広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2010年7月7日発行 第187号

 ODAメールマガジン第187号は、コンゴ民主共和国からの「豊かな大地と混乱の歴史」「コンゴ民主共和国の国造りと日本の支援」をお届けします。

コンゴ民主共和国地図

このメールはHTML形式でお送りしていますが、テキスト形式で読み込むことも可能です。受信環境によっては、HTML形式をうまく表示できない場合がありますので、その際はテキスト形式で読み込んでください。
※迷惑メール対策をされている場合は、oda@mofa.go.jpからのメールを受信できるようにしておいてください。


New!ODAホームページ新着情報
「ODA出前講座」講師を派遣いたします! ODAホームページ
ボリビア多民族国に対する無償資金協力2案件に関する書簡の交換について
政策評価法に基づく事前評価書(ブラジル連邦共和国)
中国青海省震災復興訪日視察団の来日
ODA出前講座(第108回)
藤村外務副大臣(特派大使)のアキノ・フィリピン大統領表敬
グランディ国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)事務局長による武正外務副大臣表敬
平原綾香さんと岡田克也外務大臣の懇談
サモアに対する無償資金協力(森林保全計画)に関する書簡の交換について
ベトナム社会主義共和国に対する無償資金協力「気候変動による自然災害対処能力向上計画」に関する書簡の交換について
パラグアイ共和国に対する円借款「地方道路整備計画」に関する書簡の交換について
セルビアに対する無償資金協力に関する書簡の交換について(「乳がん早期発見医療機材整備計画」)
平成22年度「平和構築人材育成事業」のお知らせ
政策評価法に基づく事前評価書(カンボジア王国)
外務大臣会見記録(冒頭発言)
外務大臣会見記録(ODAのあり方に関する検討)
ODA のあり方に関する検討 最終とりまとめ(概要(PDF))
ODA のあり方に関する検討 最終とりまとめ(本文(PDF))
政策評価法に基づく事前評価書(ナイジェリア連邦共和国)
ナイジェリア連邦共和国に対する無償資金協力「第二次小学校建設計画」に関する書簡の交換について
G20トロント・サミット
G20トロント・サミット宣言(主要なポイント)
G20トロント・サミット宣言(仮訳)
G20トロント・サミット宣言 別添I:強固で持続可能かつ均衡ある成長のための枠組み(仮訳)
G20トロント・サミット宣言 別添 III : 国際金融機関の正当性,信頼性及び有効性の向上及び最も脆弱な人々のニーズに対する支援(仮訳)
政策評価法に基づく事前評価書(インドネシア共和国)
G8首脳会合(ムスコカ・サミット)
G8首脳会合(ムスコカ・サミット)成果文書 回復と新たな始まり(主要なポイント)
G8首脳会合(ムスコカ・サミット)成果文書 回復と新たな始まり(仮訳(PDF))
G8首脳会合(ムスコカ・サミット)成果文書 別添I:G8ムスコカ・イニシアティブ 妊産婦,新生児及び乳幼児の健康(仮訳(PDF))
G8首脳会合(ムスコカ・サミット)成果文書 別添II:文民による安全保障システムの強化(仮訳(PDF))
メコン地域における官民協力・連携推進フォーラム  第5回日本側作業グループ会合の開催について
インドネシア共和国に対する無償資金協力「空港保安機材整備計画」及び「マラッカ海峡及びシンガポール海峡船舶航行安全システム整備計画(2/2期)」に関する書簡の交換について
エチオピア連邦民主共和国に対する無償資金協力「アバイ渓谷ゴハチオン―デジェン幹線道路機材整備計画」に関する書簡の交換について
マラウイ共和国に対する一般文化無償資金協力「マラウイ警察楽器整備計画」に関する交換公文署名式について
政策評価法に基づく事前評価書(マリ共和国)
報道官会見記録(G8・G20について,UNRWAを通じた支援)
クリストフ・ベン世界エイズ・結核・マラリア対策基金渉外局長による藤村外務副大臣への表敬
マリ共和国に対する無償資金協力「バマコ中央魚市場建設計画」に関する書簡の交換について
カンボジア王国に対する無償資金協力「人材育成奨学計画」及び「ネアックルン橋梁建設計画」に関する書簡の交換について
グランディ国連パレスチナ難民救済事業機関事務局長の来日
政策評価法に基づく事前評価書(インドネシア共和国)
インドネシア共和国に対する円借款「第三次気候変動対策プログラム・ローン」に関する書簡の交換について
ODA出前講座(第107回)
わかる!国際情勢(スーダン~多様性に満ちた国)
スーダン国際平和協力隊の派遣延長について
カルザイ・アフガニスタン大統領の訪日(概要)
イスラエルによるガザ封鎖の緩和について
ODAメールマガジンは、ODA政策や様々な情報をタイムリーにお届けします。
また、外務省ホームページODAコーナーでは、新着情報を次々と更新しておりますので、是非ご覧下さい。
  ODAホームページ
 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index.html


 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


豊かな大地と混乱の歴史 原稿執筆:在コンゴ民主共和国日本国大使館 池田潔彦 一等書記官

 コンゴ民主共和国は,コンゴ川とその支流が森林を育む,緑豊かな国です。南北,東西とも2,000キロメートル以上で,日本の国土の約6.3倍という広大な国土に広がるその森林は,飛行機の機上から見下ろすと,波がうねっている海のように,緑が果てしなく広がっています。
 しかし,その豊かな自然は,人の移動を容易ならざるものとしています。国土の奥深くまで支流が流れてはいるものの,船舶による航行は,水深と流速の関係でキンシャサからオリエンタル州キサンガニまでの約1,000キロメートルに限られ,逆にその川が車両による移動を阻むため,地方への移動は飛行機に頼らざるを得ません。自然と,物や人の移動は,遥か国の西端にある海岸線が中心となるのではなく,地域によりますが,国境を接する隣国との間で活発になります。北キヴ州のゴマを走る車は,ケニアなど東部の国から運び込まれた右ハンドル車で,車体に日本語の文字やステッカーが見られるものが多くあります。
 東部地域では言語もタンザニアやケニアと同じスワヒリ語(キスワヒリ)になります。キンシャサではンガラ語(リンガラ)とコンゴ語(キコンゴ)が用いられていますが,モブツ政権が崩壊しローラン・カビラ前大統領政権が誕生してからは,キンシャサでもスワヒリ語を耳にする機会が増えています。もう一つの国語は,中部のカサイ方面で使われているルバ語(チルバ)です。国内で意思疎通を図るためには,母語以外に居所で使われている国語,加えて公用語の仏語を学ぶことが必要です。独立以前から使われていた仏語は,ベルギーの統治によるものです。

画像
悠然と流れるコンゴ川

 コンゴ民主共和国独立以前,ベルギーは鉱物資源開発などの経済活動を営んでいました。日本に落とされた二つの原爆に使われたウランは,この国で採取されたものです。当国の豊かな鉱物資源については,正の面では海外からの投資が行われており,負の面では,東部地域の紛争の原因や密輸という現象を生み出しました。
 モブツ政権の崩壊に至った1996年の紛争は,1994年にルワンダで起こった大虐殺により,ルワンダからコンゴ民主共和国領内に逃げ出したフツ族の武装集団によるルワンダへの攻撃が繰り返されることに業を煮やしたルワンダの不満がその理由の一つであると理解されています。その後の1998年の紛争は,簡単に言えば,モブツの後に大統領となったローラン・カビラ前大統領が,それまで同大統領を支援していたルワンダとの関係を疎んじたことによるものです。コンゴ民主共和国武装勢力や,ウガンダ,ルワンダの反政府武装勢力との諍いが続く中で,ルワンダでは産出されない鉱物がその輸出品目に並んでおりますが,これにはこのような背景の存在があると考えられます。
 昨年3月,国内武装勢力との間で和平合意(3月23日ゴマ和平合意)が成立,またルワンダ,ウガンダの外国反政府武装勢力に対する軍事掃討作戦も開始された他,コンゴ民主共和国とルワンダの首脳会談と外交関係の再開が実現するなど,東部地域情勢は大きく改善に向かいました。しかし,現在もウガンダとルワンダの反政府武装勢力の掃討は続いており,10年以上活動を行っている国連のMONUC(注)(PKO部隊)がこの支援を行っています。MONUCは,PKO活動以外にも国際機関や他ドナーの支援をまとめる形で,東部地域の安定化に向けた支援に取り組んでおりますが,最近の東部情勢の安定化に伴い,国連安保理決議(1925号)に基づいた一部部隊の撤退が始まっています。
 このように,1991年の暴動に始まったコンゴ(民)の混乱は,20年近い時を経て漸く出口が見えて来たように見えますが,東部情勢は3月23日ゴマ和平合意の履行問題,武装勢力の国軍への統合問題,統治権の確立,さらには鉱物資源の不法採取と不法取引問題等,依然として多くの不安定要因や課題をかかえております。2006年の大統領選挙によって民主的に選出されたジョゼフ・カビラ大統領は,就任後,インフラ整備,雇用,教育,水・電気,及び,保健分野を開発優先5分野と定め,東部地域を含め国家の再建に取り組んで来ていますが,社会的混乱と紛争が続いたコンゴ民主共和国では,あらゆる分野で多くの支援を必要としています。

(注)2010年7月1日よりMONUSCOに名称変更



コンゴ民主共和国の国造りと日本の支援 原稿執筆:在コンゴ民主共和国日本国大使館 池田潔彦 一等書記官

 1993年,我が国のイニシアティブによりTICADプロセスが開始され,2008年のTICAD IVにおいて日本政府は,2012年までの対アフリカ援助の倍増を表明しました。この援助倍増支援策は,ODAの減額が続く中で,対アフリカ援助を勇気付けるものでした。現在その目標実現に向けた取り組みは着実に進められておりますが,コンゴ民主共和国に対するODA額については,我が国の二国間援助の再開が決定された2007年以降,大きな伸びを示しています(2007年度の援助額は約42億円であったものが,2009年度には約96億円と急速に拡大)。
 2007年のカビラ大統領政権誕生以降,日本は,インフラや,飲料水,保健・医療,職業訓練,環境,地域開発,警察改革支援(警察研修),司法改革支援(司法関係者研修)などの二国間の支援の他,国際機関を通じた人道・難民支援,学校建設・衛生改善,子供の環境改善などの支援を行っています。このような我が国の援助努力が評価され,当地新聞社により,コンゴ民主共和国に対する民主化の促進,平和の定着,及び,社会・経済開発に貢献した国として,米,ベルギー,英等他の主要援助国とともに日本が選ばれ,大使館に功労賞が授与されました。

画像
JICA警察研修デモンストレーション
画像
保育園における衛生教育の模様
(UNICEF経由支援)

 コンゴ(民)はこの6月30日,独立50周年を迎えました。人々にとって生活は苦しいものの,キンシャサの人々は,大統領に対し一定の満足を覚えている者も少なからずいるようです。特に,1991年以降の荒廃した社会が普通の状態だと認識していた若者にとって,大統領が掲げる開発優先5分野の一つとして積極的に進められているキンシャサ市内のインフラ整備により,街が徐々に変容していく様は,新鮮であり躍動感を感じるものとなっているようです。人や物の移動には道路が,飲料水の供給には浄水場が,教育には学校が必要であり,日本では当たり前に存在するものが当国には存在していなかったり機能していなかったりしており,上述のとおり多くの様々な形での協力を必要としています。
 「対アフリカ支援は日本人の心の鑑であるべき」というのは先輩の言葉です。我が国の経済状況の問題はあるにしろ,人として,日本人の善意として,苦しむ人に手を差し伸べる,人としてできることをする,ということは,個人的には援助の理念の一つであると理解しています。
 援助を外交ツールとして,国益に繋げることが重要であるという意識を強く持ちつつも,経済協力の現場で出会う人々の瞳が日本人の心の鑑を見つめているのだと思いながら,今後も業務に携わって行きたいと思っています。

画像
東部の難民キャンプ(UNHCR経由支援)


編集・発行 外務省国際協力局(〒100-8919 千代田区霞が関2-2-1)

ODAメールマガジンをご利用いただきありがとうございます。
本サービスの登録、削除及び電子メールアドレス変更は、下記の画面にて受け付けております。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/mail/index.html
このODAメールマガジンの内容について改善していきたいと考えておりますのでご意見・ご要望がありましたら、こちらからどうぞ。
ご意見メール
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/

バックナンバートップへ戻る
Copyright(C): JAPAN Official Development Assistance

Adobe Acrobat Readerダウンロード Adobe Systemsのウェブサイトより、Acrobatで作成されたPDFファイルを読むためのAcrobat Readerを無料でダウンロードすることができます。左記ボタンをクリックして、Adobe Systemsのウェブサイトからご使用のコンピュータのOS用のソフトウェアを入手してください。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る