広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2010年8月11日発行 第189号

 ODAメールマガジン第189号は、グアテマラ共和国からの「自然災害と観光資源の宝庫・グアテマラ」「グアテマラ農業普及制度構築計画─新たな農業開発制度づくりを目指して」をお届けします。

グアテマラ共和国地図

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 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


自然災害と観光資源の宝庫・グアテマラ 原稿執筆:在グアテマラ日本国大使館 森田聡 一等書記官

 グアテマラは,中米に位置する国で,スペイン語を公用語としていますが,実は,22にも及ぶ先住民族を抱える多民族・多言語国家です。先住民族のなかには,公用語であるスペイン語を話さない人々も多く,その国民の半数が経済的にも貧しい生活を送っています。このことは,社会的に大きな経済格差を生んでおり,国連の2009年人間開発指標をみても,中米5カ国中最下位のニカラグアの124位に次いでグアテマラは122位という低い順位になっています。ちなみに,日本は10位です。

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色彩豊かなウィピル(民族衣装)を纏う先住民族

 また,グアテマラは,その地理的な条件から自然災害を受けやすく,最近では2005年の熱帯低気圧スタン,1998年のハリケーン・ミッチ,そして,今年はパカヤ火山の噴火と同時期に発生した熱帯暴風雨アガサによって大きな被害を受けました。今年発生したパカヤ火山噴火と熱帯暴風雨アガサでは,死者及び行方不明者165名,被災家屋3万戸,総被災者数10万人,被災県数21県(全国22県)などの大きな被害となりました。この災害に対して,日本政府はグアテマラ政府からの支援要請を踏まえ迅速に対応し,世界各国に先駆けテント,浄水器及び毛布などの緊急援助物資を供与しました。

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熱帯暴風雨アガサにより崩壊した橋
(出典:グアテマラ大統領府企画庁)
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噴火したパカヤ火山
(出典:グアテマラ大統領府企画庁)

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熱帯暴風雨アガサとパカヤ火山噴火と同時期に
グアテマラ市内に突如出現した穴
(出典:グアテマラ大統領府企画庁)

 グアテマラにはそれだけではなく別の顔もあります。グアテマラには毎年世界中から多くの観光客が訪れます。日本からも2009年には約4千人の観光客が来訪しました。数々の遺跡,豊かな自然の中に住む珍しい動植物,スペイン植民地時代の佇まいを残しながらも他とは異なる独特な雰囲気を醸し出す街並みなど,多くの人々を魅了する観光資源に溢れています。特にグアテマラはマヤ文明の中核であり,その中でもティカル遺跡はマヤ文明最大規模の遺跡です。

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ティカル遺跡(出典:JICAグアテマラ事務所)

 ティカル遺跡を有するティカル国立公園は世界文化・自然複合遺産として登録されており,グアテマラ政府はティカル国立公園マスタープラン(2004年から2008年まで)を作成しました。そのプランの中で掲げられた「発掘調査などで回収された動産文化財の保存と修復」を行うための施設と体制を整えることが必要とされていたため,日本政府は,平成21年度一般文化無償資金協力において,ティカル国立公園文化遺産保存研究センターを建設することを決め,今年3月に交換公文の署名が行われました。来年にはこのティカル国立公園文化遺産保存研究センターが建設され,その後はこのセンターをより充実した施設とするために技術協力プロジェクト等で人材の育成などを行っていく予定です。
 日本の対グアテマラ協力は,環境と気候変動対策の推進,貧困削減,保健衛生・基礎教育改善,農村生活改善などの分野を開発課題として取り上げています。これまで日本が行ってきた,さまざまな支援は,多くのグアテマラ国民からとても感謝されています。今後とも,必要な支援とは何かを考えながら,援助を実施していきたいと考えています。

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草の根無償資金協力によりこれまで
200以上建設された学校の一つ


グアテマラ農業普及制度構築計画─新たな農業開発制度づくりを目指して 原稿執筆:JICA 技術協力プロジェクト専門家 間瀬朝夫 チーフアドバイザー

 戦後の日本の農村には,農業改良普及員(以下普及員,なお現在は農業指導員と称する)と呼ばれた人たちが居て,農業の発展に大きく貢献しました。彼らは単に農業の技術を教えるだけではなく,行政と農家とのパイプ役として,さまざまな情報を農家から行政へ,そして行政から農家へと伝えてきました。
 一方私たちが協力活動を行っているグアテマラでは,1960年に日本と同じような農業改良普及員制度が導入されました。このころ普及員として活躍していた人たちに,現場で使われていた普及技法を教えてもらうと,同じころに日本で発行された普及員のための教科書に書いてあるのと,同じような技術が使われていたことがわかります。日本と同じように,米国から普及制度が導入されたことが影響しているのでしょう。あるいは日本の農業普及の経験も,米国経由で持ち込まれていたのかもしれません。

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普及員研修中の一コマ。
点滴灌漑用のチューブの設置方法を指導する日本人専門家。

 ところが,1997年になって,所謂構造調整(政府の効率化を図ると同時に,政府機関を小さくして支出を切り詰めようとするもの)の影響で,グアテマラの農村から,普及員の姿が消えました。この結果,農家に届くのは農薬や肥料を売り込むための情報が主なものになってしまい,農家の技術向上が進まなくなりました。農家からの情報も行政へ届きにくくなってしまいました。
 この状況を何とかしたいと始められたのが,われわれのプロジェクト「高原地域先住民等小農生活改善に向けた農業技術普及体制構築計画」です。2006年10月にこのプロジェクトがはじめられた時には,残念ながらあまり注目を集めたとは言えませんでした。それどころか,実際に活動を始めてみてわかったのは,農業普及を再び始める必要性を感じている人は,政府の中にはわずかしか居ないということでした。
 こうした中で出会ったのが,市役所でした。実はグアテマラの市役所の大半は,道路や建物の建設に,開発予算のほとんどの部分を使っています。ところが一部の市長さんや市役所の職員は,農業開発の為に,この予算を振り向けて良いのではないかと考えていたのです。おまけに,市長さんたち自身が農村の出身であったり,そうでなくても農家の声が身近に聞こえてくるところに居ます。例えば現在私たちがお付き合いをしていただいている市は全部で8市。このうち人口が最多の市で11万3千人,最小の市で4千人,平均では4万4千人です。市民にとっても市長さんたちは身近な存在なわけです。

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トマト栽培展示圃。
左側,手前から二人目の黒い服の人物が市役所が雇った普及員。

 こうして2008年の年頭から,市役所を中心とした農業普及体制を作る仕事が始まりました。それぞれの市役所が2人ずつ普及員を雇用し,私たちのプロジェクトが彼らを教育しています。つまり,農家に技術を教える方法や,作物を栽培する方法を,彼ら新米普及員に伝えているわけです。さらに,モデル村で展示圃場を開設するために必要とされる資源も,私たちのプロジェクトで負担しています。最近は,農家から市役所へ,普及員の数を増やすように要請があがったり,市役所独自の判断で普及員の数を増やすというような例も,見られるようになりました。私たちの活動が認められるようになった証拠だと思っています。

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コスタリカで実施した研修の一コマ。
中央卸売市場から出るごみをミミズ堆肥化する施設の
説明を聞く市長さんと関係者。

 この一方で,グアテマラの政府に対して,農業普及の仕組みを再構築する必要性を説得する活動も,粘り強く進められていました。これは私たちのプロジェクトだけでやったというわけではなく,FAOをはじめとする援助機関との共同作業でした。さらに,昨年干害によって飢えの問題が発生したのを受けて,政府内部からも普及制度を復活させようという動きが見られるようになりました。こうした動きの中で,われわれが取り組んできた,市役所を中心とした普及制度が注目を集めるようになっています。
 国を挙げての農業普及制度の復活の取り組みに,私たちの経験がどこまでお役に立つのか,これから楽しみなところです。

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コスタリカで実施した研修の一コマ。
市場で販売されているにんにくの生産地を確認する
サンタ・ルシア・ウタトラン市長(写真手前の人物)。


編集・発行 外務省国際協力局(〒100-8919 千代田区霞が関2-2-1)

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