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ODAメールマガジン/2015年2月13日発行 第294号

ODAメールマガジン第294号は,カンボジア王国からの「最近のカンボジア事情」「カンボジアと青年海外協力隊,50年の歴史」をお届けします。

カンボジア王国

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「最近のカンボジア事情」原稿執筆:在カンボジア日本国大使館 實取 直樹 一等書記官

●「オールニッポン」始動!

この数年で,カンボジアにおける日本の存在感が大きくなったことを実感します。いわゆる中国+1,タイ+1,ベトナム+1という世界的なトレンドの中で,安定的な政権運営や比較的整ったインフラ環境,周辺国と比べても安価な労働賃金など,カンボジアの相対的な魅力が認識された結果,進出する日本企業の急速な増加に繋がったと言われています。これに伴い,カンボジアを訪れる邦人の数が増え,特に首都プノンペンやアンコール遺跡で有名なシェムリアップなどの主要都市では,日本食レストランも数多く見られるようになりました。

1991年にカンボジアの和平が達成すると,我が国は,ODAを活用し,インフラ,教育,保健衛生など幅広い分野においてカンボジアの国造りを積極的に支援してきました。例えば,我が国の支援により整備された浄水場・配水管により,プノンペンでは水道の水質は飛躍的に改善され,「プノンペンの奇跡」とも呼ばれています。我が国のODAが,民間企業が活躍できる環境整備に役立ったという見方も出来るでしょう。

また,カンボジアは,日本のNGOが盛んに活動している国でもあります。日本のNGOは様々な分野で支援活動を行っていますが,基礎教育を例に取ると,プノンペン市内はもちろん,地方都市でも日本のNGOの支援により建てられた校舎が見られます。大使館では,草の根無償資金協力等を通じてNGOの活動をサポートしています。

日本の企業の本格的なカンボジア進出により,ようやく「オールニッポン」として,我が国とカンボジアとの更なる関係強化を進める上での環境が整ったと言えるでしょう。フン・セン首相も,本年だけで2回の訪日を予定しており,本年がカンボジアと日本にとって特別な年となることへの期待を示しています。

●「つばさ橋」桁閉合式

本年末にはASEAN経済統合が実現され,今後ますます経済的結びつきが強化され,域内において人やモノの移動が盛んになることが予想されます。今般,ASEAN地域における連結性強化の観点から大きな進展があったので紹介します。

現在,プノンペンからベトナム・ホーチミン市へと続く国道一号線上に位置するネアックルンにおいて,我が国は無償資金協力によるメコン架橋建設を進めています。先般,フン・セン首相はじめ主要閣僚の参加の下,この橋の桁閉合式が行われ,日本からは中根外務大臣政務官が出席しました。フン・セン首相は,この橋を「つばさ橋」と命名すると発表するとともに,新たに「つばさ橋」がデザインに加わった新500リエル紙幣を発行することを発表しました。

この橋桁の閉合により,「つばさ橋」は既に構造上は繋がったことになりますが,今後は道路工事を進め,本年4月上旬には,一般の通行が開始される予定となっています。橋が完成するとボトルネックが解消され,南部経済回廊沿いの流通が大幅に改善されることが期待されます。

(写真)
桁の上を歩く

(写真)
閉合の様子
(左:中根政務官,右:フン・セン首相)

(写真)
新500リエル札
(左側がつばさ橋,右側はきずな橋)


「カンボジアと青年海外協力隊,50年の歴史」原稿執筆:JICAカンボジア事務所 木村 文 広報アドバイザー

青年海外協力隊の派遣が始まって今年で50年になります。カンボジアは,ラオス,フィリピン,マレーシア,ケニアとともに日本が初年度に青年海外協力隊員を派遣した国の一つです。これまでに600人を超える青年海外協力隊員・シニアボランティアがこの国で活動をしてきました。一人ひとりが派遣先でカウンターパートと築いた関係は,深い絆となって今も両国に足跡を残しています。

今回はその中でも,初代派遣隊員としてカンボジアで水泳指導に取り組んだ中村昌彦さんと,教え子のヘム・トンさんをご紹介します。

中村さんは1966年1月,稲作隊員の2人,柔道隊員1人の計4人でカンボジアの地に降り立ちました。当時のカンボジアはまだ内戦前。発展途上とはいえ,プノンペンは東南アジアのパリとも呼ばれた美しい街でした。

「とにかく厳しい指導者でした。試合で負けるぐらいなら練習で死ね,と言われました」。当時水泳のナショナルチームの選手だったヘム・トンさんは,中村さんの指導ぶりをこう話します。あまりの厳しさに,練習中は,こっそり水の中で泣いていたそうです。それでも選手たちが中村さんについていったのは,指導した選手が約3か月で国内新記録を次々に出すという結果に納得したからだといいます。

ヘム・トンさんは,その後のポル・ポト時代を生き抜いた数少ない教え子の一人です。1980年代からは,破壊され尽くしたこの国で水泳の復興に取り組み,自分の子供たちを水泳選手に育て上げ,水泳連盟も再興しました。内戦後のカンボジア水泳史は,ヘム・トンさんなくしては語れません。その彼の出発点となったのが,中村さんの厳しい指導だったのです。ヘム・トンさんは,「日本人以上に素晴らしい水泳コーチはいなかった。厳しいだけでなく,理にかなっており,私も日本式を受け継ぎました」と,言います。

中村さんは2009年に69歳で亡くなりました。ヘム・トンさんも,今回の取材を受けて間もなく,今年1月に72歳で亡くなりました。半世紀の重みを感じます。

カンボジアは今,空前の投資ブームです。日本を含むたくさんの企業が進出していますが,国造りはまだ途上にあります。青年海外協力隊員の軌跡は,途上国の人々と「共に生きる」ことの原点を教えてくれます。

(写真)
ヘム・トンさん(2014年10月撮影)

(写真)
1960年代のナショナルチームの選手たちと中村さん
(前列中央,サングラスの男性。右端がヘム・トンさん)


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