広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2012年1月11日発行 第220号

ODAメールマガジン第220号は,ベトナム社会主義共和国からの,「「昇龍」となれるか!? ベトナムの正念場」と,「ベトナム法整備の現場から」をお届けします。


ベトナム社会主義共和国

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「「昇龍」となれるか!? ベトナムの正念場」原稿執筆:在ベトナム日本国大使館 古土井 健 一等書記官

新年の話題に欠かさず上るのが,今年の干支。今年は辰年です。 ベトナムの首都ハノイはその昔「昇龍」を意味する”Thang Long”という名称でしたが,その名にふさわしい発展を遂げることができるか,まさに正念場を迎えます。
(ちなみに昨年の干支は「卯(うさぎ)」でしたが,ベトナムでは「猫」です。 なお,今年のベトナムの元旦は1月23日です。)

昨年のベトナムは変革の年でした。5年に一度の共産党大会が行われ,新しい党の体制(チョン新共産党書記長等)が決定され,その後の国政選挙,新国会でのサン新国家主席,ズン首相(留任),フン新国会議長,各閣僚等の選出が行われました。 長期的な政策として,社会経済開発10カ年戦略,社会経済開発5カ年計画等今後のベトナムの発展の鍵となる各種の計画が年間を通じて策定されました。 今年はそれらを実現するため,具体的に実行する年となります。

ベトナムはASEAN第三位の人口約8,579万人(2009年4月時点)を誇り,平均年齢も27.4歳(2010年CIA the World Factbook。ちなみに我が国は44.6歳)と若く,識字率も90%以上と高い水準にあり,活気にあふれ,今後の発展が容易に想像されます。 一方,マクロ経済に目を転じると消費者物価指数上昇率18%と極めて高いインフレ状態にあり,一人あたりGDPは1,168米ドル(2010年名目)となり,中所得国入りを果たしたものの,貧富の差も確実に広がっています。 さらに,慢性的な電力不足,都市部の深刻な交通渋滞等社会的な課題も大きくなっています。

今後,これらの問題を解決し,ベトナムがポテンシャルを十分に活かし,ASEAN諸国の雄としての活躍ができるよう,経済基盤として欠かせない電力,道路,港湾といったインフラ整備への支援やベトナムが目指す工業国化の後押し等ソフト面からの支援も行うなど,我が国も当地最大のドナー国としてベトナム政府・国民に協力をしていきたいと考えています。

(写真)
対ベトナム円借款交換公文署名式(2011年10月31日)(写真提供:内閣広報室)
(左からヴィン計画投資大臣,ズン首相,野田総理,谷﨑駐ベトナム大使)

当地での日本からのODAについては,国民に広く認識されています。プライベートでハロン湾やホーチミンに旅行した際にも観光ガイドより,この橋や道路は日本からの援助で造られたのです,という説明をきくなど,担当者として非常に嬉しく感じることも多くあり,やりがいを感じます。

現在日越間は要人往来が多く,ベトナム国民も非常に日本に好意的です。 昨年3月の震災時の際にもズン首相はじめ閣僚のほとんどが,また,一般市民の方々も長い列をなして弔問・募金のため日本大使館を訪れました。 私も多くのベトナム人から励ましの言葉を頂きました。 今後もより互いを支え合う両国関係が発展するよう大使館一同取り組んで参ります。




「ベトナム法整備の現場から」原稿執筆:JICA長期派遣専門家(チーフアドバイザー) 西岡 剛 さん(法務省・検事出身)

まず,このタイトルをご覧になって,「法整備とODAって何か関係があるの?」って思われる人がいるでしょうね。

日本のODA,つまり政府開発援助は,橋や道路といったインフラ整備への協力というイメージが強いかもしれません。 しかし,日本は,ODA予算を活用して,制度構築や人材育成というソフト面に対しても協力を行っているのです。 そして,ここベトナムでも,制度構築・人材育成支援のための法整備プロジェクトを実施しているのです。 実は,この法整備支援,ベトナムでは1996年から続いている非常に息の長い歴史のある支援対象なのです。 現在,JICAは,日本から法律専門家3名(裁判官,弁護士及び検察官)と業務調整専門家1名の合計4名をベトナムの首都ハノイ市に派遣し,プロジェクトを実施しております。

ベトナムにも,憲法,民法,民事訴訟法等基本的な法律は存在しております。 ただ,これらの法律が市場経済に適合したものでなかったり,契約や民事訴訟手続きの場面において,国家の関与が色濃く残っていたりするので,日本人の視点から,ベトナムの法律の改善点を指摘し,ベトナム人と共に議論するなどして,ベトナムの法改正を手伝っているのです。 また,一部制定されていなかった法律については,その制定作業から日本は協力しました。

(写真)
これは,民法改正作業のためのワーキングセッションの様子です。
日本側とベトナム側との真剣な議論の様子を覗うことができるかと思います。

ここで,これを読まれている方は,「どうして,日本がベトナムの法整備を手伝う必要があるの?」と思われるかもしれません。

ベトナムは,1986年のドイモイ政策により,計画経済国から市場経済国へ移行することになりました。 その際,ベトナムは,従来からの市場経済国である日本からのアドバイスを必要としたのです。 また,日本は,明治維新後,西洋の法律を積極的に学び,日本独自の法文化を発達させてきました。 ベトナムは,このような日本の経験を吸収したいと思ったのです。 それに,アジアという同じ地域の国同士であることから,ベトナムは,日本に対して親近感を持っています。 それは日本も同じだと思います。このような理由から,日本はベトナムの法整備に協力しているのです。

次に,「日本は,ベトナムでどんな法律を作るのに協力してきたの?どんなことやっているの?」と思われるかもしれません。

これまで,日本は,ベトナムの民法・民事訴訟法及び刑事訴訟法の改正作業,民事判決執行法・国家賠償法・行政訴訟法の制定作業に協力してきました。 このような協力以外にも,地方の法律家の能力向上のための活動にも協力しております。

その一例として,ハノイ市から東に約120キロメートル離れた地方都市であるハイフォン市において,同市の検察官・裁判官及び弁護士等法律家の能力向上のためのセミナーを開催しています。 このハイフォン市での活動は非常に活発(この半年間で約15回のセミナー等の開催)で,犯罪捜査の手法,警察と検察との協力関係,公判廷における裁判官,検察官及び弁護人らの役割等ベトナムの刑事手続きにおける各種問題点を討論し,必要に応じて日本人専門家から日本の制度を紹介しております。 皆さんのセミナーに望む姿勢は真剣そのものです。ここに掲載してある写真はハイフォン市人民検察院でのセミナーの一コマです。 この写真をご覧になると,真剣に話を聞く参加者,真剣に自分の意見を発表する参加者らの様子がよく分かるかと思います。

(写真) (写真)

ところで,「法整備プロジェクトの目的は何なの?」と思われる人がいるかもしれません。

法整備支援において協力している活動として挙げられるのは,法律を作るための活動,その法律をより正しく運用して社会に定着させるための活動,その法律を運用する法律家の能力を向上させるための活動などです。法整備支援においては,こうした一連の活動に協力することが非常に重要なのです。 実際にすばらしい法律ができても,それを運用する法律家の能力が不十分であれば全く意味はありません。 ですから,日本は,より良い法律を作ること以外にも,それを運用する法律家の能力を向上させるための活動にも協力しているのです。

ベトナムで法律がより正しく運用されることになれば,そこで暮らすベトナム人だけでなく,日本人を含めたすべての外国人も安心して暮らすことができることになります。 人々が安心して暮らせる社会を確立させるためには,法整備は必要不可欠です。 今,多くの日本人がベトナムで暮らしております。 こうした日本人を含めた誰もが安心して暮らせる社会の実現を目指し,法整備支援は実施されているのです。 これは一朝一夕で実現できるものではなく,息の長い,かつ粘り強い努力が必要となってきます。 だからこそ,ベトナムへの法整備支援は,15年という長い間続けられているのです。 私たちJICA長期専門家は,ベトナムと日本が最高のパートナーとなることを目指し,日々,ベトナムの法整備に協力しております。

(写真)
これは,セミナーを終了した後の集合写真です。まさに日越友好の瞬間です。



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