広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2012年5月23日発行 第229号

ODAメールマガジン第229号は,モンゴル国からの「経済成長が急速に進むモンゴル ~ODAの果たした役割~」「モンゴルの草の根無償 ~400案件を達成!~」と,ウズベキスタン共和国からの「文明の十字路 ウズベキスタン」「障害者が障害者を変える」をお届けします。


モンゴル国,ウズベキスタン共和国

このメールはHTML形式でお送りしていますが,テキスト形式で読み込むことも可能です。受信環境によっては,HTML形式をうまく表示できない場合がありますので,その際はテキスト形式で読み込んでください。
※迷惑メール対策をされている場合は,oda@mofa.go.jpからのメールを受信できるようにしておいてください。


ODAメールマガジンは,我が国のODAについての様々な情報をタイムリーにお届けしています。
また,外務省ホームページODAコーナーでは,新着情報を次々と更新しておりますので,是非ご覧下さい。

なお,このODAメールマガジンでは,ODAの現場で働いている人々や,実際にODA事業を視察した方々の生の声をお伝えしていますので,本メルマガに掲載されている内容は執筆者個人の感想に基づいた意見であり,政府の立場を示すものではありません。



「経済成長が急速に進むモンゴル ~ODAの果たした役割~」原稿執筆:在モンゴル日本国大使館 宮下 弘道 一等書記官

日本とモンゴルは,1972年2月に友好関係を強化することを約束し,外交関係が樹立されました。 この後,1990年のモンゴルの民主化以降の20年間,両国関係は経済協力を中心に一気に花開きました。 2012年の今年は,日本とモンゴルが外交関係を樹立してから,ちょうど40年の節目の年となります。 ODA関連でも,1992年4月に最初の青年海外協力隊2名がモンゴルに派遣されてから20年,また1997年1月にJICAモンゴル事務所が開設されてから15年,2002年のモンゴル・日本人材開発センター(通称,「日本センター」と呼ばれています)の開設から10年,といったいくつもの節目が重なる年となっています。

日本とモンゴルとの40年間の歩みを改めて振り返ってみると,モンゴルに対する日本のODAは,1977年の「ゴビ・カシミヤ工場建設」のための無償資金協力から始まります。 その後,技術協力,円借款を含めて,本格的な二国間援助を開始して,2011年度末までの援助総額は,2,000億円相当に達しています。 日本を中心としたこれらのODA支援が下支えとなって,近年は,隣国,中国の経済発展に牽引される形で,モンゴル経済は鉱物資源の開発を背景に発展が加速しており,モンゴルの外国投資・貿易庁(FIFTA)によると,一人当たりのGDPも2011年末には,3,070ドルに達し,2013年には5,000ドル,2016年には1万ドルを超えるとも予測され,国民全体が将来の生活向上に楽観的な希望を抱いています。

日本の経済協力は,「民主化への移行期という財政的に一番苦しい時期に,極めて大きな役割を果たした」と今でも高く評価されています。 モンゴルの人々にとって,相撲人気や性能のよい日本製品の評判,日本人のまじめな資質などもあり,日本を親しみ易い国と認識している国民が多く,日本語を学ぶ学生もたくさんいます。

ただ,残念なのは,これまでの日本とモンゴル両国の経済関係が経済援助を中心としたものに止まり,インフラ開発分野などにおける日本からの民間投資や企業進出がまだまだ少ないことです。 現在,当地のODAタスクフォースとしても,ODAがモンゴルの社会開発に役立つと同時に,日本企業のモンゴル進出への後押しにつなげられるよう,関係者みんなで議論しながら,新規案件の形成に取り組んでいるところです。

モンゴルの経済発展の様子
(写真)
古い建物と真新しいビル,建設中のビルが混在する今のウランバートル市内
(写真)
建設ラッシュを迎えている今のウランバートル市内


「モンゴルでの草の根無償 ~400案件を達成!~」原稿執筆:在モンゴル日本国大使館 大川 陽一 二等書記官

今年の2月に1990年より開始したモンゴルへの草の根無償が,累計で400件を突破しました。 これは,毎年20案件を20年間,継続的にこつこつと実施してきたことに相当します。 草の根無償は開発途上国の多様なニーズに応えるために1989年に導入された制度で,途上国の地方公共団体,教育・医療機関,もしくは現地で活動している国際または現地NGO(非政府団体)等が実施する比較的小さなプロジェクト(原則1,000万円以下の案件)に,日本大使館が中心となって支援を行うプログラムです。

モンゴルでは,学校や,幼稚園,病院・診療所,水供給施設等,緊急性の高い市民生活に密着した基礎的環境の改善を機動的に行っている日本の取り組みとして,大変親しまれています。 今年は,日本とモンゴル両国にとって,外交関係樹立40周年という記念すべき年に当たることから,日・モ外交関係樹立40周年記念行事の一環として,草の根無償400件の達成を記念した式典を大使公邸で2月6日に開催しました。

式典には,外交・貿易大臣や教育大臣をはじめ,モンゴル政府から多数の要人が参加したほか,これまでにプロジェクトを実施した全国各地の自治体の知事や関係者,学校,幼稚園,診療所,NGO団体などから130名を超える方々が参加くださいました。 最低気温がマイナス40度を下回る厳寒期でしたが,モンゴル最西端のバヤンウルギー県(首都ウランバートルから約1,800キロメートル)から最東端のドルノド県(同約700キロメートル)まで,参加者の半数以上は地方からお越しいただき,両国の結びつきがこれまでのODA関係者の努力によりモンゴル全土に広がっていることを改めて実感させられた機会ともなりました。

草の根400案件達成式典の様子
(写真)
第400号(案件)の署名を終え,モンゴル側代表者と握手を交わす清水大使
(写真)
会場で400案件目の署名を見つめる参加者

会場には,別途,展示コーナーを設け,これまでのプロジェクトの成果を紹介する写真や統計資料,プロジェクトを受けた団体からの喜びの声やお礼状などのパネルを展示し,多くの来場者に見ていただくことができました。 モンゴルでの草の根無償の400件達成は,日本とモンゴル両国の交流が地道にかつ実り多く積み重ねられてきた一つの象徴とも言え,これまでの両国の交流が極めて順調に発展してきたことを改めて実感できる式典となりました。

展示コーナーの様子
(写真)
モンゴル各地から寄せられた感謝の手紙などを展示しました。
(写真)
東日本大震災で被災した日本の子供たちの絵画も展示しました。


「文明の十字路 ウズベキスタン」原稿執筆:在ウズベキスタン日本国大使館 中村 真一郎 一等書記官

ウズベキスタンは,ソ連邦の崩壊にともない誕生した国で,今年1月26日に日本との外交関係樹立20周年を迎えました。独立後は,14世紀にユーラシア大陸の中央部において,一大帝国を築いたアミール・ティムールの事跡など,民族のアイデンティティーの形成を重視しています。

ウズベキスタンの国土は日本の約1.2倍,人口は約2,955万人(2012年1月現在)で,30歳以下の若年層が人口の過半数を占める大変若い国です。 首都のタシケントはソ連邦時代にはソ連邦内の4番目の大都市であり,帝政ロシアやソ連の中央アジア統治の要として機能していました。 一人当たりのGNIは,1,270米ドル(2010年時点)程度ですが,教育水準は高く,ウズベク語(又はタジク語)と共にロシア語を解するバイリンガルが多く見られるとの歴史的「遺産」もあります。 ウズベキスタンは,発展途上にある国とはいえ,独立間もない頃から国家としての統治機能,都市機能は比較的整備され,文化水準も高い国です。

この地域には,古来,クシャン朝,ティムール帝国などの王朝が盛衰し,シルクロードの要衝として,様々な文物や文化の交流に重要な役割を果たしてきました。 ウズベキスタンにはサマルカンド,ブハラ,ヒバ,シャフリサブスの4都市に世界文化遺産が存在するなど,往時の面影を偲ばせており,観光立国としても大きな可能性を秘めています。

(写真)
古都 サマルカンド
(写真)
オアシス都市 ヒバ

日・ウズベキスタン関係は,要人の相互訪問,経済協力,文化交流などの様々な分野で発展してきています。 経済協力については,市場経済発展と経済・産業振興のための人材育成・制度構築支援,社会セクタ-の再構築支援(農業農村開発,教育,保健医療,環境など),経済インフラの更新・整備支援(運輸,エネルギーなど)及び地域協力の促進を重点分野として,円借款,無償資金協力及び技術協力を実施してきました(2010年までの累計総額は1,593.98億円)。

日本のODAに関しては,テレビ,ラジオや新聞などでもよく報道されており,政府のハイレベルから一般国民にまでよく知られ,感謝されています。 こうした日本のODAによる貢献もあり,ウズベキスタンは親日的な国と言われています。



「障害者が障害者を変える」原稿執筆:JICA障害者支援長期専門家 大野 純子 さん

4年前のことです。 タシケント市で暮らす障害のある一人の女性に,障害者のための研修に来ないかと声がかかりました。
講師は日本から来た障害者とのことですが,何のための研修かもわからず,気が進みません。
何年も前に福祉局からもらった車いすは大嫌いなので,一度も使ったことがありませんが,彼女は,1日だけ様子を見て,面白くなかったらやめればいいと思い,仕方なく車いすで出かけました。

それから3年,彼女は地域で暮らす若い障害者グループの中心的メンバーになっていました。
大嫌いだった車いすは,タイヤがすり切れるほど使い込まれています。
彼女の携帯は仲間からの電話で鳴りっぱなし。
父親が「家族と話す暇もないんだ」とこぼす始末です。

1年後の今年,新たな研修に参加した彼女は,障害者である日本人講師から教えてもらった方法を,近所に住んでいる障害のある男の子に試してみようと考えました。
その子も車いすを使ったことがありません。家に閉じこもり,人と会って話すのも好きではありません。

今回の研修で学んだのは,「相手の力を信じる」ということ。
彼女自身がそうだったように,この子もきっと車いすで社会に出て行くことができる。
そう信じて,彼の家を訪ねました。

その2週間後,彼は車いすで,彼女のグループの集会に参加しました。
4年前,日本の障害者が彼女を変えました。そして今度は彼女が,この男の子を変えたのです。

(写真)
日本の講師から研修修了書を授与される彼女
(写真)
男の子と談笑する彼女

***********

世界の障害者の数は人口の15%に上るといわれています。でも,小さな段差や人々の態度などがバリアとなって,障害者の多くが本来の能力を十分に発揮することができずにいます。 障害者がどんな問題にぶつかっているのかは,障害者自身が最も良く知っている,という考えに基づき,JICAはウズベキスタンをはじめとする開発途上国に日本から障害者講師を派遣し,現地の障害者のための研修を実施しています。

一人の人が勇気づけられ,まわりを変えていくのに,4年の歳月を要したのを,長いと見るか,短いと見るか。 ただ言えることは,一人一人が変わることで,社会も少しずつ変わっていくということです。障害のある人が暮らしやすい社会は,誰にとっても暮らしやすい社会なのではないでしょうか。



New!ODAホームページ新着情報
国際協力紹介テレビ番組「地球VOCE」
国際開発学主催イベント「ポストMDGs(ミレニアム開発目標)はどうあるべきか」(PDF)のお知らせ
「ODA出前講座」講師を派遣いたします!
第165回ODA出前講座 開催報告~神戸大学~
「経済協力調整員」募集のお知らせ(在ウガンダ大使館)(6月1日締切)
NGO外務省定期協議会 平成24年度「全体会議」開催(6月12日(火曜日))のお知らせ
G8首脳会合
ポスト・ミレニアム開発目標(MDGs)コンタクト・グループ第3回会合の開催
中野特派大使(外務大臣政務官)の東ティモール訪問について(概要)
山根外務副大臣のウズベキスタン共和国訪問(概要と評価)
岡田副総理のバングラデシュ,スリランカ訪問(概要)
日本国総理及びペルー共和国大統領による日ペルー首脳会談を踏まえた共同プレス発表
キン・アウン・ミン・ミャンマー民族代表院議長他一行による野田総理表敬
ケレンベルガー赤十字国際委員会(ICRC)総裁の来日
玄葉外務大臣の北大西洋条約機構(NATO)シカゴ首脳会合に際して開催されるアフガニスタンに関する会合への出席
コモロ連合における洪水被害に対する緊急援助について
シリア・アラブ共和国における政情不安により発生した難民等に対する緊急無償資金協力について
ベトナムに対する防災・災害復興支援無償「第二次中部地方橋梁改修計画(3/3期)」に関する交換公文の署名について
パキスタンに対する一般文化無償資金協力に関する交換公文の署名式について
ナイジェリアに対する環境・気候変動対策無償資金協力「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」に関する書簡の交換について
ヨルダンに対するテロ対策治安無償資金協力「アル・カラマ国境治安対策強化計画」に関する書簡の交換について
ガーナに対する無償資金協力「アッパーウエスト州地域保健施設整備計画」及び「人材育成奨学計画」に関する書簡の交換について
大臣動画(玄葉外務大臣の南西アジア・中東・アフリカ訪問・第4回TICAD閣僚級フォローアップ会合出席(前半))
ODAメールマガジンは,ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けします。
また,外務省ホームページODAコーナーでは,新着情報を次々と更新しておりますので,是非ご覧下さい。
ODAホームページ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html


編集・発行 外務省国際協力局(〒100-8919 千代田区霞が関2-2-1)

ODAメールマガジンをご利用いただきありがとうございます。
本サービスの登録,削除及び電子メールアドレス変更は,下記の画面にて受け付けております。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/mail/index.html
このODAメールマガジンの内容について改善していきたいと考えておりますのでご意見・ご要望がありましたら,こちらからどうぞ。
ご意見メール
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/

バックナンバートップへ戻る
Copyright(C): JAPAN Official Development Assistance

Adobe Acrobat Readerダウンロード Adobe Systemsのウェブサイトより、Acrobatで作成されたPDFファイルを読むためのAcrobat Readerを無料でダウンロードすることができます。左記ボタンをクリックして、Adobe Systemsのウェブサイトからご使用のコンピュータのOS用のソフトウェアを入手してください。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る