広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2012年7月11日発行 第232号

ODAメールマガジン第232号は,モザンビーク共和国からの,「モザンビークにおける日本の支援」「ブラジル,日本の夢を背負って」,そして「国際協力人材を中小企業の海外展開支援のチカラに」をお届けします。


モザンビーク共和国

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「モザンビークにおける日本の支援」原稿執筆:在モザンビーク日本国大使館 岩波 由佳 二等書記官

モザンビークといえば,皆様はどのようなイメージをお持ちでしょうか? モザンビークは,南部アフリカに属し,首都マプトは南アフリカ共和国の国境まで車で1時間半といった場所に位置します。 他方,国全体は799,380平方キロメートルと日本の面積の約2.1倍,海岸線は2,700キロメートルと大変長く,国内最南端の首都から国全体を統括するという難題がマプトには強いられております。

モザンビークは,10年余に及ぶ独立戦争を経て1975年にポルトガルから独立,更に17年に亘る内戦を経て,1992年に和平協定を締結しました。 日本は,アフリカ開発会議(TICAD)が開始された1993年にPKOを派遣し,モザンビークの政治的安定の維持,国家再建と経済社会開発の進展に貢献してきました。 内戦終了後20年たった現在は民主化が達成され,社会経済的に安定してきてはいますが,内戦等の影響による脆弱な国内のインフラ,それに伴う社会開発の整備が遅れ,一人あたりGNIは440ドル(2010年世銀),人間開発指数は187カ国中184位と,モザンビークは未だに世界における最貧困国として位置づけられています。

他方,近年は年間約7%前後の経済成長率を記録しており,鉱物資源(石炭,天然ガス等)の開発ポテンシャルも大きく,豊富な水資源を利用した水力発電,農業開発にも大きな可能性を有しております。 日本は,モザンビークが,経済・社会開発を通じて貧困削減と持続可能な経済成長を推進できるように(1)地域経済活性化(2)環境・気候変動対策(3)行政能力向上・制度整備の政府開発援助(ODA)の三本柱を掲げて様々な事業に取り組んできております。 例えば,後述するProSAVANA-JBMはモザンビーク北部で大規模な農業開発を目的とした日本とブラジル及びモザンビークの三角協力のプロジェクトであります。農業開発は,農業生産性向上のみでは完全な開発とはならないため,生産物を売ることのできる市場へのアクセスという意味で周辺インフラ(道路,港等)整備も念頭においた地域全体の開発を検討しています。 その他の事業としては,人間の安全保障といった観点から教育(中学校建設や教員養成学校の建設)や保健(ブラジルからの専門家によるモザンビーク保健省の能力強化のプログラム),更には開発の障害となる地雷の除去にも力を入れております。

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平成17年度一般無償資金協力「シモイオ教員養成学校建設計画」,現在まで2000人以上の卒業生を送り出している。

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日本が供与した地雷除去機。モザンビーク政府は,2014年までにモザンビークから地雷を全てなくすというマインインパクトフリー宣言を行っており,日本もそれに協力。


「ブラジル,日本の夢を背負って」原稿執筆:JICAモザンビーク事務所 大江 佐知子 所員

レオナルド・ディカプリオが主演したことで有名なBlood Diamond。 アフリカのシエラレオネを舞台にしたハリウッド映画ですが,その多くがモザンビークで撮影されたことをご存知でしょうか? 映画は内戦中のシエラレオネを描いていますが,撮影が行われたモザンビークも,1992年まで17年間にわたる激しい内戦を経験した国です。

内戦終了後まだ20年ほどしか経たないモザンビークですが,近年は石炭,天然ガス等の莫大な量の天然資源の発見が相次ぎ,世界中のエネルギー業界の注目を集めています。 世界最大級規模の天然ガス埋蔵量が発見されており,このガス田から製造される液化天然ガスは,いずれ日本に運ばれ,皆さんの家庭の電力の供給源になるでしょう。

天然資源に湧くモザンビークで,もう一つの注目株は農業資源です。 現在では耕作可能な土地の4%しか利用されておりませんが,特にモザンビーク北部では,ほぼ手つかずの肥沃で広大な土地が存在しています。 その多くは熱帯サバンナ地域に属していますが,この地帯を一大農業地帯へと変貌させる一大プロジェクト「ProSAVANA-JBM」が,日本,ブラジル,モザンビークの3か国の協力のもとで動き出しています。 このプロジェクトの対象地域は東北6県の広さに相当します。

モザンビーク北部の農業開発に日本とブラジルが協力する背景には,今から約40年前に日本がブラジルで取り組んだ熱帯サバンナ地帯の農業開発事業の成功があります。 この事業はセラード(ポルトガル語で“閉ざされた場所”の意)開発と呼ばれ,ブラジル中西部の“不毛な半砂漠地域”と呼ばれた地域を,日本がブラジルと共に,世界有数の大豆生産地に変革させたプロジェクトです。 セラード開発の過程で生まれた土壌改良や品種改良の技術を生かして,今日もモザンビークの農業研究所では,日本人,ブラジル人,そしてモザンビーク人の専門家チームが,モザンビークの熱帯サバンナ地帯開発で最も有効な農業技術の開発に力を注いでいます。

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不毛の地と呼ばれたブラジルのセラード
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広大な大豆畑に生まれ変わったセラード

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プロジェクトの拠点,ナンプラの農業試験場で試験栽培に取り組むJICA専門家とモザンビーク人研究者

そこで,将来的に増産されていく農産品を運ぶためには,道路・橋梁,そして外国に輸出するための港の整備が必要です。 JICAでは,モザンビーク北部の貿易拠点であるナカラ港と,その港から隣国マラウイを通りザンビアをつなぐナカラ回廊のインフラ整備,人材育成事業を行っており,この地域全体の総合的な開発に取り組んでいます。

モザンビーク国ナカラ回廊地域におけるJICAの協力(2012年7月時点)

今年4月には,日本とブラジルの民間企業,政府関係者から成る視察団がこの地を訪問し,農業投資先としてのポテンシャルを目の当たりにしました。 参加した日本企業からは,「夢のあるプログラムだと思う。ぜひ成功させ,日本の底力を見せたい」という頼もしい声も挙がりました。 モザンビークで生産された農産物が日本の食卓に上がる日も,そう遠くはないかもしれません。

(写真)
農業試験場で栽培されているゴマを視察する3か国合同視察団
ナカラ回廊沿いには1400万ヘクタールに及ぶ農業適地が広がっているという

リンク先
日本,ブラジル,モザンビークで官民合同ミッション(JICAホームページ)(他のサイトヘ)
書籍「ブラジルの不毛の大地「セラード」開発の奇跡 日伯国際協力で実現した農業革命の記録」
参考:http://www.jica.go.jp/topics/2012/20120712_01.html(他のサイトヘ)


「国際協力人材を中小企業の海外展開支援のチカラに ~ 国際協力キャリア総合情報サイト『PARTNER』が団体向け「簡易登録」制度を創設 ~」

独立行政法人国際協力機構(JICA)が運営し,これまでに国際協力の世界で活躍を目指す個人の方と国際協力人材を求める団体とを様々な情報で繋いできた「国際協力キャリア総合情報サイト」『PARTNER』(他のサイトヘ)は,将来的に海外展開・国際協力活動を予定している企業・団体と,『PARTNER』に登録している国際協力人材登録者を結びつける,新たなサービスを2012年6月に開始しました。

従来,『PARTNER』では,「国際協力を本来業務とし,過去1年以内に国際協力活動の実績がある」団体を対象として,国際協力人材登録者のプロフィールを閲覧し,就業機会等に関するオファーメールを送信することができるサービスを提供してきましたが,今回新たに団体の「簡易登録」制度を創設し,国際協力の実績有無に関わらず,海外展開・国際協力活動を予定している企業・団体のうち,海外経験が豊富で,高い専門性を持つ優秀な人材の活用に関心のある企業・団体に対して,上記サービスを利用できるようにいたしました。

この団体向けの「簡易登録」制度は,例えば,今後海外でのビジネス展開を予定している企業あるいは団体,地方自治体や学問・研究機関,交流団体等の利用が想定され,国際協力活動の経験や実績,専門知識・スキルを持った人材の経歴や資格情報といったプロフィール情報を参照し,海外展開に関連した就業機会等のオファーを行うことが可能となります。 一方で,国際協力人材登録者にとっては就業機会が増え,実務経験を積むことにより,更なるステップアップが期待されます。

プロフィールの公開の有無は国際協力人材登録者が選択することできます。 公開される情報は性別,年齢,学歴,語学力。 業務経験,保有する技術資格等のみで,個人を特定することができるお名前,連絡先等の情報は公開されず,最初の連絡は『PARTNER』上のメールサービスを介して行われますので,安心してご利用になれます。 既に国際協力人材登録を済ませていて,プロフィール公開のチェックを付けていない方や,これから国際協力人材登録への登録をご検討されている方は,プロフィール公開につきましてご検討いただきますようお願いいたします。 (6月27日時点で,「簡易登録」団体向けにプロフィールの公開を希望している登録者数は3,780名です。)

『PARTNER』の「簡易登録」制度はまだ産声をあげたばかりですが,今後,各企業・団体と優秀な国際協力人材を相互に結びつけることで,日本のグローバル化に少しでも貢献できるのではと期待しております。

国際協力キャリア総合情報サイト『PARTNER』(他のサイトヘ)
「国際協力人材」としての登録はこちらから(他のサイトヘ)


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「ODA出前講座」講師を派遣いたします!
第170回ODA出前講座 開催報告~ODA民間モニターOB・OG会~
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世界防災閣僚会議 in 東北 ~世界の英知を被災地に,被災地の教訓を世界に~
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