広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2012年12月12日発行 第242号

ODAメールマガジン第242号は,ボリビア多民族国からの「多文化が融合するボリビア」「ボリビアと日本の音楽―日本の心をボリビアに―」と,ブルキナファソからの「「高潔な人々の国」ブルキナファソ―貧しくとも誠実に生きる人々への支援―」「「学ぶ」ということ―先生に寄り添う協力を目指して―」と,「第5回アフリカ開発会議(TICAD V)の全体テーマは,「躍動するアフリカと手を携えて―質の高い成長を目指して―」に決定!」をお届けします。


ボリビア多民族国,ブルキナファソ地図

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「多文化が融合するボリビア」原稿執筆:在ボリビア日本国大使館 紙屋 貴典 二等書記官

ボリビアと聞いて,アフリカの“リビア国”や,東欧の“ボスニア・ヘルツェゴビナ国”と“勘違い”される人もいるのではないでしょうか。 ボリビアは,南米大陸のほぼ中央に位置する国土面積110万平方キロメートル(日本の約3倍),人口1,043万人(2010年国家統計局)の国です。 富士山頂ほどの標高3,650メートルに位置する世界一高所にある首都ラパス(*1),360度見渡す限り真っ白な大地が広がるウユニ塩湖や熱帯低地のジャングル地帯が存在するなど,様々な地形,気候,文化を織りなす国です。

人口の構成は,先住民(インディヘナ)55%,混血(メスティソ)32%,欧州系13%で,2006年には初の先住民出身のモラレス大統領が誕生,2009年には国名をボリビア多民族国(旧ボリビア共和国)と変更し,先住民の権利拡大,地方分権推進,天然資源の国有化を定める新憲法制定などの改革が進められています。

現在,ボリビアの一人あたり国民所得(GNI)は2,040米ドル(2011年世界銀行)と上昇傾向にあるものの,歴史的に続く富の不平等により,国民の60%以上が貧困層に属すなど南米で最も所得格差が大きく,諸外国からの多くの支援を必要とする国です。 特に,都市部と農村部の生活格差は大きく,満足に飲料水が供給されず,適切な環境下で教育や医療を受けることができない農村地域が多数存在します。

(写真)
すり鉢状の形をした街首都ラパス
(標高3,650メートル)
(写真)
一面真っ白なウユニ塩湖
(ボリビア随一の観光名所)

ボリビアは,多民族,多文化により構成される国家で,標高4,000メートルを超える高山地域から熱帯アマゾン地域からなる地勢の富んだ内陸国であること,制度整備の不足,自治体等の能力が脆弱であることに加えて,法律上認められた権利である政府,自治体等の様々な組織に対する抗議運動(*2)が日常化していること等が,経済発展の阻害要因となっており,これらにより近隣諸国とは少し異なる独特な社会・文化が形成されています。

このような情勢の下,各国が援助を行う際の制度整備が不十分であること,先方実施機関の約束事項が遵守されないこと等により,持続的・効果的な援助が実施できず,ボリビア援助より手を引く欧州諸国も少なくありません。

しかしながら,後述する「国立マン・セスペ音楽アカデミー」他,根気と粘り強さを信条に活動する日本人関係者の活動,そして日本政府による幅広い資金援助は,ボリビア国民一人一人に裨益するものとして,高い評価を得ています。

なお,我が国は2012年6月に対ボリビア援助方針において,『貧困削減を通じた持続的経済成長の実現に向けた支援』を打ち出し,貧困削減に通ずる教育,保健医療等の社会開発支援や人材育成への支援,経済成長を支えるべく電力,道路,農業施設などのインフラ整備,及び貧困地域対策を重点的に行うこととしています。

(写真)
ブロケオ(道路封鎖)の様子
(写真)
地下飲料水を汲む子供
(これまで我が国が重点的に行ってきた村落地下水開発(写真提供:ASVI))
(写真)
草の根無償500回記念セミナー
(2012年3月21日)
(ボリビアではこれまでに500件以上の草の根無償資金協力を実施。特に農村地域への貢献度が高く,生活向上に寄与している)

*1 憲法上の首都はスクレですが,政治経済の中心はラパスにあります。

*2 マルチャ(デモ行進),パロ(ストライキ),ブロケオ(道路封鎖)などの抗議運動は日常的に行われています。国家統計局調べによると,2010年ボリビア全土で2,988回(1日平均8回程度)。



「ボリビアと日本の音楽―日本の心をボリビアに―」原稿執筆:JICAボリビア事務所 河内 正浩 次長

ボリビアに着任して驚いたことの一つは,日本の様々なことが根付いていること。 サンファン移住地の作る米,卵はもちろん,オキナワ移住地の小麦,これらはボリビアの食卓にかかせません。

根付いているのは食品だけでなく,移住地の盆踊りや運動会は大勢のボリビア人が参加していますし,各地のお話大会ではボリビア人が日本語で発表します。 また,毎年ラパス市で開催されるカラオケ大会では,ボリビア人が日本の曲を熱唱します。 どれだけ練習しているのやら中々うまいのが不思議です。

音楽についていえば,日本がボリビアに果たしている貢献は様々です。 例えば無償資金協力で建設された「国立マン・セスペ音楽アカデミー」は,高いレベルでの音楽教育はもちろんのこと,合唱を通じた協力の重要性など人間性についても学べるということで,ボリビアでも大きく取り上げられています。 また,これら実績が評価され同校は今年,ボリビア政府の指定する文化遺産に選ばれ更なる教育文化活動の充実が期待されています。

(写真)
国立マン・セスペ音楽アカデミー野外コンサート場
2012年1月20日に落成記念コンサートが行われた

コチャバンバ市にあるこの音楽学校を訪問すると「ふるさと」「大地讃頌」などの日本語の合唱曲を聞くこともできます。 この音楽学校を率いるのが藤井康一校長。 藤井校長は20年以上前,青年海外協力隊員(音楽隊員)としてこの地を踏み,その後ボリビアの音楽教育に尽くしてこられたボリビア音楽教育の一人者です。その長年の活動がボリビアでも認められ異例の日本人校長となっています。

(写真)
記念コンサートで指揮を執る藤井校長
(写真)
同校生徒による日本の歌の合唱

藤井校長はすばらしい音楽を求めるだけでなく,音楽を人間教育の場ともとらえています。 同校を訪問して気づくのは,生徒の礼儀正しさや,自分たちで行う清掃など。 自分の学び舎を自分達で清掃したり,オーケストラや合唱で協力して物を作り上げる楽しさ,大切さ,友情の大切さを生徒が学んだりしていきます。

日本の国際協力は物や技術だけでなく,そうした大切なものを日々ボリビアに伝えています。



「「高潔な人々の国」ブルキナファソ ―貧しくとも誠実に生きる人々への支援―」原稿執筆:在ブルキナファソ日本国大使館 原田 教枝 二等書記官

国名のブルキナファソは現地語のディウラ語とモレ語の組み合わせで「高潔な人々の国」を意味します。 その母体は,11世紀頃から存在していたモシ族の王国にあります。 ブルキナファソの国土は日本の約0.7倍で,西アフリカの6ヶ国に囲まれた内陸国です。 国土のほとんどが半砂漠とサバンナ地帯に属する厳しい気候にあります。 ブルキナファソの人々はその国名どおり,貧しくとも高潔な精神を保ち,この国の,子どもたちのより良い未来のため,日々努力しています。

(写真)
農業を営む女性たち
(写真)
北部サヘル州の家畜の群れ

日本政府とJICAは,これらの努力を支える支援を行っています。 ブルキナファソは,人口の8割が農民であり,農業がGDPの約3割を占めます。 日本はこれまで,養殖,改良種子,森林管理,苗木生産等の技術協力を行ってきました。 皆さんは,日本のゴマ輸入の10%がブルキナファソから来ている,という事実をご存じでしょうか。 ブルキナファソにはその他にも,カリテバター(シアバター),落花生,マンゴー・イチゴ等の果物など,換金作物となる産品があります。 日本は貧困削減のため,これらの市場志向型産品の生産・流通の支援を行っていきます。

日本はまた,小学校建設,教員養成校建設,学校運営委員会の組織・運営支援,理数科教員への研修等,国の将来を支える子どもたちへの教育支援も行っています。 その他の人間の基礎的ニーズを支える支援として,飲料水供給のための井戸建設,保健センターの建設等を行っています。 また,気候変動の影響による干ばつ・洪水等の被害を緩和・防止するため,食糧援助,UNDPを通じた適応支援,水森林学校施設強化支援等を行っています。

(写真)
TICAD V高級実務者準備会合
(2012年11月15~17日)
(写真)
国際工芸見本市(SIAO)
(2012年10月26日~11月4日)

2012年は,ワガドゥグで開催された国際工芸見本市(SIAO)で日本が名誉招待国となり,TICAD V高級実務者準備会合を両国の共催で実施する等,日本とブルキナファソの関係強化の年でした。 ブルキナファソには2010年までに累計333人の青年海外協力隊員が派遣されています。 ブルキナファソを訪れた人は皆,貧しくとも誠実で,真面目に,心温かく生きるブルキナファソ人を好きになり,再びこの地を訪れます。 皆さんも是非,ブルキナファソを訪れてみて下さい。



「「学ぶ」ということ ―先生に寄り添う協力を目指して―」原稿執筆:JICAブルキナファソ事務所 海老原 知子 企画調査員

ブルキナファソで実施している「初等教育・理数科現職教員研修改善プロジェクト・フェーズ2(SMASE2)」の現状把握調査で,地方都市にある小学校を訪問した。 教室には100名を超える生徒がおり,限られた数の長椅子にひしめきあうようにして生徒たちが座っている。 扇風機すらもない教室は太陽が高くなるにつれ温度がじりじりと確実に上昇し,座っているだけの私もじっとりと汗をかいてくる。

今日は単位の換算を学ぶ算数の授業。 例題を黒板に書く先生,それを写しとる生徒たち,フランス語で書かれた問題文を数人が交代で繰り返し,それぞれに例題を解く,指名された生徒が黒板で例題を解き,答え合わせをする,正解が得られた子どもたちが誇らしげに手を挙げ,次にそうでなかった子どもたちが目立たないように手を挙げる。 すべての課程が非常にスムーズに流れているように見えるのに,ちょっとした違和感と失望感を覚えるのはなぜか。

(写真)
ブルキナファソの小学校における授業の様子

同じ授業を受けていても,理解できる子どもとそうでない子どもがいる。 世界中の教室であたり前に見られる現象だ。 違いがあるとすれば,ブルキナファソの教室では,分からなかった子どもが「分かる」ようになるためチャンスをつかむことがとても難しいということかも知れない。 分からない子どもたちは,何が分からないのか,なぜ分からないのか,どうしたら分かるようになるのかということも分からないまま放置されてしまう。単に先生のやる気がないからだろうか,授業の内容や方法が悪いのだろうか。

チョークと黒板しかない状況で,どうやって子どもたちに数の概念を教えればいいのか。 授業の進め方で分からないことがあるときは,誰に相談すればいいのか。 自分は教師という大変な仕事をしているのに報われないのはなぜか。 子どもが分からないのは,自分の授業内容とは関係ない。 100人を超える子どもたちを相手に自分一人で教えるなんて無理だ。 どうすればいい授業ができるのか。いい授業とは何か。 現場の先生たちが抱える思いは様々だ。

SMASE2では,身近にある素材を活用して教材を作成し,学習者中心型の授業実践を支援している。 子どもたちには学ぶ力が備わっている,先生はそれを上手く引出すファシリテーター役である。 理論の実践は容易ではないが,さまざまな問題が複雑に絡み合う状況で苦心する先生たちに,じっくりと寄り添っていける協力を目指していきたい。

(写真)
SMASE2の研修に参加し,身近な素材で教材を作成しているところ。


第5回アフリカ開発会議(TICAD V)の全体テーマは,「躍動するアフリカと手を携えて―質の高い成長を目指して―」に決定!

11月15~17日,ブルキナファソで開催された第5回アフリカ開発会議(TICAD V)高級実務者会合(SOM)の概要が,外務省ホームページに掲載されました。 この会合では,第5回アフリカ開発会議の全体テーマを,「躍動するアフリカと手を携えて―質の高い成長を目指して―」とすることが確認されました。

(写真)
(高級実務者会合終了後,記者会見に臨む岡村外務省アフリカ部長とティアレ・ブルキナファソ外務次官(共同議長))

第5回アフリカ開発会議(TICAD V)のページ(外務省ホームページ)


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(写真)
(TICAD V事務局Facebookページ「アフリカ・レポート」より,「カメルーン発:頭にのせて颯爽と」)

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