広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2013年4月24日発行 第251号

ODAメールマガジン第251号は,マーシャル諸島共和国からの「環礁国家,マーシャル諸島より」「「チーム」で取り組む算数学力アップ ~マーシャルの教育の発展のために~」「青年海外協力隊/シニア海外ボランティア「体験談&説明会」のご案内」「第5回アフリカ開発会議(TICAD V)広報動画 on YouTube !」をお届けします。


マーシャル諸島共和国

このメールはHTML形式でお送りしていますが,テキスト形式で読み込むことも可能です。受信環境によっては,HTML形式をうまく表示できない場合がありますので,その際はテキスト形式で読み込んでください。
※迷惑メール対策をされている場合は,oda@mofa.go.jpからのメールを受信できるようにしておいてください。


ODAメールマガジンは,我が国のODAについての様々な情報をタイムリーにお届けしています。
また,外務省ホームページODAコーナーでは,新着情報を次々と更新しておりますので,是非ご覧下さい。

なお,このODAメールマガジンでは,ODAの現場で働いている人々や,実際にODA事業を視察した方々の生の声をお伝えしていますので,本メルマガに掲載されている内容は執筆者個人の感想に基づいた意見であり,政府の立場を示すものではありません。



「環礁国家,マーシャル諸島より」原稿執筆:在マーシャル日本国大使館 水谷 正孝 専門調査員

皆さん,マーシャル諸島共和国(以下,マーシャルと略します)をご存じでしょうか。赤道の少し北,中西部太平洋に浮かぶ29の環礁(リング状に珊瑚島が連なり環礁中には礁湖を有する)と5つの単独島からなる非常にユニークな環礁国家です。環礁低地(平均海抜約2メートル)のため山や川は存在せず,陸地面積はすべてあわせても約180平方キロメートルと大変狭小ですが,自国の排他的経済水域は陸地面積の約1万倍以上の約200万平方キロメートルと広大で,北米や日本市場等へのマグロやカツオ等の水産物の主要供給地の一つとなってきました。

(写真)
首都のマジュロ環礁(環状に陸地が連なっている)
(写真)
首都のマジュロ環礁を構成する珊瑚礁の島々

マーシャルは歴史的な背景(第一次大戦後の日本の委任統治期間を含め約30年間に亘り統治)等からも,日本と大変深い繋がりがあり,日本文化の影響(米食等)を受け,多くの日本語がマーシャル語に取り込まれ(エンマン(円満の意),チャンポ(散歩),ゾウリ他多数),日系マーシャル人も多く存在します(全体の2割程度)。例えば,現在の閣僚には,モモタロウ財務大臣(日系3世),ヤマムラ公共事業大臣(日系3世)がいます。

(写真)
無邪気なマーシャルの子供達
(マーシャル諸島北部のウトリック環礁にて)

さて,マーシャルは第二次大戦後は米国を施政国とする国連の信託統治領となりましたが,その後米国との間に自由連合協定を締結し1986年に独立を果たしました。しかし,現在も国家予算の約6割以上を米国等からの財政支援が占める等,財政自立を図るためにも民間産業の育成が課題となっています。また,生活様式の近代化に伴う廃棄物問題,教育や保健衛生分野の水準改善,気候変動対策等の課題が山積しています。

我が国はこれまで,教育,保健衛生,経済活動を支えるインフラ整備,環境や気候変動対策分野での支援を重点分野と定め経済協力を行っています。具体的には,数億円規模のプロジェクト(以下写真の水産施設や太陽光発電の導入等)の実施,日本大使館が行っている草の根・人間の安全保障無償資金協力,JICAによる青年海外協力隊員やシニア海外ボランティアの派遣(教育,保健衛生,廃棄物,水産,観光,コンピュータ等の分野で現在も約20名のボランティアが活躍中),人材育成のためマーシャル人の日本での研修,他の太洋州諸国も対象とした廃棄物管理プロジェクト等の技術協力を継続的に行っています。

(写真)
2011年に完成したマジュロ市内の魚市場(8.25億円)
(写真)
マジュロ病院の新病棟(日本の支援(9.88億円)により2005年に完成)の屋根にクリーンエネルギー導入支援として2012年に設置が完了した太陽光パネル(5.3億円)
(写真)
大使館の草の根スキームで2011年にマジュロ環礁の小学校に供与されたスクールバス
(写真)
大使館の草の根スキームでこれまでに計2,000個以上のゴミカートがマジュロ環礁の廃棄物管理公社に対し供与され,マジュロ環礁における環境や美化改善に貢献

また,東日本大震災後の被災地産品(工業用品)を供与するプロジェクトもマーシャルに対して実施され(2.5億円),以下写真のように,重機類や医療器具用高圧滅菌器が公共事業担当省庁や病院等に対して2012年末にそれぞれ寄贈され,東日本の被災地の産業復興支援及びマーシャルの開発課題にも資する意義深いプロジェクトとなりました。

(写真)
重機類
(写真)
中央設置機械が医療用高圧滅菌器。左から2番目はマジュロ病院に配属されている青年海外協力隊員(看護師)

現在進行中の大型プロジェクトでは,国内海上輸送改善計画として2012年5月に東京でムラー・マーシャル外務大臣と玄葉外務大臣(当時)との間での交換公文に基づく船舶の供与(12.88億円)があります。2隻の貨客船が現在日本において造船中で,2013年末までにマーシャル側に引き渡される予定となっており,これにより海上交通や輸送の改善が大きく期待されています。

なお,マーシャルは本年9月にPIF(太平洋諸島フォーラム)総会を開催し,太平洋島嶼国の首脳や日本や米国を含む関係ドナー国の代表が会する予定で,例年以上にマーシャルが太平洋島嶼国の中でも注目を集めています。

以上のように,マーシャルが直面している開発課題に対し,当地日本大使館及びJICA支所が緊密に連携し,日本側が提供できる経済・技術協力スキームを組み合わせ,物品の供与等のハード面のみならず,人材育成等のソフト面への支援へも力を入れて,引き続き効果的な支援をオール・ジャパンで行い,友好的な二国間関係の維持及び発展に努力しています。



「「チーム」で取り組む算数学力アップ ~マーシャルの教育の発展のために~」原稿執筆:マジュロ環礁アジャルタケ小学校 多田 智明 青年海外協力隊

マーシャルの子どもたちの学力低迷は深刻であり,特に初等教育での算数の理解不足がその後の数学離れに大きく影響しています。原因の1つは,現地の教師自身の知識不足と指導技術の低さにあり,小学校教諭の隊員は自ら算数の授業を行うとともに,現地教師の資質向上のための活動を行っています。そんな算数を教える隊員で構成される「算数部会」が取り組んでいる活動を紹介します。

(写真)
はい,こうやって。(右側が筆者)
(写真)
道具を使うとわかりやすいネ!

1. 100% Goal Test(算数基礎学力の調査テスト)

算数学力の低さの原因の1つに「基礎計算能力の不足」があります。簡単な四則計算を理解していないため,算数嫌いになってしまう子どもが多く存在します。算数部会では首都の小中学校の全児童の基礎計算能力を調査するため「100% Goal Test」を実施しています。その結果を分析し,担任の現地教師に基礎計算能力向上のための助言を行い,現地教師は正答率100%を目指して指導を続けています。2011年度は3度テストを実施し,正答率が23%向上しました。今後も子どもたちの学力向上への貢献が期待できます。

(写真)
テスト始め!
(写真)
こうやって解くのよ。

2. Open Class(現地教師の公開授業研究会)

この国では授業を他の教師に公開する,教師間で相談するといった機会がありません。そこで算数部会は,先生方の教授法研鑚の場として2003年から公開授業研究会「Open Class」を開始しました。当初は隊員の授業を対象に,実施運営も隊員が行っていましたが,今では隊員がいない学校でも実施されるようになりました。質の向上のため,先生方の指導案(授業計画)や授業後のディスカッションなど,今後も隊員のサポートが必要と考えています。

(写真)
緊張で声が上ずるわ!
(写真)
あそこは,こう教えるべきよ!

3. Math Competition(首都の全学校による計算大会)

年に1度,算数部会は教育省と協力し計算大会「Math Competition」を実施しています。2012年度は算数好きな各校の生徒代表約20名が,学年ごとに計算の速さと正確さを競いました。入賞者は自信を深め,惜しくも賞を逃した子どもは次に向け努力をするこの大会は,将来この国の科学技術を担う人材の育成に繋がると自負しています。

(写真)
応援団の前で,ウ~ン!
(写真)
エ~ット!よし,出来た!

以上,算数部会は国の発展の基礎となる科学技術を担う人材の育成に向け活動をしています。それらは先輩隊員の努力の賜物であり,現在の隊員はその熱い想いを胸に人材育成に取り組んでいきます。算数学力の低迷は根深い問題であり,一朝一夕に改善することは困難ですが,後輩隊員にもこの想いを託し見守っていこうと思っています。



青年海外協力隊/シニア海外ボランティア「体験談&説明会」のご案内
(写真)

開発途上国でボランティア活動を行う青年海外協力隊。そして40歳からのシニア海外ボランティア。

全国各地で「体験談&説明会」が実施されています。海外ボランティアに興味がある方は ぜひお近くの会場に足を運んでみてください。経験者の生の声を聞けるチャンスです!

詳細はJICAボランティアのホームページ他のサイトへをご覧下さい。



第5回アフリカ開発会議(TICAD V)広報動画 on YouTube !

第5回アフリカ開発会議(TICAD V)を紹介する広報動画を,YouTube外務省チャンネルで公開しました。

TICAD V名誉大使のMISIAさんが登場する他,今年20周年を迎えるTICADプロセスの様々な取り組みや,日本とアフリカとの交流について,約7分間の動画他のサイトへでわかりやすく説明しています。是非皆さんでご覧下さい!

また,TICAD V事務局のFacebookページ他のサイトへでも,アフリカ各地から寄せられる現地の「ナマ」の情報をお知らせする「アフリカ・レポート」,東京,横浜等各地で開催されるアフリカ関係のイベント情報など,アフリカ情報を毎日配信しています。5月もアフリカ関係のイベントも多数実施予定。是非,「いいね!」して,TICAD Vを応援してください!

(写真)
写真は【アフリカレポート:リビア発】静かに佇むリビアの観光資源 より


New!ODAホームページ新着情報
国際協力紹介テレビ番組「地球VOCE」
「ODA出前講座」講師を派遣いたします!
「経済協力調整員」募集のお知らせ(在ミャンマー大)
TICAD V開催記念アフリカン・フェスタ2013の開催
G8外相会合 閣僚夕食会(概要)
G8外相会合(概要)
円借款の戦略的活用のための改善策
青年海外協力隊/シニア海外ボランティア「体験談&説明会」開催中
平成25年度 日本NGO連携無償資金協力~申請の手引き~(実施要領)
コートジボワールに対する債務救済措置
第5回アフリカ開発会議TICAD V~躍動のアフリカと手を携えて~(YouTube 動画)
岸田外務大臣とアウン・サン・スー・チー・ミャンマー国民民主連盟議長との意見交換及び夕食会(概要)
第2回東アジア低炭素成長パートナーシップ対話の開催
中国四川省で発生した地震災害に対する日本の対応
エクアドルに対する一般文化無償資金協力に関する交換公文の署名について
アゼルバイジャンに対する無償資金協力「第二次土地改良・灌漑機材整備計画」に関する書簡の交換について
ODAメールマガジンは,ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けします。
また,外務省ホームページODAコーナーでは,新着情報を次々と更新しておりますので,是非ご覧下さい。
ODAホームページ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html


編集・発行 外務省国際協力局(〒100-8919 千代田区霞が関2-2-1)

ODAメールマガジンをご利用いただきありがとうございます。
本サービスの登録,削除及び電子メールアドレス変更は,下記の画面にて受け付けております。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/mail/index.html
このODAメールマガジンの内容について改善していきたいと考えておりますのでご意見・ご要望がありましたら,こちらからどうぞ。
https://www3.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/iken/
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/

バックナンバートップへ戻る
Copyright(C): JAPAN Official Development Assistance
このページのトップへ戻る
目次へ戻る