広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2011年12月21日発行 第219号

ODAメールマガジン第219号は,モルディブ共和国からの,「モルディブからの恩返し」と,「モルディブの美しい海,永遠に!」をお届けします。


モルディブ共和国

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「モルディブからの恩返し」原稿執筆:在スリランカ日本国大使館 大須賀 寿樹 二等書記官

モルディブはインド,スリランカの南西に位置し,1200もの島々からなる常夏の島嶼国です。 総面積にして淡路島の半分ほどの国土(約300平方キロメートル)に約32万人が暮らしています。 このうち,人口の3分の1の約10万人が首都マレに集中しています。

モルディブと言えば,ハネムーンなどで日本からも観光客が多く訪れ,珊瑚礁の島の水上リゾートホテルといったイメージを思い浮かべる方もいらっしゃるかと思いますが,首都マレについては官公庁や民間企業のビルが建ち並ぶ過密都市です。 国際空港のあるフルレ島から見るマレ島は,遠い水平線まで青々と広がる海の中にビルの波が揺らめき,そのアンバランスさはとても神秘的です。

また,街中でふと立ち止まり周りを見渡せば,淡い水色やピンクといったパステルカラーのレストラン,衣料品店,小物店などの建物が立ち並び,まるでおとぎの国に迷い込んだ気分になるほどです。

まだ記憶に新しいかと思いますが,2004年12月26日のインドネシア・スマトラ沖地震により発生した津波はモルディブ全域を襲い甚大な被害を与えました。 この津波は人口が集中する首都マレ島にも例外なく到達し,港湾施設などの多くのインフラが破壊されました。

このとき,我が国が1987年から2003年まで5期に分けて支援を実施し整備された護岸がこの津波による被害を最小限にくい止めたと言われています。 この護岸は,直接的に津波からマレを守っただけでなく,首都の行政機能が維持されたことから,その後の復興支援が円滑に進みました。そのため,モルディブに住む多くの人々に感謝されています。

また,我が国はいち早く2005年1月にも津波ノン・プロジェクト無償を供与し,漁業や農業,地方行政などの分野においてモルディブ政府が進める復興事業を支援しました。 さらに,2006年にはモルディブに対する初の円借款である「モルディブ津波復興計画」を供与し,この津波で被害を受けた港湾・下水道といったインフラの復興を行いました。

(写真)
津波からマレを守った日本のODAの防波堤
写真提供:塚本真喜/JICA

それから7年が経過し,本年3月11日に我が国を襲った東日本大震災に際して,モルディブは,今度は自分たちが日本に恩返しをする番だと,モハメド・ナシード大統領やモハメド・ワヒード副大統領からのお見舞いのメッセージ,閣議での黙祷,マレ市民2万人が参加した被災者支援・連帯を示すためのウォーキング,義援金を募る24時間テレビの放映,義援金や60万個を超えるツナ缶の提供など様々な支援を寄せてくれました。 この義援金を寄付された方の中には,地方島から2時間以上かけて15ルフィア(約100円)を寄付しに来てくださった80歳以上のお年寄りもいらっしゃったとのことです。

4月5日には追悼式及びツナ缶引渡式が開催され,ナシード大統領,ナシーム外務大臣等の閣僚ら計約150名が出席しました。 この様子は国営放送で生中継され,多くのモルディブの人々が追悼の思いを共有しました。このツナ缶は被災地に随時配布されています。

(写真)
マレで開催されたツナ缶引渡式の様子
(左から2番目ナシード大統領,右から2番目高橋前大使)

これらモルディブからの支援は,過去40年にわたる我が国のモルディブへの支援の感謝の気持ちの表れであり,今後ともこの友好関係が継続・発展していくことを願ってやみません。




「モルディブの美しい海,永遠に!」原稿執筆:JICAモルディブ支所 築山 佳代子 企画調査員(ボランティア)

地球温暖化が懸念される近年,地球上の小さな島から成っている国がなくなってしまうのではないか,ということが話題になっています。 海の美しさで世界中に有名なモルディブもその一つ,50年後には海に沈んでしまうのではないか,とも言われています。 モルディブはまだ開発途上国であり,国内の環境教育や運動は先進国ほど活発とは言い難く,一部の青年たちが活動している「気候変動対策」等のNGOがあったり,我が国のODAによっても太陽光を利用した発電システムへの支援等は行われていたりしますが,それらが国民全体に浸透しているかというと,実際には彼らの環境への意識や知識はまだ低いものです。

現地の人にもよく知られているのは,国際協力機構(JICA)から派遣されている青年海外協力隊。 1983年から累計約300人の協力隊員があらゆる分野で,現地の人々と協力してきています。 協力隊が派遣されている島,あるいはかつて派遣されていた島へ行くと,大概地元の人が寄ってきて,「俺には日本人の友達がいるんだ。野菜の作り方を教えてもらって,今でもトマトを作ってるよ」とか,「私の親友は○○子。 一緒に仕事した時に,ピアニカを教えてもらい,今でも時々授業で生徒に教えるわ」等々,声をかけられることは珍しいことではありません。

2009年6月から2011年3月まで派遣されていた日本の教員現職参加制度で派遣されていた神奈川県の桜田杏子さんもその一人。 人口700人ほどの住民で,20分で島一周できるケヨドゥ島のケヨドゥ・スクールで体育,音楽を教えていました。 桜田さんのおかげで,この小さな小学校の児童がマット運動や組体操,縄跳びを実施し,リコーダーを吹けるようになりました。 日本の子どもたちにとってそれらができるのはごく普通のことで,珍しくもなんともないことですが,モルディブの学校では,器械体操や楽器を教えることができる先生が存在せず,それらを知らずに卒業してしまう児童がほとんどなのです。

さて,桜田さんにはそれらのメインの授業の他に課外活動として,こちらでの任期中やり通したことがあります。 島の「ゴミ拾い」です。桜田さんは赴任してモルディブの海の美しさに感動したのと同時に,島の人たちがペットボトルや飴の包み紙を道や海にポイポイ捨てる光景を目の当たりにしたときは大変ショックを受けました。

(写真)
島イベント後の会場(ゴミの状態)

「島のゴミ拾いをやろう!」
そう決意した日から毎日,2年間島のゴミ拾いを続けました。 最初は授業が始まる前の早朝に行っていましたが,早朝では島の人が気付かぬうちにごみがなくなっているので,現地の人へ「これはあなたたちの問題なのですよ」という意識付けができないことに気づきました。 そこで桜田さんは大勢の人が見ている時間や場所でパフォーマンス的にやることにしました。 港などでやると,嫌でも島民の目に入るので,次第に島民の意識の中に刷り込まれていったようです。

(写真)
ゴミ拾い後の集められたゴミとモルディブの青い海

学校の授業でも生徒と一緒に何度かゴミ拾いを行いました。 桜田さんがうまく指導したおかげで子どもたちはゲーム感覚で楽しみながらゴミ拾いしました。 保護者の中には自分の子どもにそのような汚い作業をさせたくない,と思っている方もいたようですが,そこは桜田さんが島民との関係をうまく築いていたので,最終的には納得してくれました。

(写真)
ゴミ拾いをする島の児童
(写真)
ゴミ拾い後の島の児童の笑顔

ゴミ拾いを始めて約1年経った頃,島役場が自分たちの意志で公共のゴミ箱を購入。 その供与式には桜田さんも招待されました。 桜田さんの地道な活動に島の人たちが心を動かされたようです。小さな毎日の積み重ねが,現地の人を変えたのです。

(写真)
島役場からのゴミ箱供与式(役場担当者から桜田隊員へ)

さいごに,桜田さんの取り組みは一例ですが,モルディブでは現在,27名の青年海外協力隊員がこのような活動に一生懸命取り組んでいます。 本年11月26日にはナシード大統領は27名全員を大統領公邸に招き,1時間にわたって歓談を行いました。 大統領からは「モルディブですばらしい活動をされている青年海外協力隊の皆さんに,いかに我々が感謝しているかを直接伝えたかった。 日本から遠く離れたモルディブで色々と苦労されていると思うが,引き続きモルディブの発展のために協力していただきたい」とのお話をいただきました。 その後,隊員が自分の活動を現地語のディベヒ語で大統領に直接説明したり,音楽隊員有志によるモルディブ国歌のリコーダー演奏が行われるなど大変盛況であり,隊員の地道な活動が大統領をはじめモルディブの多くの人々に評価されていることが実感される一場面でした。

(写真)
ナシード大統領への隊員の表敬



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