広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2013年9月11日発行 第260号

ODAメールマガジン第260号は,タイ王国からの「官民連携によるタイ側から実施したミャンマー人難民支援プロジェクト」「日タイの協力でデング熱の治療法を開発」及びラオス人民民主共和国からの「不発弾(UXO)処理への支援(ラオス)」をお届けします。

タイ王国,ラオス人民民主共和国

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「官民連携によるタイ側から実施したミャンマー人難民支援プロジェクト」原稿執筆:在タイ日本国大使館 伊藤佳記 一等書記官

タイは西にミャンマーと国境を接し,現在国境沿いに9つの難民キャンプが存在しています。そこには,ミャンマー国内の少数民族と政府軍との分離独立闘争の影響により難民としてタイ国側に避難してきた約15万人のミャンマー人難民が暮らしています。

彼らはこれまで,国際機関やNGOなどの活動によって,食事,水,シェルター,医療,教育といった様々なサポートを人道支援として受けてきました。しかしながら,これら支援が提供されてきた結果,難民自身が生計手段としての技能を習得する機会を失うことにつながり,自立や生活の質の向上などの実現がむしろ遠ざかっています。

その一方で,最近のミャンマーの政治状況の変化によって,難民の間で母国帰還への期待が膨らみつつあり,帰還後の生活の安定に必要な職業技能を身につけることの重要性が認識されています。

こうした中,今年1月,草の根人間の安全保障無償資金協力を用いて,コンピュータと農業機械メンテナンスに関する技能を身につける職業訓練施設の整備を行いました。

難民ニーズの調査で,(1)若い世代の難民の中には帰還実現後,市街地での就労を希望する者が多く,コンピュータ技能習得の希望が最も高い結果となったこと (2)難民の60パーセントがミャンマー出国前に農業に従事しており,帰還実現後も農業に戻る可能性が高く,農業機械メンテナンス技能に対するニーズが高かったこと,などの結果が出たことから,この2コースの開設に至りました。

また,今回の特徴として,タイにおける草の根無償資金協力としては,初めて「官民連携」による支援が実現しました。当地の主要日系企業であるホンダ,クボタ両社より,それぞれエンジンと修理工具をはじめ,各種訓練機材を無償提供していただき,9カ所全てのキャンプに配備することができました。

こうした支援は,将来帰還が無事実現すれば,支援対象となった難民個人の生活の安定のみならず,ミャンマー社会の安定にも寄与するものです。日本政府としてこの地域に根を張る日系企業と共同で支援に取り組むことは大変意義深いものと考えています。

(写真)
難民キャンプの風景
こうしたキャンプ地全9ヵ所に約15万人が暮らす
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難民が暮らすシェルター
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2013年1月28日
草の根無償資金協力契約の署名式
(左からクボタ社の川上社長,駐タイ佐藤大使,ARDA代表のトーマス氏,ホンダ社の齋藤GM)
(写真)
2013年1月28日
草の根無償資金協力契約署名式
関係者による集合写真
(写真)
2013年2月18日のメラ・キャンプでのトレーニング風景


「日タイの協力でデング熱の治療法を開発」原稿執筆:JICAタイ事務所 飯島大輔 所員

<顧みられない熱帯病:デング熱>
デング熱は蚊が媒介する感染症で,熱帯地域では年間約5,000万人が感染し,約25万人の重症に陥り,死に至る場合もある病気です。タイでもデング熱に感染した患者は2013年1月~7月までの間で約8万人を超えています。感染すると急激な発熱が続き,頭痛,関節痛と共に,発疹が胸部や四肢に広がることもありますが,治療薬がないため,感染後は安静にするなどの対処療法しかないのが現状です。また主に開発途上国の熱帯地域,貧困層を中心に蔓延する感染症であるため,先進国でも先端医薬品開発の観点からはこれまで関心が向けられず十分な対策が取られてこなかった「顧みられない熱帯病」の一つでもあります。

(写真)
デング熱は蚊によって媒介される

<ODAにより開発途上国の共同研究を推進>
この課題に対処するため,デング熱などの治療薬を開発することを目指して,独立行政法人国際協力機構(JICA)と独立行政法人科学技術振興機構(JST)は,2009年7月より4年間,大阪大学微生物病研究所,タイ・マヒドン大学熱帯医学部及び理学部,タイ国保健省医科学局の4機関によるデング感染症など治療製材研究開発のための共同研究をSATREPS*プログラムにて進めてきました。

(写真)
研究を指導する大阪大学研究者

<日タイの献身的な努力による目覚ましい研究成果>
研究では,デング熱の治療薬候補に有望な抗体について,サルを用いた前臨床試験を行い,予防法と治療法の両方においてウイルス増殖抑制効果があることが確認されました。プロジェクト終了時には学術論文も17発表され,知的財産出願も国内出願1件,海外出願5件を誇ります。また大阪大学から今後の研究開発について日本を含む製薬企業に働きかけたところ,インドの製薬企業が本成果に関心を示し,大阪大学との間で今後の研究開発について交渉も始まっています。

(写真)
抗体研究を行うタイ人研究者

製薬会社との交渉が順調に進めば,5~6年でデング熱の治療薬が実用化できる可能性もあり,タイをはじめとする熱帯地域ではもちろん,世界中から期待が集まっています。
JICAホームページ「【ASEAN,40年の絆】デング熱の治療薬開発に光明」他のサイトへも併せてご覧ください。

*SATREPS: Science and Technology Research Partnership for Sustainable Developmentは,SATREPS(サトレップス)とは,JSTとJICAが共同で実施している,地球規模課題解決のために日本と開発途上国の研究者が共同で研究を行う3~5年間の研究プログラムです。 



「不発弾(UXO)処理への支援(ラオス)」原稿執筆:在ラオス日本国大使館 大西英之 参事官

ラオスは,1964年から1975年までのベトナム戦争において,国内がホーチミン・ルートの一部となっていたため200万トンを超える爆弾が投下され,ラオス国土面積23万平方キロメートルに対して8,470平方キロメートル以上の土地が不発弾によって汚染されたままと推定されています。この不発弾により農民や子供たちの被害が毎年報告され,また開発も進まないことから,ラオス政府は不発弾(UXO)を「あらゆる開発を阻害する要因」としてミレニアム開発目標(MDGs)の9番目の課題に設定し,MDGsの目標年である2015年までには開発の優先度の高い地域の除去を,また、ラオスの開発途上国(LDC)からの脱却を目標とした2020年までにすべての地域のUXO除去を完了したいとして,国際社会に協力を呼びかけています。

我が国は,対人地雷禁止条約(オタワ条約)を1998年に批准し,引き続き,「クラスター弾に関する条約」に2008年に署名しました。2010年にラオスで開催された「クラスター弾に関する条約第1回締約国会議」では,議長国ラオスを後押しすべく,「条約の普遍化促進」に言及し,締約国が取り組むべき行動計画をまとめた「ビエンチャン宣言」を採択しました。このように我が国は,平和構築,人間の安全保障の観点から「対人地雷」,「クラスター弾」の廃絶,条約推進及び除去支援を表明しています。

UXO除去が完了すれば,不発弾による人的被害を収束させるとともに,豊富な水資源,鉱物資源を有していることから,山間貧困地域の開発やインフラ整備が加速し,国内格差の是正,また,海外投資誘致が期待されるなど,「UXOフリー」は開発ポテンシャルを有する当国の優位性を高めことになると考えます。そのため,大使館では,草の根・人間の安全保障無償資金協力,日本NGO連携無償資金協力(JMAS:日本地雷処理を支援する会),一般無償資金協力,技術協力をとおして,UXO Lao(UXOを除去するラオス政府の組織)に対してUXO除去に必要な機材,人件費,技術支援などを実施しています。

(写真)
UXO Laoによる大型弾の処理
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UXO Laoによる不発弾の確認
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クラスター段(子爆弾)の散乱
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子供たちへのリスク回避教育

不発弾(UXO)の汚染状況
不発弾(UXO)の汚染状況の地図


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国際協力紹介テレビ番組「佐藤隆太の地球元気!」
「ODA出前講座」講師を派遣いたします!
第215回ODA出前講座開催報告(聖心女子大学)
任期付外務省職員の臨時募集(アフリカ開発分野)(9月13日応募締切)
非常勤職員の募集(経済協力専門員(草の根・人間の安全保障無償資金協力))(9月27日応募締切)
経済協力専門員の募集(アフリカに対する経済協力及び援助協調に関する業務)(9月20日締切)
阿部俊子外務大臣政務官のフランス,ガーナ,ブルキナファソ,セネガル,ガンビア,カメルーン,コンゴ民主共和国訪問(概要)
平成25年度/平成24年度NGO相談員連絡会議を掲載
平成25年度(2013年度)NGO・外務省定期協議会
「第1回連携推進委員会」(平成25年7月16日開催)の議事次第を掲載
報道発表
日・インドネシア間の二国間クレジット制度に関する二国間文書の署名
人間の安全保障基金を通じたコンゴ民主共和国での事業に対する支援
水銀に関する水俣条約外交会議及び準備会合の開催
ブルキナファソに対する一般文化無償資金協力に関する交換公文の署名
ミクロネシア連邦に対する無償資金協力「国内海上輸送能力向上計画」に関する交換公文の署名について
ナウルに対するノン・プロジェクト無償資金協力に関する書簡の交換について
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