完了しています。

 アフガニスタンでは、過去20数年にわたり各地の軍閥が勢力争いを繰り広げてきました。
 内戦終結後、カルザイ暫定政権は旧国軍兵士の武装解除・動員解除・社会復帰へ意欲を示し、DDRを推進する日本も、政策提言やDDR実施機関であるANBP(Afghanistan's New Beginning Program:アフガニスタン新生計画)に対する資金拠出、旧国軍司令官の訪日招聘、職業訓練専門家派遣など幅広い支援を行ってきました。

 戦後の平和の定着化には、これまで戦争に従事してきた元兵士を国造りに参加させることが不可欠です。ただ単に元兵士から武器を取り上げ軍団の解体を進めるだけでは十分ではありません。

 兵士の多くは軍人としての教育しか受けていないため、武装解除・動員解除によって生活基盤を全く失うことになります。
 職務経験もなく、十分な学校教育を受けていない彼らが職に就くのは非常に難しく、職がないために不安定な生活を強いられることになった元兵士は、再び民兵として武器を手にしてしまうかもしれません。
 そこで、武装解除した元兵士が雇用機会を得て市民社会の一員となるための社会復帰支援体制の整備が求められています。

 我が国では、DDRのRすなわち社会復帰支援の一環として、これまでにも元兵士の雇用促進や職業訓練支援のための資金協力を行ってきました。
 また、草の根・人間の安全保障無償を通じて、元兵士が非熟練労働者として雇用される学校建設案件や職業訓練センター建設を支援しています。

 政府を通じた支援ではなく、地域住民のニーズに直接応えることを目的とした足の速い草の根無償では、地元の声に密着したNGOを通じたプロジェクトの支援を行っています。

写真  アフガニスタン各地に存在する元兵士の社会復帰支援体制を強化するために、この度新たにアフガニスタン政府や複数の機関が協力した職業訓練プログラムが計画されています。

 このプログラムはアフガニスタン労働社会省、日本大使館(外務省)、JICAそしてNGOの協力によって実施されます。
 労働社会省とJICAによって選ばれたNGOが、草の根無償資金協力により職業訓練センターを建設し、JICAによって訓練された職業訓練の指導員が、完成したセンターに配置され、元兵士に対して溶接工・機械工・金属加工の職業訓練を実施します。

 そして、JICAが育成した指導員による3年間の訓練を終えた後センターは労働社会省に引き渡され運営・管理が行われることになります。

 主要都市を中心にインフラ整備が進んでいるアフガニスタンでは、溶接工・機械工・金属加工等の熟練労働者に対する需要は高く、訓練を受けた元兵士は働き口を見つけ社会復帰を果たすことが期待できます。
 このプログラムは、国内主要都市9箇所で実施されることになり、武装解除・動員解除が完了した旧国軍兵士の平和への道が開かれることになるでしょう。

 昨年12月22日、国内9都市で建設される10件のセンター建設について、日本大使館と10のNGOとの間に贈与契約が交わされました。
 溶接工・機械工・金属加工のワークショップを備えたセンターの建設は比較的規模が大きいため、1件につきおよそ3500万円の建設費用がかかりますが、大型の草の根・人間の安全保障無償資金協力の一環として実施されます。

 センター建設は6か月を目処に完了し、その後、元兵士に対する職業訓練が行われます。

 社会的・経済的活動に従事したことのない元兵士が技術を身につけ、市民社会の一員として社会貢献ができれば、彼等のインセンティブにもつながり、平和の定着化が進むでしょう。

 DDRリード国である日本、アフガニスタン政府、そしてNGOの協力によって実施されるこのプログラムがアフガニスタンの平和のシンボルになることを心から願っています。


「カメルーンにおける無償資金協力支援~日本の小学校建設計画~」(原稿執筆:在カメルーン大使館 今城 康雄書記官)
写真  カメルーンでは、今までに日本から多くの無償資金協力プロジェクトが実施されてきました。
 その中でも特に知名度が高いプロジェクトの一つである「小学校建設計画」を御紹介します。

 カメルーンの初等教育における圧倒的な教室不足から、1998年以来、カメルーン政府に対して小学校校舎、机、椅子及び黒板等の資機材を無償供与してきました。

 2005年の小学校建設計画を実施することにより、今年末には累計で75校舎(947教室)の建設が実現することとなります。

写真  カメルーンの貧困削減計画において初等教育は最優先課題です。
 日本が建設している小学校は「日本の小学校」としてカメルーンの国民から非常に良く知られています。

 今では近代的な学校を無償で建設している国として高く評価されています。
 カメルーンでは「日本と言えば初等教育協力」、「初等教育と言えば日本」というほどです。

 日本が建設した小学校の校庭では、児童達自身で新たに植樹を行っているところも多く、児童が自ら草木を育てることで、愛情を育み自然を大切にすることを学習しています。
 そして、児童達が教室や廊下の掃除を行うという新たな伝統も作られつつあります。

 カメルーンではまだ仏語圏と英語圏の間で確執も多く、幼少の頃より言語や部族の違いを乗り越えて共に学習する機会をもつという、日本が建設したバイリンガル小学校がカメルーンの平和学習に目に見えぬ所で貢献していると思います。

写真  なお、小学校の建設に当たっては約千人ほどのカメルーン人労働者が従事していますが、日本人技術者から積極的な技術指導が行われており、技術移転の面でも大きな貢献をしています。

 私は、2003年からカメルーン大使館で経済協力を担当しており、日本の援助で建設された小学校の竣工式に出席するたびに
「日本の小学校で勉強するようになってから学校に行くのが好きになった」、
「日本の小学校に通わせたい保護者が多くて入学希望者があとを絶えない。日本の小学校は人気が高く、教師も皆、日本の小学校で教鞭をとりたがる」
 との話を聞き、子供達の教育が如何に大切であるかをひしひしと感じています。


編集・発行 外務省経済協力局(〒100-8919 千代田区霞が関2-2-1)

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