広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2011年8月31日発行 第211号

ODAメールマガジン第211号は,国際協力紹介テレビ番組「地球VOCE(ヴォーチェ)」の取材で東ティモールとインドネシアを訪れた藤原紀香さんからのレポートと,東ティモール民主共和国からの「東ティモールにおける橋梁建設について (平成20年度無償資金協力「モラ橋梁建設計画」)」,そして中華人民共和国からの「東日本大震災後,草の根・人間安全保障無償資金協力(「草の根無償」)の現場から寄せられたメッセージ~中国より」をお届けします。

東ティモール民主共和国,インドネシア共和国,中華人民共和国

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なお,このODAメールマガジンでは,ODAの現場で働いている人々や,実際にODA事業を視察した方々の生の声をお伝えしていますので,本メルマガに掲載されている内容は執筆者個人の感想に基づいた意見であり,政府の立場を示すものではありません。



「藤原紀香さんのテレビ番組「地球VOCE」現地レポートを体験して」

今回私は,東ティモールとインドネシアに行ってきました。 番組現地レポートを通じて,「私たちはいつでも世界とつながっている!」ということを改めて感じられた,素晴らしい時間を過ごすことが出来ました。

東ティモールには2006年3月に一度,行っていますが,あれから5年,国が見違えるほど発展しながらも,未だに困難な状況も目の当たりにしました。 特に,水の問題は深刻。 国民の半数以上の人が,清潔な水にアクセスできずにいると聞きました。 そんな中,日本の技術が活かされ,首都ディリの水道設備が整備されているのを視察することが出来ました! 近い将来,より多くの住民が安定的に清潔な水の供給を受けられるようになることでしょう。 また,そこに地元の人々を雇用して地域経済の活性化にも寄与していると聞き,「色々な形の支援があるんだ」ということを知りました。

そして皆さんは,東ティモールではコーヒーが有名ということを知っていましたか? コーヒー農園では,より美味しいコーヒーを目指して,日本人が技術や知識でサポートしていました。 毎日大変な生活の中でも,実際に働いている人は皆,とても明るくて前向きでした。 この活動が,東ティモールの未来を支えていくんだと思うと,なんだか感慨深くなりました。

(写真)
東ティモール エルメラ県レテフォホ郡。
標高1500メートルの高地では,コーヒーの栽培が盛んです。

(写真)
NPO法人ピースウィンズ・ジャパンが支援するコーヒー生産農家を訪問しました。

また,インドネシアは東南アジア地域の中でも目覚ましい経済発展を遂げている国ですが,日本の高い技術力というものを再認識することが出来ました。

他にも沢山の素晴らしい活動を見ることが出来ましたが,東ティモール,インドネシアのどちらでも,日本の技術や知識が役立っている,ということを目で見ることが出来ました。 そして,途上国の人たちのため奮闘する多くの日本人に出会いました。よりよい世界を築く為,彼らが世界で活躍する姿を見て,私は日本人であることに誇りを感じる旅でした。

今回,未曾有の被害となった東日本大震災。復興を目指す日本に,世界中から暖かい支援の手が差し伸べられました。 それも今まで日本が世界に対しての支援を続けてきたからこそのものだと,感じています。 私たちは世界とともにあり,世界は私たちとともにあるのだと,強く感じました。 そして,これからも地球VOCEを通して,こうした活動を伝えていきたいと思います。




「東ティモールにおける橋梁建設について(平成20年度無償資金協力「モラ橋梁建設計画」)」原稿執筆:在東ティモール日本国大使館・国造り協力班 安部 正道 一等書記官(執筆時)

東ティモールの南部に位置するズマライ。 川幅約500メートルという大河の脇にある小さな村ですが,首都ディリや南部の諸都市を結ぶ3本の国道が交わる重要な結節点です。 この大河はいわゆる「あばれ川」で,洪水のたびに川の流れが変わり,巨大な石が上流から流れ着き,川岸もどんどん削られていきます。 そこにモラ橋が架かっています。

モラ橋は1996年,インドネシア時代に建設されましたが,2000年に起きた洪水によって,川幅の中ほどまでせり出すように設置してあったコーズウェイ(土手道)が流出してしまいました。 その結果,地域住民は,乾期には車で川を横切って渡ることはできても,降雨による増水時には川を渡ることができず,また農作物等の輸送にも困難が生じ,住民生活,商業活動等に大きな支障が出ていました。

そこで,日本の無償資金協力によって,2010月1月,新たな橋を架ける工事が開始され,約1年半後に,全長216メートル,2車線の美しいトラス橋が完成しました。

(写真)
完成したモラ橋。全長216メートル,2車線。
なお,奥に見える橋は,インドネシアが1996年に建設したもの。

2011年7月29日に行われたモラ橋の引き渡し式には,北原大使の他,ラモス=ホルタ大統領,グスマン首相,ラサマ国会議長,ライ・インフラ大臣の4名が異例ともいえる揃い踏みで参加し,実に盛大な式典となりました。

東ティモールは,2011年7月,今後20年間を睨んだ中長期開発計画である「戦略開発計画」を発表し,その中の重要政策の一つとして南部沿岸の開発を計画しています。 モラ橋を結節点とした南部沿岸開発への期待の高さが伺えます。

しかし,モラ橋の建設までには本当に様々な苦労がありました。

東ティモールでは比較的はっきりした乾期と雨期があります。 モラ橋のある川は川幅約500メートル。 乾期には小さい流れですが,雨期の大洪水の時には川幅いっぱいに水が流れます。 ですから,工事はいつも上流の天候を睨みながら実施し,もし水嵩が増えてくるようであれば,作業は即座に中止し,現場から引き上げる体制をとってきました。 モラ橋のすぐ横に施工業者の現場事務所・宿泊所があります。 ある大洪水の時には,モラ橋周辺の護岸が決壊しかけ,現場事務所・宿泊所の近くまで川の水が流れ込んできました。

モラ橋を建設するためには,まず17メートルの鋼管杭84本とその鋼管杭を打ち込む建設機材を,インドネシアのクパン港から現場に運び込む必要がありました。 東ティモールの首都ディリには主要港がありますので,クパン港→ディリ港→現場というように運搬すれば良いと思いますが,実際には17メートルの鋼管杭を大型トレーラーで首都ディリから山越えのくねくね道を経由して現場に運ぶのは無理です。

そこで,ティモール島のインドネシア側にあるクパン港を経由して東ティモールの南西部にあるスアイの砂浜を使って運び込むことにしました。 17メートルの鋼管杭を積んだ船が,最も満潮の時刻に砂浜の奥まで乗り上げます。 その後,潮が引き始めたら17メートルの鋼管杭を船から手早く降ろします。 そして,12時間後,再び満潮になったら,軽くなった船がスアイの砂浜を離れるという方法です。 今回の積み降ろしの際は,満潮の時刻が丁度夜中の12時頃にあたってしまったため,日本人の施工業者の方々は,毎日夜通し鋼管杭を降ろす作業を続けました。

次に,スアイからモラ橋の現場まで建設資材と機材を大型トレーラーで運びました。 ところが,大雨と大洪水が頻繁に起こり,一晩にして途中の橋が流されてしまったり,途中の道路が大きく陥没してしまったりしました。 そのたびに,日本の施工業者の方々が途中の橋を修繕したり,簡単な土木工事をして道の陥没を直したりしながら,17メートルの鋼管杭84本を現場に運び込みました。 スアイから現場まで僅か25キロメートルを運搬するのに2~3カ月かかりました。

(写真)
17メートルの鋼管杭84本と建設機材を大型トレーラーで運搬する。

(写真)
橋の付け根の道路が崩れている。
大型トレーラーは通行不能。
(写真)
大洪水で橋が流され,その後約1か月が経過。
大型トレーラーは通行不能。

苦労の甲斐あって,出来上がったモラ橋は,何よりも地域住民に本当に喜ばれています。 モラ橋は,インドネシアが1996年に建設した橋と今回完成した日本側の橋の二つの橋が連結されて初めて,一つの橋としての機能を果たすことができます。 北原大使が,引き渡し式の中で,「この橋を守っていくために,日本は東ティモール政府と緊密に協力・調整し,護岸工事を含む適切な対応策を講じていきます」と述べたように,今後この二つの橋を守っていくことが重要です。

東ティモールは2011年3月に起きた東日本大震災に際し,連帯義捐金として100万ドルを日本政府に寄付してくれました。 北原大使は,引き渡し式の中で,東ティモール国民により差しのべられた暖かい支援と友情に対して,「日本はかかる強い結束と友情をいつまでも忘れません」と伝えると共に,完成したモラ橋は二国間の固い友情のシンボルである旨強調しました。

工事の着工から,様々な問題の発生,引き渡し式までの全部を見てきた担当官として,このモラ橋が,今後も東ティモールの国造りに大いに貢献し,両国の友情のシンボルとなり続けることを切に願います。

(写真)
完成したモラ橋の上に集まる地域の皆さん。




「東日本大震災後,草の根・人間安全保障無償資金協力(「草の根無償」)の現場から寄せられたメッセージ~中国より」原稿執筆:在中国日本国大使館経済部

3月11日に発生した東日本大震災から5か月が経過しました。 日本は世界各国の人々から暖かい支援と激励の言葉を受けております。 地震発生直後,中国政府からも援助の申し出があり,様々な支援物資が迅速に届けられ,また,岩手県で救援活動にあたった中国緊急援助隊の活躍は日本のメディアでも大きく取り上げられました。

当館でも,これまで草の根無償で支援してきた地元政府,地元民やNGO関係者から多くの励ましの言葉を頂いております。 ほんの一部ですがご紹介させて頂きたいと思います。

「広東省深セン市職業病予防啓発計画」実施団体のNGOボランティアで職業病未認定患者(ベンゼン中毒から白血病を発症)からは,「テレビで日本の地震・津波のニュースを見て心を痛めております。 私自身は現在,病状が落ち着いているので被災して困っている人たちを助けたいと思います。 少しですが寄付をしたいので口座番号を教えて頂けますか。」との連絡がありました。 また,内蒙古自治区のある村の貧困削減オフィス主任は,哀悼の詩を創作してくださいました。 その一節です。 「我的痛在日本,在那櫻花的国度,我的痛在源氏物語的故郷,我的痛,没有顔色,没有国界」 (訳:私の痛みは日本にある。私の痛みは,あの櫻の国に,源氏物語の国にある。私の痛みに色も国境もない。) このように,日本の被災による痛みを我がことのように感じて激励のメッセージを寄せてくれた中国の方々の数は多くに上りました。

最近も,2008年に発生した四川大地震の復興支援の一環で行った小学校建設の竣工式がありました。 児童代表が以下のような言葉をくれました。 「3月11日にテレビで福島県沖を襲った地震と津波の様子を見ました。 中国政府はすぐに援助しましたが,私たちは,日本の方々から援助を受けた者としてとても心が痛みました。 “日本がんばれ!東北がんばれ!”のメッセージを送ります。」

草の根無償は比較的小規模なプロジェクトですが,同プロジェクトは,当地では20年あまり継続しており,同プロジェクトを通じ,地道に着実に,日本と中国の人々の相互理解・交流は深まっています。 その様子が皆様にも少しでも伝わればという思いで,以上ご紹介させて頂きました。




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