広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2010年9月8日発行 第191号

 ODAメールマガジン第191号は、ウルグアイ東方共和国からの「ウルグアイにおける経済協力」「農業学校で花き栽培・造園指導」と第6回グローバル教育コンクール受賞者のインドODA現場視察報告「難解なインド」「インド視察報告(抜粋)」をお届けします。

ウルグアイ東方共和国地図

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パキスタン・イスラム共和国に対する無償資金協力に関する書簡の交換について
パキスタン・イスラム共和国における洪水被害に対する緊急援助物資の供与について
ODAメールマガジンは、ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けします。
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 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html


 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


ウルグアイにおける経済協力 原稿執筆:在ウルグアイ日本国大使館 森垣孝司 二等書記官

 ウルグアイは他の南米諸国に比べ,日本との接点がとても少なく,少し前までは名前しか知らなかった方がほとんどだったと思います。
 しかし,今年6月から7月にかけて行われた2010FIFAワールドカップにおけるウルグアイの躍進(参加32チーム中4位)は,日本を含めた全世界に大きな驚きと感動をもたらしました。ウルグアイ代表のプレーも印象的でしたが,記録的寒波に見舞われる中,彼らの凱旋を出迎えた数万人の民衆,野外の祝賀セレモニーにて「社会的地位や政党も超えて,我々はこれまで以上に一つとなった」と演説したムヒカ大統領の姿に,小国ウルグアイの大きな結束力を感じました。

 ウルグアイは今年3月,2期目の左派拡大戦線党(FA党)政権が誕生し,ホセ・ムヒカ上院議員が大統領に就任しました。当初はFA党内急進党のリーダーであり,高齢(74歳)である同大統領の就任を不安視する声がありましたが,就任後5か月を経過した時点では,私利私欲のないリーダーシップにより,順調な政権運営が行われているという評価がなされています。今年10月までには,国家5か年予算計画が策定されるので,対ウルグアイ経済協力の観点からも,今後の動きが注目されます。

 ウルグアイは2002年の経済危機以降,前バスケス政権の現実的な経済政策及び社会政策によって,GNIは9,000ドルを超え,貧困率は約3割から2割まで減少しました。しかし,国内には未だ約70万人の貧困者を抱えており,農牧業以外に大きな産業を持たないウルグアイにとって,海外からの投資及びドナーが行う国際援助は持続的な経済社会開発を行う上で欠かすことができません。

 ウルグアイODAタスクフォースは,持続的成長,社会開発,環境保全等を援助重点分野として定め,ウルグアイ政府や地方公共団体,現地市民団体等とも協議を行いながら,研修事業,シニアボランティア派遣等の技術協力,草の根・人間の安全保障無償資金協力を中心として,効率的・効果的な援助を行っております。

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今年8月に行われた現地ODAタスクフォースの様子

 また,当大使館のホームページにおいて,ウルグアイにおける経済協力のページ(日本語・スペイン語)を設けておりますので,ご興味・ご関心ある方はぜひご覧ください。
(日本語ホームページ)
http://www.uy.emb-japan.go.jp/japones/Relaciones%20Bilaterales/gijyutsu-kyoryoku.htm他のサイトへ



農業学校で花き栽培・造園指導 原稿執筆:シニア海外ボランティア 高畑 幸さん

 私が活動しているサンカルロス農業学校は,首都モンテビデオの東140キロメートルのサンカルロス市にあります。本校には中等職業教育,中等科学技術教育などの4コースがあります。修学年限は2年から3年となっています。クラスは8つで,15歳から22歳の約100人の生徒が学んでいます。

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農業学校本館前の芝生にハーブ花壇を作っているところ

画像  本校では普通教科の他に園芸,造園,畜産,農業機械,農業経営,工作などの専門教科を教えています。ウルグアイには30数校の農業学校がありますが,花き栽培と造園を教えているのはここだけであり,全国から生徒が集まって来ています。この2つの教科は全コースの生徒が学んでいます。

(写真上)ペチュニアの鉢植えをしているところです。5月に種をまき,無加温ハウスで育てたものです。

(写真右)マリーゴールドのポット植えをしているところです。6月に無加温ハウスの地床(うね)に種をまき,育てたものです。

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(写真左)トルコギキョウの苗の生育状況を観察しているところです。5月に種をまき,無加温ハウスで育て定植適期を迎えた苗です。


画像  私の活動は花の栽培・管理,花壇の設計・植栽・管理,花き栽培及び造園の実習指導,「花いっぱい運動」などです。本校には花の専門家がいないので,園芸と造園を担当している7人の先生の栽培・管理技術や実習指導能力を高めるのも活動の1つになっています。

(写真上)ローズマリーの古株から取り木をしているところです。枝にはロス・マリーヌス(海の雫)の名のとおり青い海色の花がびっしり咲いています。

(写真右)取り木作業が終わり,枝を針金で抑え土をかけ,竹の支柱で上向きにしたところです。

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画像  写真は中等職業教育コース2年生の生徒たちと本館前の芝生にハーブ花壇を作っているものです。この芝生の中の花壇作りは,私が赴任した昨年から始まったばかりです。生徒と一緒に,2人の先生が6つの普通花壇,私が4つのハーブ花壇と4つの普通花壇及び1つの枯山水をつくりました。

(写真上)花壇の草取りをしているところです。こちらでは地元原産の植物や石を使うのがとても好まれます。昨年はマリーゴールドとナデシコを混植しました。

(写真右)ハーブ花壇作りの写真です。後ろにラベンダーとローズマリーを,前にボリジとカモミールを植えているところです。

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 ウルグアイは欧米諸国に比べ,花の消費量が少ないように感じられますが,都市部での高層住宅のベランダ園芸,別荘地の花壇園芸における潜在需要の掘り起こしを図ることによって,まだまだ需要の拡大が可能だと思われます。関係者の皆さんの積極的な消費拡大対策に期待しているところです。 画像

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(写真上)校内即売会の準備をしているところです。当初,外で行う予定でしたが,雨がふるということで,ハウスの中に変更になったものです。

(写真左)校内即売会当日の写真です。右は会計をしているところです。



グローバル教育コンクール2009外務大臣賞受賞者2名に2010年7月25日から7月31日までインドへODA現場視察に行っていただきました。以下はその報告です。

難解なインド 原稿執筆:江戸川区立瑞江第三中学校 小川千鶴子教諭

 10年程前,旅の途中に立ち寄ったインドの印象は,あまり好ましいものではなかった。それ以来,足も気持ちも遠のいていたインドへ,もう一度しっかりと向き合うようにとの意図が働いたかのように,ODA視察の機会をいただき,デリーとムンバイ近郊の有償資金協力2件,草の根無償資金協力2件,JOCVの活動2件およびデリーの日本人学校を見せていただいた。

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JOCVの活動視察 ラムジャススクールにて

 デリーとムンバイ,2つの都市とその近郊を訪れたが,まず驚かされたのは,貧富の格差である。ムンバイでは1600万人の人口の6割がスラムで生活しているといわれる一方で,家賃が数十万円から数百万円の高層住宅が立ち並んでいた。
 インドの教育水準は高く優秀な人材を輩出する一方で,無料の公立学校へも通えないスラムの子どもたちが大勢いる。カースト制度も根強く残っており,職業は世襲制で選択の自由もない。世界中の栄養不良の子どもの40パーセントにあたる6000万人の子どもを抱える同じ国で,休日にショッピングモールで食事や買い物を楽しむ家族がいる。双方の大人たち,子どもたちはどのような思いでお互いを見つめているのだろう。

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ムンバイのスラムにて
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ドービガード
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ショッピングモール

 反面インドには,貧困層に対して,日本にいては受けることのできないようなあたたかい支援を続けている人たちがいる。今回視察させていただいた草の根無償協力の案件である「バスを使ったスラム児童に対する移動教室事業」や「緑内障による視覚障害及び失明を防止するための眼病治療機器設置計画」に携わっていらっしゃる方たちの熱い思いや行動力には,頭が下がる思いであった。
 今回の視察でみなさんに出会えたことにとても感謝している。
 帰国して,「インドはどうだった?」と聞かれる度に,答えに窮してしまう。むしろ,「インドってどういう国なの?」と,答えを見つけるために,もう一度インドをたずねてみたい心境である。



インド視察報告(抜粋) 原稿執筆:富士市立吉原商業高等学校 若園耕平教諭

 この夏,外務省のODA視察で首都デリーと,インド最大の都市ムンバイを中心に,インドにおける日本のODAの現場を見ることができた。
 7月25日デリーのインディラガンジー国際空港に到着した。空港は機械油のにおいとたくさんのインド人の客引き。インドに来たことを早くも実感した。首都デリーは人口約1,320万人。インドでは2番目に大きい都市だが,人口は市街地から郊外へ増え続けている。

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デリーにて

 7月27日朝,デリーを出発しアグラへ向かった。アグラへと続く国道2号線は,日本のODAで4車線化となり,首都への交通量緩和に役立っている。とは言っても,首都へ向かう車の数に追いつけないようで,すでにデリーへ向かう4車線は大渋滞となっていた。幸い反対方向へ向かう私たちは車も少なく快適だった。すると突然4車線の一番右(日本と同じ左側通行)からライトをつけた車が逆走してきた。しかも1台ではなく,その後ろから何台も車が続く。私たちの驚きとは対照的に,運転手は至って冷静だった。インド人は自分がルール,自分が大丈夫だと思ったら,赤信号でも反対車線でも平気で走るのだとか。
 首都への渋滞解消および,大気汚染への対処として,日本のODAは,地下鉄の敷設にも一役買っている。現在動いている地下鉄はほんの一部で,さらに郊外へ,また空港へと四方八方に延長工事が行われている。オールドデリー見学に地下鉄を利用した。行き先までのコイン(プラスチック製)を購入し,自動改札へ。コインをパスモのように押し当て通過。すると次は,金属探知器とボディーチェックがあり,荷物はX線を通す。人が少ないからよいが,日本だったらこれだけで大渋滞を起こしそうだ。ホームはみんな白線に従って4列に並んでいた。ただしドアが開くと,ホームの先頭の人からどんどん乗り込む。降りる人が優先とまではいかないらしい。

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オールドデリーにて

 インドの経済成長は目覚しく,大量消費を後押しするのは,拡大する“新”中間層である。デリーやムンバイでは,建設中の超高層マンションをあちらこちらで見ることができた。

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ムンバイの高層マンション

 ムンバイは人口約1,600万人。そのうち1,000万人以上がスラムに暮らすといわれている。路上及びスラムの貧困児童を対象に,バスで移動教室を行うNGO「移動教室推進協会」を見学した。スラムや路上で生活する子どもを対象に,移動教室事業に加え,保育園の運営,補習教室等さまざまな教育関連事業を展開している。草の根無償資金協力で,この団体に対し,移動教室事業に必要なバスの購入やその改造を行っている。ムンバイの大きな交差点に止まっているバスの中では,床に20人以上の子ども達が座って,一生懸命勉強をしていた。就学前の小さな子どももいた。
 翌日,K.B.ハジ・バチュアリ慈善病院を訪問。こちらも無償協力の案件で,貧困層眼病患者を対象に,緑内障の早期発見及び治療に必要な医療機器を整備する。貧困地域や農村部では眼病の知識がない,利用できる低料金の医療施設がない,また,緑内障は自覚症状が現れるのが遅いなどから,失明する率が大変高い。この病院では診療や治療,手術にいたるまで,全て無料で受けられる。ちょうど今日はじめて使う,という医療機器の,第1号の患者を診療するという場に立ち会うことができた。その新しい機械には,やはり新しいODAシンボルマークが貼られてあった。 
 インドの経済成長はすさまじい。中国に次ぐ高成長を続けている。中国と違うところは,将来を担う若い人たちが圧倒的に多いことである。反面,慢性の栄養失調の子どもは6,000万人(2005年世銀)と,世界の40パーセントを占めている。識字率は67.3パーセント(2004~2005年度),未就学児童は男子50パーセント,女子33パーセントにも上る。爆発的な経済成長の裏で,まだまだ多い貧困層の対策が必要である。もちろん政府も様々な対策を取ってはいるが,あまりにも貧困層は多く,追いつかないとのことだ。
 日本のODA予算は1997年度をピークに年々減り続けている。経済状況はまだまだきびしいが,自国のことだけを考える日本にはなってほしくないと思う。



編集・発行 外務省国際協力局(〒100-8919 千代田区霞が関2-2-1)

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