広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2011年9月14日発行 第212号

ODAメールマガジン第212号は,まず「グローバルフェスタJAPAN 2011」の開催についてお知らせいたします。

グローバルフェスタJAPAN 2011のロゴマーク毎年10月6日の「国際協力の日」にちなんで行っている国内最大級の国際協力イベント「グローバルフェスタJAPAN」を,今年も10月1日(土曜日)・2日(日曜日)に東京の日比谷公園にて開催します。

今年のテーマは,「絆~私たちはつながっている 世界は日本とともに。日本は世界とともに。」。 東日本大震災の発生直後から,日本は,同じように大きな困難に直面している世界の国々からも数多くの温かい支援を受けとりました。 今年のグローバルフェスタでは,世界各国からの日本への支援を振り返り,私たちにできることや日本と世界との絆について,楽しみながら考えられる催しを準備しています。

次号では,今年のグローバルフェスタの見逃せない企画の数々をご紹介します。10月1日・2日は,ぜひ日比谷公園にお越しください。

グローバルフェスタJAPAN 2011公式サイト


続いて今号は,エチオピア連邦民主共和国から,「エチオピアの紹介」「エチオピアにおける「カイゼン」普及活動について」と,ラオス人民民主共和国からの「ラオス便り ~不便な生活でも明るく暮らすラオスの人々~」「人々の未来に明るい灯火(電気)を照らすために -ラオス電力分野の協力-」をお届けします。

エチオピア連邦民主共和国,ラオス人民民主共和国

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ODAメールマガジンは,我が国のODAについての様々な情報をタイムリーにお届けしています。
また,外務省ホームページODAコーナーでは,新着情報を次々と更新しておりますので,是非ご覧下さい。

なお,このODAメールマガジンでは,ODAの現場で働いている人々や,実際にODA事業を視察した方々の生の声をお伝えしていますので,本メルマガに掲載されている内容は執筆者個人の感想に基づいた意見であり,政府の立場を示すものではありません。



「エチオピアの紹介」原稿執筆:在エチオピア日本国大使館 石井 貴朗 二等書記官

エチオピアは,アフリカ大陸東部に位置しており,周囲をケニア,スーダン,南スーダン,ジブチ,ソマリア,エリトリアに囲まれた内陸国です。 国土面積は日本の約3倍あり,北東部のアファール州,南東部のソマリ州,スーダンとケニアとの国境沿い以外の地域は,海抜1,500メートルを超える高地で,首都アディスアベバは,標高2,300メートルを超え,首都としては世界で3番目に高い場所に位置しています。

日本でのエチオピア観光資源の知名度は,エジプトやケニアに比べるとまだまだ低いですが,国内に8つの世界遺産を有する歴史と文化の宝庫です。 世界的に有名なラリベラの岩窟教会群,ナイル川(青ナイル)の水源として知られるタナ湖とその近郊の古城ゴンダール,更に多くの少数民族が暮らす南部諸民族州など,エチオピア全土に多くの見所が存在しています。

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岩窟教会(ラリベラ)
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古城(ゴンダール)

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青ナイル

エチオピアは,また,アフリカ地域の外交の中心地でもあります。 アディスアベバには,アフリカ連合(AU)や国連アフリカ経済委員会(UNECA)の本部が置かれています。 毎年1月には当地でAU総会が開催される他,国際会議やフォーラム等が毎月多数開催されています。

エチオピアは,サハラ以南アフリカ(サブサハラ・アフリカ)では第2位の人口を擁しており(サブサハラ・アフリカの約10人に1人はエチオピア人という計算になります。),近年,高い経済成長を遂げています。 政府の発表によれば,GDP成長率は2004年から連続で10%を超えています。 その一方,経済成長に伴うインフレ発生,都市環境や衛生問題など新たな社会問題も発生してきています。

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建設ラッシュが続くアディスアベバ市内

エチオピアでは,様々な分野で経済協力プロジェクトを実施しています。 その中でも特に日本のプロジェクトとして注目され,広く知られることとなったのが,「カイゼン」に関する活動です。 2009年から約2年間実施され,エチオピアの企業28社が,日本的な品質・生産性向上の取り組みである「カイゼン」を学びました。

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本年1月に松本前外務大臣(当時副大臣)が,カイゼン実施企業の現場を視察されました。

近年,中国やインド,サウジアラビアなど新興国の援助が増加し,存在感を増していますが,今後も「日本らしい援助」を実施し,日本の存在感を示せるよう,引き続き関係者一同力を合わせて取り組んで参ります。




「エチオピアにおける「カイゼン」普及活動について」原稿執筆:JICAエチオピア事務所 野口 義明 企画調査員

現在,エチオピア政府の民間セクター開発関係省庁において流行語になるほど注目されている言葉があります。 それは日本流の品質・生産性向上に向けた理念と手法を指す「カイゼン」という言葉です。

エチオピアは8000万人の人口を有し,豊富な労働力があるため,その労働力を活かした製造業が経済成長の牽引役としての役割を期待されていますが,国内の製造業は活発ではなく,GDPにおける製造業の割合は5%と低い状態です。 製造業の最大の問題点のひとつとして挙げられるのが,各企業の品質・生産性が他国と比べて極めて低いことです。 この問題の解決策としてエチオピア政府が注目したのが,コストをかけずに,従業員参加型で継続的に品質・生産性向上を続ける日本型の理念・手法,すなわち「カイゼン」であり,エチオピア政府は日本政府にカイゼンを普及させて製造業の品質・生産性を向上させるための技術協力を要請しました。

この要請を受けて2009年10月より日本から派遣された調査団と,工業省内に時限設置されたチーム「KAIZEN Unit」は,エチオピア企業に対するカイゼン普及の有効性を実証するため,首都周辺で選定された製造業28社に対してカイゼンについての訪問指導を行いました。 対象企業の中には,カイゼンが社内に定着した企業や,生産現場のカイゼンにより目覚しい効果を挙げた企業が多く生まれました。 また,これらの実証例を基にカイゼン普及計画やマニュアルなどの教材が作成されました。 この技術協力における現地での活動は2011年5月に終了しましたが,カイゼンの有効性を高く評価したエチオピア政府は,時限的だったチーム「KAIZEN Unit」を常設化して新機関「Ethiopian KAIZEN Institute」を設立するに至りました。 さらに,この新機関の強化に資する新たな技術協力が日本政府に対して要請されました。 現在,この要請に基づく次期技術協力の準備が進められています。


現場カイゼン指導の一例:
金属加工工場における材料コイル置き場のカイゼン前(左,材料劣化や材料紛失が多い状態)とカイゼン後(右,整理整頓されコイル種類毎の置き場が整備された状態)
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カイゼン前
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カイゼン後


「ラオス便り ~不便な生活でも明るく暮らすラオスの人々~」原稿執筆:在ラオス日本国大使館 冨田 明子 二等書記官

サバイディー(ラオス語で「こんにちは」,です)。
今年2月(ODAメールマガジン第201号)に続きまして,再度ラオスをご紹介させていただきます。

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日本等の支援で整備されたナムグム発電所周辺で遊ぶ小学生

カンボジアやベトナムと比較すると知名度が高いとは言えなかったラオスですが,古都ルアンパバーンやクメール遺跡ワット・プーが世界遺産に登録されたことなどを受け,近年,国内のいろいろな場所で日本人旅行者に出会うようになりました。 ラオス政府においても,2012年をラオス観光年Visit Laos Yearとして1年通年で各種イベントを開催する予定で企画を練っているとのことですので,この機会に是非ラオスをご訪問下さい。なお,ラオスの観光振興についてはJICAを通じて我が国も協力しています。
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ビエンチャン市内の寺院
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寺院の倉庫に保管された仏像たち

ラオスへの入国方法は,空路と陸路がありますが,首都ビエンチャン特別市にあるワッタイ国際空港から入国される方が多いようです。 国際空港ターミナルは日本の支援で整備されており,L-JATSという日ラオス合弁の空港サービス会社によって運営されています。 空港内には,日本のODAで建設されたことを示すプレート(銘板)が見受けられます。

また,空港から市内へはタクシーやトゥクトゥク(三輪バイクタクシー)等に乗って国道1号線を通ることとなりますが,この道路は4年ほど前に日本のODAで整備され,多くの自動車が往来しています。

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道路が日本の支援で整備されたことを示す銘板
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市内の夕暮れの風景と日本の支援で整備された道路

一方,ラオスの自然と一体化した風景や生活を期待する旅行者は飛行機の国内線や長距離バスを利用して地方を目指すようです。 地方の生活は,ビエンチャン市内とはまったく趣の異なるものです。

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ラオス中部カムワン県の村の様子

遠隔地での生活は,水道が通っていないため共同の水くみ場まで洗濯や水浴びに出かけなければならなかったり,かなりの距離にある小学校や診療所まで通わなければならなかったりと,不便さが際だっています。 しかしながら,ラオス政府の限られた予算では対応できていないのが現実です。

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ラオス北部ルアンナムター県の村の様子

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自家製の甘味を売りに来た子ども
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共同の水くみ場で水浴びと洗濯をしてきた子ども

日本大使館では,村や県などから毎年100件以上寄せられる支援要請の中から,地域住民の生活向上に直結し,かつ緊急性が高いものを約10件選び,草の根無償資金協力として実施しています。 昨年は,給水施設5カ所,学校2校,診療所2軒等,合計14の支援要請に応えられました。

支援後も現場を訪れ計画通りにできているか確認するとともに,2~3年おきにモニタリングを実施して日本の支援が継続的に活用されているかどうかチェックしています。

ODAの現場を訪問し,村人から「日本が学校や診療所や給水施設を作ってくれたから,不便だった村の暮らしがずいぶんよくなった」と感謝と親しみの感情を示されると,ODAをうまく活用できて良かったと安堵の気持ちでいっぱいになります。

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草の根無償で建設した中学校の引渡式の様子。
日ラオスの国旗を手作りして迎えてくれました。

今後も引き続きラオスの人々に喜んでもらえる支援をしていきたいと考えています。ラオスを訪問されたことのない方々も,是非当地でODA支援の様子を見ていただきたいと思います。

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ポップ カン マイ!(ラオス語で「またね!」です。)



「人々の未来に明るい灯火(電気)を照らすために -ラオス電力分野の協力-」原稿執筆:JICAラオス事務所 松崎 瑞樹 さん

東日本大震災以来,日本だけでなく世界中で人々が日常生活における電気の大切さを改めて実感しているのではないでしょうか。 電気使用率予報が,天気予報と同様に毎日マスメディアを通じて報道されているように,今までこれほど私たちが電力やエネルギーについて議論したことはなかったと思います。

「ラオスと電力」というフレーズにピンとこない方もいるかもしれませんが,ラオスは広大な森林とメコン川を初めとする豊富な水資源など自然条件に恵まれているため,非常に大きな水力発電のポテンシャルを有する国として知られています。 このポテンシャルを活用して域内の人々へ電力を供給することで貧困削減と経済発展を促進するために,日本は約50年前からラオス電力分野へ協力してきました。

最も歴史のある協力は,ナムグム水力発電事業です。 この開発事業には日本のほか数多くの国や国際機関が支援に加わりましたが,ナムグム特別基金への資金拠出や有償資金協力等による支援とその後の無償資金協力によるリハビリ事業に加え,日本企業からの技術者派遣や機材供与など日本の高い技術を活用した支援を行った結果,この事業は日本の支援の印象を強く残すものとなりました。

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ナムグム第1発電所
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ダムからの放流の様子

ラオス全国の電化率は現在約73%と言われており,首都ビエンチャンは停電も少なく比較的安定して電力が供給されていますが,地方部は未電化地域も数多く残されています。 ラオスは人口密度が低く村落が点在しているため,学校や病院などの行政サービスの提供や道路などの社会インフラ整備が難しく,電力設備(送電線や配電線)整備も十分とは言えない状況です。

こうした状況を改善するため,日本はJICAの有償資金協力により中部ボリカムサイ県から南部サバナケット県までの全長284キロメートルに115キロボルト送電線を建設し,地域間連結による電力供給の融通を実現できるような環境整備を支援しました。

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整備された送電線(ボリカムサイ県)
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送電線鉄塔での作業の様子

電力設備整備などハード面の協力を実施している一方で,制度整備や人材育成などソフト面の協力も積極的に行っています。 JICAは1990年代から継続して電力分野の専門家を派遣し,政策への助言や技術指導を行っています。 また,2000年から電力技術基準の制定やその理解促進のためのガイドライン策定を継続的に支援し,現在も技術協力プロジェクト「電力セクター事業管理能力強化プロジェクト」を通じて,電力技術基準の普及・定着を目指し全国の行政官や電力技術者などの人材育成を支援しています。

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プロジェクトでの配電線の維持管理指導
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JICA専門家と電力局スタッフ

こうした長年の協力により,ラオスの人々の日本に対する信頼が築き上げられてきましたが,この信頼はこれらハードとソフト両面の総合的な協力を通じた質の高い技術力や日本の顔が見える支援があり実現できたもので,日本のODAの大きな特徴です。

今後は,ラオスや周辺国を含むメコン地域全体のエネルギー動向を見据えて支援策を検討し,安定した電力供給を通じて域内の人々のより豊かな生活の実現を目指します。 引き続き,電力分野の様々な関係者と議論しながら,人々の未来に明るい灯火(電気)を照らすため,現地の人々とともに持続可能で日本ならではの協力を進めていく予定です。



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