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ODAメールマガジン/2011年6月29日発行 第207号

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ODAメールマガジン第207号は,セルビア共和国からの「セルビア共和国について」「セルビア共和国への経済支援について」と,カンボジア王国からの「無償資金協力:安全な飲み水」をお届けします。

セルビア共和国/カンボジア王国

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「セルビア共和国について」原稿執筆:在セルビア日本国大使館 坪田 哲哉 一等書記官

セルビアは,バルカン半島の中心に位置する人口約750万の国で,面積は北海道と四国を合わせたぐらいの大きさです。 北部はボイボディナと言われる大平原が広がり,農業が盛んに行われています。 南部に行くほど山がちになり,スキーリゾート等もあります。 セルビアの中央部には,ドナウ川とサバ川が流れ,両河川は首都のベオグラードで合流しており,重要な交通の要衝となっています。 古くはローマ帝国に属していたことから,国の全土にわたってローマ遺跡が見られる他,何人ものローマ皇帝を輩出した土地柄でもあります。

セルビアは,以前はユーゴスラビア連邦を構成する共和国の一つでしたが,1990年代の旧ユーゴ紛争を経て,現在の形になりました。 紛争中は,国際社会による経済制裁が課され,コソボ問題ではNATOによる空爆を受ける等しましたが,2000年の民主化以降は,国際社会への復帰,経済改革等に着手し,現在もEU加盟を目標とする改革に取り組んでおり,日本を含む国際社会はセルビアの改革努力を支援しています。

セルビアは非常に親日的な国です。日本文化や武道に対する関心の高さ,旧ユーゴ紛争中に欧米諸国が一様に反セルビア的立場をとっていた時にも,日本は比較的中立的な立場を維持したこと,そして,日本による対セルビア経済協力の実施がセルビアの人々の親日感情を高めています。

本年3月には,セルビアの国家元首として初めて,タディッチ大統領が訪日し,初の対セルビア円借款や査証免除措置の実施について首脳間で具体的協議が行われる等,日・セルビア二国間関係は大幅に前進しました。



「セルビア共和国への経済支援について」原稿執筆:在セルビア日本国大使館 阿部 憲明 二等書記官

日本はこれまで数多くの経済援助をセルビアに対して行ってきており,日本はセルビアの方々にとって最大のドナー国の一つとして知れ渡っています。 中でもセルビアの方々から一番感謝の念が示されるのは,ベオグラード市交通公社にバス93台を供与したことです(平成13年度一般無償資金協力「ベオグラード市公共輸送力復旧計画」)。 ベオグラード市内を歩いていると,そこかしこで「from the people of Japan」の文字に日本の国旗とセルビア・モンテネグロ(当時)の国旗を組み合わせた黄色いバス(通称“日本人”)に必ずと言っていいほど出くわします。

セルビアでは,一連の紛争を理由に課されていた国際社会からの経済制裁の影響で,ベオグラードの公共交通は劣悪な状況にあり,廃車寸前の老朽化したバスに乗客が満員の状態で運行されているのが常でした。 この援助で供与されたバスは,バスの便数の増加に貢献したことはもちろんですが,その黄色の明るい車体,乗り心地の良さ,清潔感から,供与してから8年以上が経過した現在でも,市民の欠かせない足として,市民の方々だけでなく,セルビア政府やベオグラード当局からたくさんの感謝の言葉をいただいています。 また,供与したバスはベオグラード市交通公社によって毎日清掃が行われきれいにされているので,「日本のバス」は清潔で快適であるとして,他のバスを敬遠してまで,あえて待ってでも乗る人々がいたり,自分の使っているバス路線に「日本のバス」を走らせて欲しいという要望がベオグラード市交通公社に寄せられることもあります。

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黄色いバス

このように,黄色いバスはよく整備が行われたきれいなバスとして,ベオグラード市民に大変好評ですが,同じような維持方法が他のバスにも適用されるようになった結果,全体的にバスがきれいになりました。これはバスをきれいに維持するという日本人の「仕事上の倫理」も一緒にセルビアに移転された良い例だと思います。

日本はセルビアの方々にとって最大のドナー国の一つとして知れ渡っていると,冒頭申し上げましたが,東日本大震災に対しては,セルビアの各地で日本を支援するイベントが行われ,中でもベオグラード市が主催したチャリティー・イベントには少なくとも数千人が参集しました。 私も参加してきたのですが,イベント当日,ベオグラード市中心部の共和国広場は集まった人々で完全に埋め尽くされ,広場に入りきれなかった群衆が広場の周りにも幾重に取り巻くような状況でした。 日本の国旗が振られる中,日本の被災者へのお見舞いと励ましのメッセージ及びこれまでの日本の支援に対する感謝を内容する挨拶が行われ,君が代やその他の日本の歌が歌われ,合気道や空手の演武会が行われました。 最後に,司会者の号令に合わせ,人々は日の丸を掲げつつ,「がんばれ日本!」と歓声を上げ,大きな拍手がわき上がりました。 これだけ多くの方が日本を応援してくれていることに非常に胸が熱くなりました。 実際,セルビアの多くの方々から,「日本はセルビアが苦しい時に助けてくれた。 今度はセルビアが日本を助ける番だ」という温かい声をいただく度に,仕事冥利に尽きる気がします。

(写真)
チャリティー・イベント

また,日本がセルビアに対して行ってきた経済協力への感謝の印として,ベオグラード市が同市内のカレメグダン公園内に「日本の泉」を設置したことをご紹介します。 これはセルビアの日刊紙である「ブリッツ」紙のベオグラード版の編集担当記者が,これまでの日本の支援について日本国民・政府に対して感謝の念を示したいとして,ベオグラード市内に「日本の泉」を建設することを提案し,ベオグラード市側も市長をはじめとする方々がこれを支持し,実現したものです。 「日本の泉」は,ベオグラード市内で最も有名な観光スポットであるカレメグダン公園の中にあり,ドナウ川とサバ川を見下ろす絶好の場所に設置されており,多くの市民が訪れています。

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日本の泉

このようなセルビアも紛争終結から十数年がたち,現在はEU加盟に向けて国を挙げて全速力で走っています。 日本のセルビアに対する経済支援も今後は無償資金協力ではなく,円借款を中心としたものに移行していきます。 今年の3月に行われたタディッチ大統領の訪日の際には,セルビア最大級のニコラテスラ火力発電所に環境保護を目的として排煙脱硫装置を設置するための円借款供与について,菅首相よりタディッチ大統領に意図表明が行われました。

日本とセルビアは物理的な距離はずっと離れていますが,セルビア人は日本のことが大好きです。このようなセルビアに少しでも興味を持っていただければ幸いです。



「無償資金協力:安全な飲み水」原稿執筆:常駐管理者 国際航業株式会社 大野 孝之 さん

今回はカンボジア王国コンポンチャム州メモット郡で実施した村落飲料水供給計画に係る報告を致します。

メモット郡は,首都プノンペンより東北東に約120キロメートル,車で約3時間半のところにあり,南部はベトナムと国境を接しています。 主な産業は大規模ゴム農園(プランテーション),胡椒園などの農業で,近年は,バイオエタノールの原料としても注目を浴びつつあるキャッサバ(タロイモの一種)の生産も盛んです。 同郡は,178村で構成され,人口は2010年現在で142,907人,大きな村で2,200人,小さな村で220人程です。

住民は,飲料水水源として,雨季には雨水,乾季には手掘りの浅い井戸(掘り抜き井戸,深さ5メートル~10メートル程度)または小川の水を利用しているのが一般的です。中には雨水を貯める水瓶を持たない貧しい家も散見されます。 掘り抜き井戸は,直径1メートル程の穴の中に人が入り人力で掘るため底が浅く,安定した量を得られる水の層(帯水層)まで到達しないため,乾季になると水が枯れる問題が生じています。

また,掘り抜き井戸や小川の水は,地表を流れる雨水とともに家畜(牛,豚,ニワトリ)の糞尿が流れ込み,大腸菌や細菌などに汚染されているため,水因性疾患が蔓延する大きな原因となっています。

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小川の水源
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雨上がりの村落

このような問題の解決を目指し,カンボジア政府は,2015年までに全国の農村部の飲料水供給率を50%まで引き上げることを目標に掲げ,日本政府に対し安全な飲料水を供給する井戸を建設するための無償資金協力を要請しました。

この要請を受けて,日本政府は,安全な既存飲料水水源の有無,水質の安全性等の調査を実施の上,プロジェクト対象村落を選定し,優先順位の高い村落から村落あたり5本の井戸を上限として,住民200人に1本の割合で安全でキレイな飲み水としての井戸を建設する無償資金協力プロジェクトを実施することを決定しました。

このプロジェクトはメモット郡で2006年に開始され,1期から3期を通して合計424本の井戸が建設されました。この結果,同郡全体ではカンボジア政府が目標としている50%を上回る59%の給水率が達成され,安全な飲料水の供給に大きく貢献しています。

また,プロジェクトでは井戸建設と同時に井戸を利用する住民に対する衛生啓蒙やハンドポンプの維持管理教育も並行して実施されています。

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井戸洗浄時の水に集まる子供達
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安全できれいな水を楽しむ子供
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水・衛生利用組合設立
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衛生教育


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