広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2012年2月22日発行 第223号

ODAメールマガジン第223号は,国際協力紹介番組「地球VOCE(ヴォーチェ)」の取材でスリランカ民主社会主義共和国を訪れた藤原紀香さんからのレポートと,タイ王国からの,「タイ洪水被害・復興支援」「国際緊急援助隊(排水ポンプ車隊)の活動を終えて」,そして「「玄葉外務大臣と語る」参加者募集中」をお届けします。


スリランカ民主社会主義共和国,タイ王国

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「藤原紀香さんのテレビ番組「地球VOCE」スリランカ現地レポートを体験して」

今回,私はインド洋に浮かぶ島国・スリランカに行ってきました。2009年,長年続いた内戦が終わり,貧しかったこの国もようやく発展へのスタートを切ることができました。 今回の番組現地レポートではスリランカの自立を支援してきた日本,そして「私たちは世界とともにある!」と,前回訪れた東ティモール・インドネシアに続いて,強く感じることが出来ました。

皆さんは知っていますか?スリランカは“光り輝く島”という意味をもち,その自然の豊かさから「インド洋の真珠」とも言われているんです。 南部のゴール地方は古くから貿易都市として栄え,ポルトガル人たちが16世紀に築いた砦があります。この砦は世界遺産にも登録されているんですよ!

しかし,2004年12月。この国を襲ったのが,スマトラ沖地震による大津波でした。昨年,日本に未曾有の被害をもたらした東日本大震災と同じく,町に,そして人々の心に深い爪痕を残しました。死者・行方不明者は約3万5千人と聞いています。

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今回の訪問で分かったこと,それは,この津波被害に対しても日本が多くの支援を実施していたということです。 その支援の中で,高台に建設された学校を訪れました。 以前の学校は海岸近くにあったため津波の被害を受け,さらには授業を再開しようとしたところ,不安を感じて通うことが出来ない生徒たちもいたそうです…… ここで出会った16歳のチャメシュくんは,津波に流されましたが奇跡的に生還。 彼は今,心の傷を乗り越えて,「将来は医者になって,人々を助ける仕事をしたい!」と,夢に向かって努力を始めていました。生徒たちが安心して学校に通えるようになっている姿を見て,なんだかすごく心が熱くなりました!

また,冒頭でも触れた内戦の影響から,今,人々の生活の安定が課題となっています。 民族対立から起きた内戦は26年も続き,一時は30万人もの避難民を発生させました。

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スリランカ最古の都からわずか1時間の所にある町ワウニヤでは,内戦で家を失った人々のため,仮設住宅の建設支援が行われていました!家もなにもない,まさにゼロの状態は本当に辛いものです…… 私たちが普段当たり前のように感じていること,住む場所を持つということは,ここの人々にとって生きる希望そのものなんです! 他にも今回の番組現地レポートを通じて漁村再生,農村開発,障害を持つ子供への支援など,様々な分野で活躍する日本人と出会うことが出来ました。本当に誇らしかったです!

まだまだ世界には,支援を必要とする国々が沢山あります。 私たち日本人は,東日本大震災後,世界中から受けた温かい支援の数々を決して忘れてはいけないと思います。 世界はひとつ。私たちひとりひとりが,世界とともにあることを,これからも地球VOCEを通じて伝えていきたいと思います。




「タイ洪水被害・復興支援」原稿執筆:在タイ日本大使館 林 良太郎 二等書記官


私が赴任する場所は,大きな地震が起きたり豪雨災害があったりとなぜか災害が多いのですが,昨年3月にバンコクに赴任して,早速災害が起こってしまいました。 日本国内でも報道をご覧になった方が多いと思いますが,昨年タイは50年ぶりとも70年ぶりとも言われる洪水に見舞われました。 「首都機能麻痺」などといった日本の報道とは異なり,実際にはバンコク中心部に水は到達しませんでしたが,世界遺産のアユタヤ遺跡が浸水し,日系企業が多く入る工業団地も冠水して大きな被害を受けました。被災された方々には,心よりお見舞い申し上げます。

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冠水したドンムアン空港(バンコク)

このような状況を受けて,日本政府からタイ政府に対して様々な支援を行ってきました。洪水発生当初には,テント,仮設トイレなど緊急に必要となる物資の供与や,上水道,地下鉄,空港といった過去に日本のODAで整備されたインフラの洪水対策アドバイスのために専門家派遣を行いました。

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インラック首相への支援物資引渡し

徐々に水が引いてきた復旧フェーズには,排水ポンプ車による排水活動を各地で行ったほか,透析患者用の生理食塩液,感染症予防のための殺虫剤などの資機材を供与しました。 また,被災して操業できなくなっている日系企業が日本での代替生産を行うため,被災企業のタイ人従業員の日本での就労を一時的に受け入れることにしました。

そして,今後の洪水に備えた長期的対策として,JICAが1999年に作成したチャオプラヤ川流域の洪水対策マスタープランのアップデートを行うことになりました。 まず詳細な地形データを整備し,その上で,放水路などの必要なハード対策と,土地利用規制,洪水予測・早期警報システムなどのソフト対策を検討して,2013年6月までに新しいマスタープランを作成する予定です。 治水のエキスパートであるJICAの竹谷客員専門員が,タイ政府の洪水対策の委員会の顧問となっていることもあり,タイ政府と一体となって実効性のあるマスタープランができると確信しています。

今回,このように多くの支援及び長期的対策の立案のための協力を,タイ政府が日本に要請することになった背景には,これまでインフラ整備を中心に我が国が多くのODAを供与してきたこと,そしてそれらが日本の利益ではなくタイのことを考えた支援であったことが,現在の信頼につながっているためではないかと思います。

昨年は,東日本大震災とタイの大洪水で両国がお互いに助け合い,災害時には迅速な支援がとても重要であることを再認識しました。 そこで,日本の地方自治体間などで結ばれているような支援協定を両国間で締結するのも有効な手段だと考えています。 今後も,日本とタイがパートナーとして友好関係を築いていくために,真にタイのためになる経済協力を続けていきたいと思います。




「国際緊急援助隊(排水ポンプ車隊)の活動を終えて」原稿執筆:JICAタイ事務所 内田 東吾 企画調査員


2011年12月23日,32日間に亘る排水作業を終えた国際緊急援助隊(緊援隊)専門家チームのメンバーは,活動終了式典において,タイ国工業省が準備した活動記録のスライド写真に見入っていた。

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レムチャバン港に到着した排水ポンプ車

去る11月18日,バンコクから2時間ほど離れた場所にあるレムチャバン港に,待ちに待った排水ポンプ車10台が到着した。 日本の国有資産である国土交通省の排水ポンプ車は,東日本大震災後の活躍など,日本国内での実績は数多くあるものの,海外での活動はもちろん初めて。 日本のナンバープレートを付けたままの車両が,港に並んだのを目にした時は,感動と期待の気持ちがこみ上げてきた。

それから一か月強,10台の排水ポンプ車は3班に分かれタイ側作業員と排水作業にあたり,東京ドームの約6.5倍に相当する総計810万立方メートルの排水を行った。 コミュニケーションが難しい中での共同作業だったが,マンガによる手順の説明や毎日行われた朝礼でグループ内の風通しを良くし,現地で入手できる資材で安全確保の工夫をこらすなど,状況に適応した対応を行った結果,無事故で活動を終了することができた。

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マンガを使った作業手順の説明
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毎朝体操をしてから作業を開始

今回の緊援隊活動は,様々な要因を考慮して実施しなければならなかった。 排水ポンプ車の機能性や排水能力に疑いの余地はなかったが,日本とは異なる環境で,しかも広範囲に及ぶ洪水でタイ国内が混乱する中,確実に成果を出すための準備や調整は容易ではなかった。 堤防は急激な水位低下に耐えうるか,水質に問題は無いか,排水先が新たに浸水したりしないか,また,広大な被災地域のどこから着手し,事務局をどこに設置し,次にどこに移動するべきかなど,一刻も早い復旧を願い焦る気持ちを抑えつつ,日々変化する状況を冷静に把握し,タイ側の様々な関係者と綿密に協力しながら,一つ一つ被災地域の排水活動を進めていった。

日本の緊援隊専門家チームの構成は,作業の安全性や効率性を考え,官民合同の専門家集団となり,事前の調査団も含めて,延べ51名が派遣された。 排水活動を指揮する国土交通省職員,排水ポンプ車を開発・製造した株式会社クボタの機材エンジニア,現場の作業管理を担う建設会社(株式会社大林組,鹿島建設株式会社,株式会社竹中工務店,西松建設株式会社,清水建設株式会社,三井住友建設株式会社),そして全体の調整を担うJICAスタッフ。それぞれの所属を超え,一つの目標に向けて全力で駆け抜けたという思いがある。

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工業団地の対策本部でタイ側と排水計画に関する協議
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毎晩開催された緊援隊事務局での会議

活動終了式典のスライドショーでは二つの曲が流れていた。 一つは東日本大震災の際,タイから日本に対して贈られた応援歌,もう一つは,宮城県の石巻市から,洪水で苦しむタイの人々への応援メッセージとともに贈られた歌だ。 今回の緊援隊活動を通じ,日本のODAの一端を担う者として,誇りと使命感を強く感じるとともに,日本とタイの二つの国とそこに住む人々との今後の関係に,一つの明るい希望を見出すことができた。 様々な専門性を持って集まった緊援隊専門家チームのメンバーも,皆同じように感じていたのではないかと思う。

ありがとう,がんばろう。日本・タイ!!

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「玄葉外務大臣と語る」参加者募集中

外務省は,「玄葉外務大臣と語る」を3月17日(土曜日)13時から,愛知県及び名古屋市の協力を得て,名古屋市中小企業振興会館「メインホール」(愛知県名古屋市)にて開催します。

このイベントには,玄葉光一郎外務大臣が出席し,基調講演を行うとともに,参加者からの質問に答えます。

現在,参加者を募集中です。外交問題に関心のある多くの方のご応募をお待ちしております。

参加申込み方法等詳細は,外務省ホームページ>イベント・募集案内
のタイトル「玄葉外務大臣と語る」をご覧ください。


日時:
平成24年3月17日(土曜日)
13時00分~14時00分(予定)
会場:
名古屋市中小企業振興会館 「メインホール」
愛知県名古屋市千種区吹上2-6-3
テーマ:「これからの日本外交」
登壇者:玄葉光一郎 外務大臣
入場:事前申込み制(申込み締切りは2月29日(水曜日))。
申込み多数の場合は抽選となります。
参加の可否については,3月5日(月曜日)以降にハガキにて通知いたします。
定員:300名
主催:外務省
協力:愛知県,名古屋市


New!ODAホームページ新着情報
国際協力紹介テレビ番組「地球VOCE」
第92回(2月3日放送)「スリランカ初の高速道路は日本製!」
第93回(2月10日放送)「日本がお手本!分別回収」
「ODA出前講座」講師を派遣いたします!
平成24年度「NGO研究会」受託団体の募集(公示期間:2月15日~3月5日)
外務省経済協力専門員(緊急・人道支援関係業務)の募集(2月24日締切)
外務省経済協力専門員(気候変動交渉の法的側面等)の募集(2月29日締切)
外務省経済協力専門員(ODA評価室)の募集(3月5日締切)
外務省国際平和協力調査員の募集(3月5日締切)
任期付外務省職員の募集(経済協力分野(在アンゴラ大使館))(2月28日締切)
2012年度(平成24年度)JPO(ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー)派遣候補者選考試験募集要綱
ペットボトル・キャップの定期回収を通じたワクチン支援について
平成23年度日本NGO連携無償資金協力(地域・国別実績)
防災関係者招へい事業のオリエンテーションにおける山根外務副大臣挨拶
パメラ・コックス世界銀行副総裁(東アジア大洋州担当)による中野外務大臣政務官への表敬
ネパールに対する一般無償資金協力「シンズリ道路建設計画(第三工区)」に関する書簡の交換について
ルーディン・アフガニスタン外務副大臣の玄葉外務大臣への表敬
エジプトに対するノン・プロジェクト無償資金協力に関する書簡の交換について
浜田外務大臣政務官とベン・アベス・チュニジア共和国外務大臣付国務長官との会談
ギニアビサウ共和国に対する無償資金協力「ビサウ市小学校建設計画」に関する書簡の交換について
ギニアビサウにおける大統領選挙に対する緊急無償資金協力について
トーゴに対する環境・気候変動対策無償資金協力「マリタイム及びサバネス地域村落給水計画」に関する書簡の交換について
タンザニアにおけるカナダ政府主催民軍協力コースへの講師派遣
セズィベラ東アフリカ共同体(EAC)事務局長による山根副大臣表敬
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ODAホームページ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html


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