広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2011年11月10日発行 第216号

ODAメールマガジン第216号は,国際協力紹介テレビ番組「地球VOCE(ヴォーチェ)」の取材で7月に独立したばかりの南スーダン共和国を訪れたルー大柴さんからのレポートと, アフガニスタン・イスラム共和国から,「「忘れられた県」から権限移譲のモデルケースに アフガニスタン・バーミヤン県における日本の支援」「アフガニスタン国未来への架け橋・中核人材育成プロジェクト(Promotion and Enhancement of the Afghan Capacity for Effective Development: PEACE)をお届けします。

南スーダン共和国,アフガニスタン・イスラム共和国

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「ルー大柴さんのテレビ番組「地球VOCE」南スーダン現地取材レポート」

9月に,テレビ東京「地球VOCE」の収録で,南スーダンへ行ってきました。

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この国は,2011年7月に,アフリカで54番目の独立国として誕生したばかり。2005年に内戦を終えて以来,町は活気を取り戻してきています。

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首都・ジュバのモーニングは,市場にベジタブルがずらり。色とりどりでおいしそうなのですが,並んでいる野菜はほとんどが近隣諸国からの輸入もの。農業の技術がなく,自国で生産することが出来ません。そこで日本政府は,農家を集めて技術指導をレクチャーしているそうです。

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私も一緒に体験してみたのですが,みんな楽しそう!参加者の一人は,「野菜をこの手で作れるなんて,夢のようだ」と語ってくれました。グレイト!

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しかし,町を歩くと,20年以上にわたって続いた内戦の影響が様々なところで見られました。町の片隅には,親を失ったストリートチルドレンの姿が。涙ながらに,現状からの脱却を願う若者の姿に,心を打たれました。

南スーダンの公用語は英語ですが,話せる人は多くありません。そこで,ストリートチルドレンを集めて,英語教室を開いているそうです。

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サドンリー,私も,レッスンに参加することに!急な参加でしたが,わたしも子ども達も,エンジョイしました。この若者達が,夢を抱いてくれることを願ってやみません。

他にも,建設技術を教えている方,職業訓練を行っている方,物資の支援をしている方……たくさんの日本人に会うことができました。日本から遠く離れた土地で,他国のために頑張る姿。皆さん,輝いていました。

日本から伝えられた技術が広がる日も,遠くないはず。これからも応援しています!




「「忘れられた県」から権限移譲のモデルケースに アフガニスタン・バーミヤン県における日本の支援」原稿執筆:在アフガニスタン日本国大使館 大井 綾子 二等書記官

バーミヤン県はアフガニスタンの中央,標高約2500メートル超の高地に位置します。戦争や自爆テロといったイメージの強いアフガニスタンにおいて,バーミヤンの様子は少々異なります。

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バーミヤンの大仏跡・全景
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バーミヤンの西大仏跡

タリバン政権時代に破壊されてしまいましたが,崖に掘られた二体の巨大大仏は世界遺産にも登録されており,日本でも有名です。 バーミヤンには他にも「ゴルゴラの丘」など数々の文化遺産があります。 夏にはじゃがいも畑の花が揺れ,少し山を登ると,まるでアルプスのように豊かな自然が広がっています。 治安も他の県と比べると,極めて落ち着いています。

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バーミヤン中心部から車で1時間ほど山を登ったところで出会った少女たち

一方で,人々は長年貧しい生活を強いられてきました。 外国からの援助は治安を改善させることを目的として治安の悪い地域に集中するため,治安が良いが故にこれまでバーミヤン県には支援の手が十分には届いていませんでした。 平和故に「忘れられた県」とも言われています。

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バーミヤン中心部近くの村。
電気など基礎インフラは未整備。
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上下水道は整備されておらず,水汲みは女性や子供の日課。

そんな「忘れられた」バーミヤン県が今年,注目をあびることがありました。 アフガニスタンの治安維持を担当してきたISAF(国際治安支援部隊)からアフガニスタンの軍や警察に治安権限の移譲を行うにあたり,バーミヤン県が最初の権限移譲対象地域7か所の一つに選ばれたのです。

日本は,「権限移譲支援」をアフガニスタン支援の柱の一つとしています。 なぜアフガニスタンの権限移譲を支援することが大切なのか。 それは外国軍が撤退していく中,アフガニスタン人が自ら治安を維持し,持続的な発展をしていくことが,アフガニスタンの安定,ひいては地域の安定にとって不可欠だからです。

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今年7月に行われたバーミヤン県の権限移譲セレモニーの様子

権限移譲が成功するためには,軍や警察の機能強化だけでなく,政府が本来の行政機能を備え,これまで外国軍や国際社会からの支援によって提供されてきた行政社会サービスを住民に提供できるようになることが重要です。 こうした観点から,日本はバーミヤン県において,インフラ整備,教育,保健,農業,ガバナンス,文化等で幅広い支援を行っています。

例えば今年9月に日本・アフガニスタン両政府間で合意したばかりのフォラディー道路の整備。バーミヤン中心部から山間部へと伸びるコミュニティー道路ですが,周辺には多くの人が住んでいます。 道路の舗装は経済活動を促し,人々が病院に通いやすくなったり,子供たちが安全に学校に通えるようになったりと,住民の生活の基盤となります。

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舗装予定のフォラディー道路入り口
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フォラディー道路沿いの住民

また,学校やクリニックの建設も行っています。今年着工したバンデアミール湖クリニックは,バーミヤン中心部から車で約3時間の山間にあります。 これまで民家を借り上げて運営されてきましたが,間もなく診察室や分娩室を備えたクリニックに生まれ変わり,周辺の20村の住民が診療を受けることができるようになります。

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建設中のバンデアミール湖クリニック。
今年6月に撮影。
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バンデアミール湖クプロック村の女性たち

平和だから忘れ去られるのではなく,平和だからこそ生活が良くなる。バーミヤン県がそんなモデルケースとなり,アフガニスタンの権限移譲の道筋となるよう,これからも日本は支援を続けていきます。




「アフガニスタン国未来への架け橋・中核人材育成プロジェクト(Promotion and Enhancement of the Afghan Capacity for Effective Development: PEACE)」原稿執筆:JICAカブール事務所 徳丸 周志 さん

日本とアフガニスタンの交流の歴史は古く,1930年の日・ア友好協定の調印に遡ります。昨年2010年はこの交流協定調印80周年の記念の年であり,両国の友好関係が再確認された年となりました。

JICAは2001年のタリバン政権崩壊後,民主化に向かって動き始めた新生アフガニスタンに対する支援を再開しました。 これまでの10年間はいわば緊急復興支援として破壊された社会インフラの再整備,農業農村開発や教育・保健医療の分野についてアフガニスタン側の主体性を尊重しつつ協力してきました。これらの協力に対して,アフガニスタン側からは強い感謝の気持ちが示されています。

JICAはこれまでの協力を土台にして,アフガニスタン人自らが国づくりを行えるよう,インフラ開発や農業農村開発を担う中核人材の育成が急務であるとの認識に至り,「アフガニスタン国未来の架け橋・中核人材育成プロジェクト(PEACE)」を開始しました。

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2011年度 第一期生 在京アフガニスタン大使館での開校式(JICA緒方理事長の挨拶)

PEACEは,2011年から5年間で最大500人のアフガニスタン人を日本の大学の修士課程に送り,アフガニスタンが直面する開発上の課題等を研究課題として,アフガニスタンの開発を推進する上で重要な役割を担うことが期待される行政官の能力向上を行うものです。

本プロジェクトの特徴は,通常の留学支援とは異なりJICAが協力する重点分野の課題を研究対象とすることで,研究の成果をアフガニスタンの開発に直接生かすことです。 また,長引く紛争の結果,教育の機会を奪われた人々に入学前の基礎教育や英語等留学に必要な事前教育を行うこと,帰国後にJICAプロジェクトの現地人材として活動することも視野に入れ,留学する前後の支援も重視しています。

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2011年度 第一期生 理数科試験

人材育成は一朝一夕にはその成果が出ませんが,今年(2011年)に出発した第一期生が帰国する2014年には,大きな花を咲かせてくれるものと期待しています。 日本で学んだ研修員はアフガニスタンへの帰国後,日本のよき理解者として両国友好関係の増進に貢献することが期待されています。人と人のつながりが未来の平和を約束することを信じて,地道な活動を続けて行きたいと思っています。

アフガニスタンの留学生は,北は北海道から南は沖縄まで日本全国の支援大学に留学します。 きっと皆様の近くにもPEACEの学生がいると思いますので,皆様との交流を通じ日本の文化や社会に溶け込んで頂きたいと願っています。



New!ODAホームページ新着情報
「ミレニアム開発目標(MDGs)」コーナーに「MDGs官民連携ネットワーク」ページを開設しました
国際協力紹介テレビ番組「地球VOCE」
第77回(10月21日放送)「避難民たちに安心できる暮らしを…」
第78回(10月28日放送)「国と人の未来を担う橋の建設」
「ODA出前講座」講師を派遣いたします!
第146回ODA出前講座開催報告(ODA民間モニターOB・OG会)
第147回ODA出前講座開催報告(名古屋大学大学院国際開発研究科)
ODA援助効果 公開シンポジウム「震災を通して見えてきた援助課題から考える~質の高い援助の実現に向けて~」の開催について(11月11日開催 ※申込みは締切りました)
「企業によるCSR活動とNGOとの連携シンポジウム~協働のコツを探る~」参加者募集(11月18日開催 於:広島)
11月12日(土曜日)・13日(日曜日)は横浜市の山下公園で「アフリカン・フェスタ2011」も開催されます。
  • アフリカン・フェスタ2011の開催について
外務省経済協力専門員の募集(追加募集:ミレニアム開発目標(MDGs)に関する業務 ※11月15日締切)
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タイにおける洪水被害に対する緊急援助について(追加支援:国際緊急援助隊専門家チームの追加派遣)(10月26日)
タイにおける洪水被害に対する調査チームの派遣(10月28日)
タイにおける洪水に対する緊急無償資金協力について(11月1日)
タイにおける洪水被害に対する緊急援助について(追加支援:国際緊急援助隊専門家(排水ポンプ車チーム)の追加派遣)(11月2日)
タイにおける洪水被害に対する国際緊急援助隊専門家チーム(上水道施設対応チーム)の交代要員派遣について(11月4日)
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