広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2010年7月21日発行 第188号

 ODAメールマガジン第188号は、フィリピン共和国からの「ミンダナオ紛争:国際監視団への日本人専門家の派遣」「ミンダナオ島ダバオ地域の産業開発支援」をお届けします。

フィリピン共和国地図

このメールはHTML形式でお送りしていますが、テキスト形式で読み込むことも可能です。受信環境によっては、HTML形式をうまく表示できない場合がありますので、その際はテキスト形式で読み込んでください。
※迷惑メール対策をされている場合は、oda@mofa.go.jpからのメールを受信できるようにしておいてください。


New!ODAホームページ新着情報
ODA「見える化」サイト(パイロット版)7月20日より公開!
 詳細はコチラヘ
「ODA出前講座」講師を派遣いたします! ODAホームページ
ネパール国際平和協力隊の派遣期間の延長
平成22年度日本NGO連携無償資金協力(地域・国別実績)
藤村副大臣会見記録(円借款の迅速化について)
平成22年度NGO研究会ワークショップ参加者募集「条約から地球的課題を探る~生物多様性と南北問題の南北問題の視点を踏まえて~」
平成22年度NGO研究会ワークショップ参加者募集「条約から地球的課題を探る~生物多様性と南北問題の南北問題の視点を踏まえて~」(チラシ(PDF))
円借款の迅速化について
ウズベキスタン共和国に対する無償資金協力「人材育成奨学計画」に関する署名の交換について
報道官会見記録(西村外務大臣政務官のスーダン・ウガンダ訪問,人間の安全保障シンポジウム)
シンポジウム「アフリカ統合の現在と未来 ― 新しい日・アフリカ関係に向けて」へのご案内
西村外務大臣政務官のスーダン,ウガンダ訪問
ベトナム社会主義共和国に対する無償資金協力「人材育成奨学計画」に関する交換公文署名式について
ODA出前講座(第110回)
藤村外務副大臣のフィリピン訪問
持田繁ESCAP事務局次長の国連東ティモール統合ミッション事務総長副特別代表指名について(外務報道官談話)
カマン・カレホユック考古学博物館開館式
モーリシャス共和国に対する円借款「グラン・ベ地域下水処理施設整備計画」に関する書簡の交換について
ハイチ共和国に対する紛争予防・平和構築無償「国境管理強化計画(国際移住機関(IOM)連携)」に関する交換公文署名式について
バリ民主主義フォーラム・選挙訪問プログラムの実施
外務省国際協力インターンの募集(アフリカに対する経済協力及び援助協調に関する業務補佐)
イスラエルによるガザ封鎖の緩和について(外務報道官談話)
ODAメールマガジンは、ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けします。
また、外務省ホームページODAコーナーでは、新着情報を次々と更新しておりますので、是非ご覧下さい。
  ODAホームページ
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html


 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


ミンダナオ紛争:国際監視団への日本人専門家の派遣 原稿執筆:在フィリピン日本国大使館 菊地 智徳 一等書記官 森 悠介 二等書記官

■ミンダナオ島とはどんなところ?

 フィリピンは,全人口の90パーセント以上をキリスト教徒が占めています。そのうち,イスラム教徒は全体の5パーセントと少数ですが,南部にあるミンダナオ島では実に3割,ミンダナオ島西部・中部では実に8割と多数派となっています。ミンダナオ島では日本に輸入されているバナナの約8割が栽培されるなど,肥沃な土地を有していますが,長引く紛争により国内でも最も貧しい地域となっています。もともと,16世紀以前は島の各地にイスラム王国がありましたが,スペイン・米国の統治期にそれらの王国は滅亡しました。そして,第二次世界大戦後,フィリピン政府の政策により島外からキリスト教徒が入植し,それまでミンダナオ島で大多数を占めていたイスラム教徒は少数派となりました。

■紛争と和平交渉

 このような背景から,1960年代に反政府イスラム組織が分離・独立運動を開始しました。度重なる交戦と和平交渉の末,30年以上の歳月をかけて1996年にMNLF(モロ民族解放戦線)とフィリピン政府は最終和平合意を締結しました。ところが,この内容に不満を持つ別のグループがMILF(モロイスラム解放戦線)を組織し新たな紛争が始まりました。2001年にフィリピン政府はマレーシアの仲介によりMILFとの間で和平交渉を開始し,2003年に停戦合意を締結し,現在も和平交渉は継続しています。

■ミンダナオ国際監視団(IMT)への日本人専門家の参加

 2004年にマレーシア,ブルネイ,リビアが参加する国際監視団(IMT: International Monitoring Team)が組織され,ミンダナオにおける停戦監視活動を開始しました。そして,2006年に日本政府は,復興・開発により平和構築を促進するため,IMTの社会経済開発部門に日本人専門家を派遣することを決定しました。

画像
現地住民から支援ニーズを聴取するIMT団員・菊地智徳書記官(前列左)

 現在,2名の開発専門家(ともにJICA出身)が,ミンダナオ島コタバト市にあるIMT本部でマレーシア団員とともに生活し,活動を行っています。和平合意が締結していない状況下での活動であるため安全面には細心の注意を払いつつ,両名はミンダナオ島における紛争の被害を受けた地域を訪問し,直接ニーズをくみ上げています。そして,両名がくみ上げたニーズは,日本政府の「草の根・人間の安全保障無償」などの枠組みを活用した,具体的なODA事業へつなげていきます。例えば,小学校,職業訓練校,給水塔の建設や農業技術指導,人材開発などの技術支援を実施しています。

画像
現地住民から支援ニーズを聴取するIMT団員・森悠介書記官(中央)

 日本人専門家が直接各地を訪れて支援を実施することで,日本の「顔が見える」援助として,現地住民に大変感謝されています。開発により和平が促進され,現地住民が平和を実感でき,生活が向上できるよう,2名の日本人専門家は今日もミンダナオの各地を訪問しています。

画像
日本のODAによって建設されたミンダナオの学校とその学生たち

画像
日本のODAによって建設された給水塔


ミンダナオ島ダバオ地域の産業開発支援 原稿執筆:JICA プロジェクト調整員 バルセ 由美 さん

 フィリピン群島の一番南に位置するミンダナオ島にダバオ地域はあります。「ダバオ産業クラスター開発計画プロジェクト」は同地域の経済成長の牽引役である8つの産業(バナナ・マンゴー・ココナッツ・海藻・木材・鉱業・観光・情報通信技術)に産業クラスター手法を用いて支援しています。

 一般にクラスターは本来「群れ」「(ぶどうの)房」などを意味します。その名の通り「産業クラスター」は,ある特定産業の多数の企業がぶどうの房のようにある地域に集積し,関連する産業がそれに合わせて発達している状態を指します。

 産業クラスターの形成はその地域に特定分野の技能者が集積され,原料・資材供給,加工・下請け・特定産業にあわせた物流システムが特定の産業をサポートする産業インフラが発達します。さらに,その分野について専門的に取り扱う大学や研究機関が形成され,地域の政府もその分野に支援を集中することから,産業クラスターの形成がその産業の競争力をつける上で有効です。

画像
産業クラスター手法・ビジネスプランニング研修

 同プロジェクトでは,まず研修で産業クラスター手法の利点を学び,最終的に競争力をつけるために何をすべきかを相互に合意した上で,直ちに取り組むべきアクションを策定しました。また,これを実施するプロセスを通じてクラスターの有効性と持続的な活動を学びました。ここではバナナと海藻産業クラスターの取り組みの一部を紹介します。

 バナナ産業クラスターは,輸出グレードバナナの生産地として能力強化に必要な条件を整えることを目標として活動しています。その成果として新たなバナナ輸出チャンネルの拡大にも成功,また,日本市場の輸入条件に対応できる品質管理体制の改善も行っています。

画像
出荷を待つバナナ

画像
出荷前の洗浄

 海藻産業クラスターでは,まだしっかりとした産地が形成されるには至っていないため,購買者にも投資家にも魅力的な海藻産地として発展させることが主たる活動のテーマです。
 海藻産業の目的は,海藻からとれるネバネバ成分(ゲル化剤,増粘剤,安定剤)の抽出です。この性質は工業的利用に有利で,以下のような用途に用いられ,世界中で需要が急増しています。

  • デザート,アイスクリーム,乳製品,飲料,ソース - 増粘・ゲル化剤,分離を防ぐための安定剤(増粘安定剤)
  • 肉製品(パテ,コンビーフなど) - 脂の代わりに添加するゲル化剤
  • ビール - 濁りの原因となるタンパク質を除去する清澄剤
  • 歯磨剤,シャンプー,化粧クリーム - 安定剤

 同チームが2か所で設定した海藻の栽培地拡大とモデル共同組合組織の形成は,いずれも順調に進んでいます。他方,地域の大学との連携により漁民の主婦の副収入を目的とする,海藻を原料とするケーキの製造についても取り組んでいます。

画像
海藻デモファームでの収穫
画像
海藻カップケーキの試作品

 ミンダナオ島にあるダバオ地域は,台風が通らない地域であるため農業や観光産業の環境としても大変恵まれており,今後大きく発展していくことが見込まれます。
 各産業の課題が尽きることはありませんが,産業クラスター手法を用いて常に多くの産業関係者を巻き込み,国際マーケットで通用する競争力をつけて行くことにより,同地域の産業開発が進むことが大きく期待されています。



編集・発行 外務省国際協力局(〒100-8919 千代田区霞が関2-2-1)

ODAメールマガジンをご利用いただきありがとうございます。
本サービスの登録、削除及び電子メールアドレス変更は、下記の画面にて受け付けております。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/mail/index.html
このODAメールマガジンの内容について改善していきたいと考えておりますのでご意見・ご要望がありましたら、こちらからどうぞ。
ご意見メール
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/

バックナンバートップへ戻る
Copyright(C): JAPAN Official Development Assistance

Adobe Acrobat Readerダウンロード Adobe Systemsのウェブサイトより、Acrobatで作成されたPDFファイルを読むためのAcrobat Readerを無料でダウンロードすることができます。左記ボタンをクリックして、Adobe Systemsのウェブサイトからご使用のコンピュータのOS用のソフトウェアを入手してください。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る