広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2011年1月26日発行 第200号

 ODAメールマガジン第200号は,ガーナ共和国からの「ガーナ経済-新しい時代の幕開け-」「ガーナの保健分野での日本の支援」をお届けします。

ガーナ共和国

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「ガーナ経済-新しい時代の幕開け-」原稿執筆:在ガーナ日本国大使館 津久井 徹 専門調査員

 西アフリカのギニア湾に面するガーナはどのような経済的特長を持っているでしょうか。まず,国旗に使用されている赤・黄・緑の汎アフリカ色が持つ意味を通じて,経済のみならず政治も含めたガーナの主な特徴を見てみましょう。赤色は独立のために流れた血を表しています。ガーナはクワメ・エンクルマ初代大統領に率いられ1957年に英国より独立し,サブサハラ・アフリカ諸国の中で初めて植民地支配から独立をかちとった国です。黄色は豊かな鉱物資源と富を表しています。ガーナ一帯は昔から金が主要な貿易商品となっており,かつて西欧人からゴールドコースト(黄金海岸)と呼ばれていました。緑色は豊かな農耕地や森林を表しています。ガーナの主要産業は農業であり,中でもチョコレートの原材料となるカカオ豆は特産物として日本にも輸出されており,同国名を冠したチョコレート製品は日本人に馴染みの深いものだと思います。また,木材は金,カカオ豆に続くガーナ第三の輸出品です。国旗の黄色と緑色が示すとおり,ガーナ経済の中心は鉱物資源や農産物の一次産品です。それゆえ,ガーナは,天候や市場価格に左右されやすい脆弱な経済構造を持ちます。これを克服するために,工業化を通じた高付加価値の生産物の創出及び輸出品の多様化をどのように進展させていくかという課題に直面しています。

(国旗)
ガーナ国旗:黒い星はアフリカ独立と自由のシンボル。アフリカ独立運動の父エンクルマ初代大統領を指すとも言われる。
(ガーナの地図)

 2010年12月,そうした経済的課題に希望の光がもたらされる大きな出来事があり,ガーナ国内が沸き立ちました。その出来事とは,石油の商業生産開始です。2007年にガーナの西海岸沖で発見された油田は,独立50周年にちなんでジュビリー鉱区と名付けられました。同鉱区の権益は,主に英のタロー社,米のコスモスエネルギー社,ガーナ石油公社(GNPC)らが保有しています。石油生産には,クワメ・エンクルマ号と名付けられた日本の三井海洋開発の石油・ガス生産貯蔵設備が使用されています。1年目の石油の産出量は,日産12万バレルですが,その後,約25万バレルまで増産される予定です。埋蔵量は,少なくとも15億バレルで,寿命は最低25年と見積もられており,石油産出期間中の収入は,年平均10億米ドルと推定されています。これは,アンゴラ(埋蔵量80億バレル,日産200万バレル)やナイジェリア(埋蔵量400億バレル,日産230万バレル)などの産油国と比べると規模は小さいですが,ガーナの西海岸では新たな油田が次々と発見されている上,東部ボルタ州の陸上にも石油の埋蔵が見込まれています。

 石油の商業生産開始をビジネスチャンスと捉え,ガーナへ進出する国々も近年増えてきています。インドは,原油の生産と共に流出する随伴ガスを利用した化学肥料工場の建設をウエスタン州に計画しています。中国は,ウエスタン州のアワソにあるボーキサイト鉱山から近いセコンディにアルミニウム精錬工場の設立を計画しています。アルミニウムの精錬には多量の電力を必要としますが,ジュビリー鉱区の石油・ガスを利用予定のアドアゼ火力発電所や中国が支援する水力発電用のブイダム建設による電力供給の増加を見込んでのことです。日本も2010年9月から10月までにミルズ大統領が訪日した際,丸紅が随伴ガスを利用したメタノール工場の建設計画についてガーナ政府と覚書を結んでいます。

(写真)
日ガーナ首脳会談:菅首相とミルズ大統領

 海外から注目を集める一方,ガーナ国内では,いわゆる“石油の呪い”を避け,石油の発見から恩恵を受けられるよう,早い段階から政府,企業,市民社会,ドナー諸国を含めて議論が行われてきました。石油の存在が紛争や汚職などの問題を引き起こし,必ずしも国家・国民の繁栄に結びつかなかった国の経験から学ぼうという姿勢もみられます。現在,石油収入の透明性のある管理や適切な利用を通じて全ての国民が石油の恩恵を享受できる枠組みについて国会で議論がされており,近いうちに石油探鉱・生産法案と石油歳入管理法案の二大重要法案が承認される予定です。石油収入をどのように経済・社会発展に結びつけていくか,ガーナの新たな挑戦が始まりました。



「ガーナの保健分野での日本の支援」原稿執筆:在ガーナ日本国大使館 本田真一 一等書記官

 我が国は,今,ガーナの北西部に位置するアッパーウェスト州で集中的に保健分野の支援を行っています。その支援の大きな目的は,コミュニティレベルでの保健サービスの向上と,特に母子保健の改善にあります。具体的には,一般無償資金協力を利用した多数の保健クリニックの建設(予定),地域の保健サービス機能の強化を目指した技術協力プロジェクトの実施,看護士や助産師の青年海外協力隊員の派遣,草の根・人間の安全保障無償資金協力を利用した日本の中古ベッドの州・郡病院への供与などの支援を行っています。

 我が国は,アッパーウェスト州で上記のような様々な支援を数年に亘って行ってはいますが,我が国の支援をもって,国家レベルはもちろんのこと,州レベルでも保健関連指標を改善できるとは限りません。地域の住民の方,保健所・郡病院・州病院の設備・職員・医師,ドナーやNGO,ガーナ保健省など,すべてのステークホルダーが協力しなければ保健指標はなかなか改善しません。

 ただ,我が国は,特に保健の分野で我が国の支援を投入に終わらせることなく,測定可能な成果にしっかり結びつけていく必要性を再認識し,投入(インプット)に対する成果(アウトプット)をモニタリングしていこうと考え,これをUNICEF等と協力して行う計画を立てています。少なくともアッパーウェスト州では母子保健の指標が改善するように,効果的な支援を行いたいと考えています。

 一方,保健行政は中央(保健本省)の政策に大きく左右されますので,中央レベルにおいてもガーナの保健指標の改善に貢献するために,JICAや大使館の保健担当官がガーナ保健省や他ドナーと共同で行っている保健政策の議論に関与し,様々な提案を行っています。今後は,保健分野への「セクター財政支援」の供与も行い,政策の提案のみならず,財政支援という実質的な支援を追加して,中央における我が国の貢献をさらに実のあるものにしたいと考えています。

 現在,ガーナはミレニアム開発目標の4(乳幼児死亡率の改善)と5(妊産婦の健康の改善)の2015年までの達成が困難な状況です。ガーナの日本大使館,JICA事務所では,我が国の支援が,これら2つの目標の達成にいかに貢献できるかを現地で一生懸命考えています。

(写真)
ウェチャウ・ヘルスセンター
救急患者受け入れ機関でもあるため,患者移動用のストレッチャーはあるが入院用ベッドがない。
(写真)
アッパー・ウエスト州病院にて
一部のベッドだけがこのように使える状態。


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