広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2012年3月7日発行 第224号

ODAメールマガジン第224号は,ケニア共和国からの,「ケニアの紹介-豊かな自然と膨張する都市を抱えた東アフリカの玄関口-」「平和な選挙へ向けた取り組み」をお届けします。


ケニア共和国

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「ケニアの紹介-豊かな自然と膨張する都市を抱えた東アフリカの玄関口-」原稿執筆:在ケニア日本国大使館 秋山 義典 二等書記官

Jambo!(スワヒリ語で「こんにちは」)皆さんはケニアにどういうイメージを抱いているでしょうか。 本稿では,ケニアの国柄について簡単に紹介したいと思います。

ケニアは,日本の約1.5倍の国土面積と約4,000万人の人口を有する,インド洋を東南側に臨む東アフリカの国です。 まずケニアの国旗に使われている色が持つ意味を通じて,ケニアの歩んできた歴史を垣間見ることができます。 現在の国旗は1963年のイギリス植民地からの独立の際に制定されました。 黒は,ケニア人の肌の色への誇りの表れとして,ケニアの「人」を象徴しています。 赤は,独立を勝ち取るために流された「血」を,白は「平和」を表しています。 そして中央の紋章は,マサイ族の盾と槍を配しており自由と独立を象徴しています。


ケニアの国旗

残った色である緑は豊かな「自然」を表しています。 ケニアはアフリカ第2位の高さを誇り世界遺産でもある標高5,199メートルのケニア山から標高0メートルのインド洋沿岸地域まで,高低差実に約5,000メートルに渡り,内陸にはプレートの境目であり落差100メートルを超える場所もあるグレート・リフト・バレー,世界第3位(約68,800 平方キロメートル,四国3.7個分に相当)の面積を誇るビクトリア湖など,地域毎に変化に富んだ地形を楽しむことができます。

マサイマラ国立保護区など多様な野生動物が生息する地域も数多く見られ,これらは重要な観光資源にもなっています。 もともと乾燥・半乾燥地帯の地方が多いため,森林面積は国土の約10%ほどでしたが,近年は伐採などにより約1.7%と非常に少なくなっており,大きな課題となっています。

(写真)
ケニア山中腹より山頂を望む
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バッファローの群れ(マサイマラ)

また,ケニアは,海に面しているなどの地理上の利点を持つとともに,周辺各国の中で政治的に比較的安定し堅調な経済成長を果たしていることから,東アフリカ諸国への物流や人の移動の多くが経由する,地域のゲートウェイの役割を果たしています。

その首都であり最大の都市であるナイロビ(人口314万人)はモノやヒトの流入が顕著となっており現在急速に都市化が進んでいます。 しかしそれゆえ,インフラや制度の整備が追いついておらずさまざまな問題が生じています。 その一つが交通渋滞です。

ナイロビの道路インフラは市内の交通はもとより,インド洋沿岸にあるモンバサ港から内陸国への物流を担う大動脈の要衝としての機能を担っていますが,人口や車両数の増加,信号などの交通インフラの不足や交通マナーの悪さ(特にマタツと呼ばれる小型バスなどが強引に割り込んだり,歩道を走行したりしています)に加え,環状道路が分断され物流幹線道路が市内中心部を通過するなど非効率的な道路配置になっていることなどにより,交通渋滞は深刻化の一途をたどっています。

また,道路の維持管理も十分でないことから道路の損傷が急速に進行し至る所で穴やひび割れが生じ,それによりまた新たな交通渋滞や事故が引き起こされてしまっています。

(写真)
東アフリカの物流拠点であるモンバサ港
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ナイロビ市内中心市街地(中央円筒形建物がジョモ・ケニヤッタ国際会議場)
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ナイロビ近郊にある国立公園内より中心市街地を望む
(写真)
ナイロビ市内の深刻な渋滞状況

そのような状況の下,日本はナイロビ都市圏の交通網改善を目的とした調査を行い,2006年に交通整備のマスタープランを策定しました。 現在ナイロビでケニア政府や各ドナーからの資金により整備が進められている道路インフラは基本的にこのマスタープランに沿って行われています。

日本も現在無償資金協力である「ナイロビ西部環状道路建設」プロジェクトを実施中であり,分断された環状道路を接続し,道路のネットワーク化を促進することによって渋滞が緩和されることを目指しています。

(写真)
ナイロビ西部環状道路建設現場

また,専門家を派遣し,補修計画策定能力の強化,維持管理マニュアルの策定,新たな補修技術の導入など日本の道路維持管理に関するノウハウを技術移転するプロジェクトも行っており,ハード,ソフト両面から支援しています。

(写真)
道路管理維持管理マニュアルの引渡し式典

本稿では,道路分野に関する日本の支援を紹介させていただきましたが,他にもエネルギー,環境,農業,教育,保健などを重点分野として定め,日本の対ケニア支援がケニアと日本の友好的な二国間関係を形成する手段となる様,取り組んでいます。

Kwaheri ya kuonana.(スワヒリ語で「それではまた。」)




「平和な選挙へ向けた取り組み」原稿執筆:在ケニア日本国大使館 河野 久 経済協力調整員

皆さんは,ケニアという国にどのようなイメージを持たれているでしょうか。恐らく,明るく陽気な人々,広大なサバンナや,そこを闊歩するキリンなどの野生動物のような牧歌的で平和な国とのイメージを持たれているのではないかと思います。 事実,ケニアは1963年の建国以来,紛争が殆ど起こったことのない,アフリカで最も安定した国の1つでした。

しかし,2007年12月に行われた大統領選挙で,与党国家統一党(PNU:Party of National Unity)のキバキ大統領がオレンジ民主運動(ODM:Orange Democratic Movement)のオディンガ首相に競り勝ち,再選を果たしたのですが,この選挙結果を巡り与野党の対立が発生し,更にケニア内に根強く残っていた国内部族間の対立が火種となって,死者約1000名,国内避難民約30万人の大暴動(ケニア選挙後暴動)が発生しました。

コフィ・アナン国連前事務総長がPNUとODMの仲介に入り,連立政権が発足し,事態は一応の収束をみましたが,この被害は発生から4年あまり経った2012年現在でもケニア社会のあらゆる分野に大きな爪痕を残しています。 例えば,選挙後暴動により発生した国内避難民の問題は,未だに解決されていません。

また,2007年には実質GDP成長率7.0%を記録し,更なる成長が期待されていたケニア経済ですが,暴動後の2008年にはGDP成長率は1.7%,2009年には2.6%と大幅に落ち込みました。 また, 2011年の経済成長率も4.3%程度と,回復基調にはあるものの暴動前の経済成長率の水準を回復するに至っていません。

このような悲劇を二度と繰り返さないために,日本を含めた国際社会はケニアで行われる選挙を平和裡に行う為の支援に取り組んでいます。

(写真)
ドナー共同記者会見

2010年には上述の連立政権により,ケニア建国以来懸案となり続けていた憲法改正の為の国民投票が行われました。 その際にケニア政府は日本からの支援を活用して,テレビ・新聞などを通じて国民に新憲法の内容を正しく周知させる, 市民教育プロジェクトを行いました。 テレビを利用した市民教育は, ケニア国民の間でも非常に関心の高かった2010年南アフリカ・ワールドカップ中継のCMで流されたため,非常に反響の大きいものとなりました。 選挙は平和裡に行われ,ケニアの新憲法が採択されました。

また,新憲法の施行をスムーズに行う為,2012年に行われる予定の総選挙の為のメディアを使用した市民教育プロジェクトが2012年の3月から開始されます。 このプロジェクトは,テレビ,ラジオ,新聞広告及び市民教育専用ウェブサイト等前回のプロジェクトより多くのメディアを有機的に組み合わせて,国民,特に政治に関心の薄い若年層を対象に,新憲法及び次回選挙に関する教育を行うものです。 今後,本プロジェクトが憲法施行及び総選挙のスムーズかつ平和裡な実施に貢献し,ケニア繁栄の一助となれるよう望んでいます。

(写真)
投票所の様子



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