広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2014年5月28日発行 第277号

ODAメールマガジン第277号は,チリ共和国からの「遠くて近い(!?)国,Chile」「日本のおかげで教室が揺れなくなった-草の根レベルの復興支援-」「平成25年度外務省ODA評価(第三者評価)個別報告書の公表」をお届けします。

チリ共和国

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「遠くて近い(!?)国,Chile」原稿執筆:在チリ日本国大使館 野々村 圭造 一等書記官

(※スペイン語ではチレと発音します)

チリに対してどういうイメージをお持ちでしょうか。ワインと美人の国,または劇的な鉱山救出の国として,記憶されているかもしれません。ラテンの国チリ,という声も聞こえるでしょうが,在留邦人の間では,少々頭が固いが約束を守る,南米らしからぬ国,と受け止められています。これは,チリ南部はドイツ系移民によって開拓されたためと言われており,チリはラテンアメリカというよりは,ゲルマンアメリカと表現したほうがよいくらいです。

さて,こんな律義な国のチリですが,我が国とは季節も真逆,時差も約12時間,飛行機でも丸一日以上,と極めて遠い国である一方,意外な共通点も存在します。まず国土が細長く,海岸線が非常に長い。首都のサンティアゴは福岡と同じ緯度にあり,四季もハッキリしている。富士山によく似た火山もあり,温泉もそこらにある。自然も地形も我が国とよく似ているチリですが,やはり最大の類似点は地震と津波です。最近も,2010年にチリ地震,2011年の東日本大震災と,両国では立て続けに大きな震災が発生し,特に津波により多数の人命が犠牲になりました。

日本はチリに対して長年にわたり経済協力を実施し,技術協力を通してチリをサケ輸出大国へ成長させる等様々な実績をあげてきました。チリは,すでに一定水準の経済発展を達成していますが,最近では,地震と津波という日本との類似点から「防災」を一つの柱とし,技術協力,草の根・人間の安全保障無償資金協力を中心に協力を行っています。その一環として,現在,津波に強い地域を作るためのプロジェクトが進行中です。先の震災では,津波警報がうまく機能せずに被害が拡大したという反省から,津波の早期警報モデルを構築するとともに,津波の被害を最小限にとどめる取り組みが進められています。津波から素早く逃げるための避難経路や,地震発生後の物資輸送ルートの確保など,我が国と同様の検討がチリでも行われています。このプロジェクトでは日本から専門家が派遣されると共に,双方でセミナーを開催するなど,両国の経験を共有する取り組みが進められています。

今年の4月1日にはチリ北部で大きな地震が夜間に発生しましたが,地震発生直後に住民が素早く避難しており,このプロジェクトの成果が確認されたところです。今後,さらなる大地震発生の恐れがある両国においては,この取り組みを進め,津波被害から住民を守るための対策を,知恵を出し合って考えていかねばなりません。

(写真)
富士山によく似たオソルノ山
(写真)
2010チリ地震時の津波被災状況
(JICA チリ支所提供)
(写真)
2010年チリ地震時に倒壊したマンション
(JETRO サンティアゴ事務所提供)
(写真)
日本とチリの専門家による夜間避難訓練の検討状況
(JICA チリ支所提供)


「日本のおかげで教室が揺れなくなった-草の根レベルの復興支援-」原稿執筆:在チリ日本国大使館 岡本 啓史 草の根・人間の安全保障無償資金協力 委嘱員

「教室がない…」

2010年2月27日にチリで起こったマグニチュード8.8の地震の被害は凄まじく,被災者数は200万人以上,被災住宅80万戸以上と,南北に細長いこの国に大きな爪跡が残りました。中でも子ども達の拠り所である学校の多くが破壊され,チリ政府は懸命に復興活動に努めてきましたが,全ての被災地の修復を賄うには至りませんでした。首都サンティアゴから南に約200キロメートル離れたクリコ市のラ・オブラ初等教育校もその例外ではなく,震災によって木造の教室2つ(2年生・補習授業用)が崩壊されたままでした。その後2年生は食堂をやむなく教室として使用し,代替設備が無かった補習授業においては,震災で歪んだ教室を利用し続け,揺れや雨漏りに耐えるという状態が続いたため,同市役所が大使館の草の根無償支援に応募しました。結果,2教室(126平方メートル)の再建が実現す
ることになりました。

案件実施前の様子
(写真)
震災で教室が使えなくなったため,
食堂で授業をする(当時)2年生
(写真)
震災で建物を支える杭がずれ,切り株を差しこんでいるが,歩くたびに床がたわむ教室
(写真)
補習授業の代替設備が無かったため,揺れや雨漏りが続く教室で授業を受ける児童

草の根無償支援とは,「草の根・人間の安全保障無償資金協力」(以下,草の根無償)のことであり,日本政府はこの無償資金協力を通して開発途上国における多様なニーズに応え,人々が安全な生活を送れるように努めています。草の根無償は他の開発支援に比べて少ない予算(原則1,000万円以下)で実施されており,その分案件が完成するまでの時間も短く,大使館が実施団体に直接資金を供与するため,チリの地域社会に直接効果が及ぶ「足の速い援助」という特徴があります(チリでは1999年から現在に至るまで189件実施されています)。その迅速な援助により,同校の新教室2つは,震災にあった翌年に完成されました。

案件実施後の様子
(写真)
草の根無償完成記念ODAプレート
(写真)
新教室1(現在3年生が使用)
(写真)
新教室2(現在4年生が使用)

事業完了から2年が経過した2013年の初夏(11月),フォローアップ調査のために同校を訪れる機会がありました。案件実施前に食堂と補習教室を使用していた教師や児童と面会したところ,新教室は広さ・防寒・防音・安全の面で遥かに改善され,児童が集中して授業を受けるようになったと嬉しそうに語ってくれました。中でも,震災後も歪んだ補習教室を使用していた児童が何気なく「日本のおかげで教室が揺れなくなった。」と言ったのは今でも忘れることができません。海を挟んだチリのこの小さな学校で,日本の復興支援が実際に届いたのを実感した瞬間でした。

実はこの揺れなくなった新教室,意外なところでも有効活用されていました。広くしっかりした作りであり,そして日本の支援で建てられた同市のシンボル的な存在でもある同教室は,市内にある3つの職業訓練校(中学校)の生徒が「お兄さん・お姉さん先生」として毎週訪れては,同校の児童にワークショップを行う場所としても利用されており,まさに市内全体の繋がりの場・学びの場となっています。今後も日の丸プレートが掲げられたこの2教室で,様々な教育活動を通して多くの児童が学び続けることでしょう。



「平成25年度外務省ODA評価(第三者評価)個別報告書の公表」原稿執筆:ODA評価室

4月23日(水曜日),外務省は平成25年度外務省ODA評価(第三者評価)個別報告書8件を公表しました。

平成25年度は,「ラオス国別評価」,「スリランカ国別評価」,「コロンビア国別評価」,「防災協力イニシアティブの評価」,「貧困削減戦略支援無償の評価」,「ベトナム都市交通セクターへの支援の評価」,「アフリカン・ミレニアム・ビレッジ・イニシアティブへの支援の評価」,「開発人材育成及び開発教育支援の評価」の8件を実施しました。ODAに携わる方々やODAにご関心のある方々に,ぜひ活用していただければと思います。

これらの報告書は,外務省ODAホームページに掲載しています。

また,これらの個別報告書以外にも,外務省が実施したODA評価の概要を中心に,他のODA関係省庁と国際協力機構(JICA)が実施したODA評価の概要などを取りまとめた「ODA評価年次報告書」についても,毎年度公表しておりますので,ぜひこちらもご覧ください。

(写真)
現地調査視察先の写真
(コロンビア国別評価)
(写真)
現地調査視察先の写真
(ラオス国別評価)


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政府開発援助(ODA)大綱の見直しに関する有識者懇談会 第3回会合開催概要(平成26年5月14日開催)
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バングラデシュ人民共和国に対する人材育成支援無償資金協力「人材育成奨学計画」に関する書簡の交換について
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ボスニア・ヘルツェゴビナにおける洪水被害に対する緊急援助について
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ブルンジに対する無償資金協力に関する書簡の交換について
ナイジェリア連邦共和国に対する円借款に関する書簡の交換について
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