広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2010年3月10日発行 第179号

 ODAメールマガジン第179号は、ネパールからの「ネパール:優雅なヒマラヤと山間地域の村々」「ヒマラヤ山間の村々で学校運営改善支援」と、ジブチからの「小さくてもキラリと光る国、ジブチ」「JICA帰国研修員の活躍」をお届けします。

ネパール・ジブチ地図

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 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


ネパール:優雅なヒマラヤと山間地域の村々 原稿執筆:在ネパール日本国大使館 経済協力班 半井麻美 三等書記官

 世界最高峰と名高いチョモランマ(エベレスト)をはじめとする美しいヒマラヤ山脈とユニークな形の国旗、またブッダの生誕地として有名なネパールには、北海道の1.8倍ほどの国土に約2,600万人の人々が暮らしており、年間50万名以上の外国人観光客が訪れています。

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山間地域の村の様子

 ネパールは、8,000メートル級の山々が広がる北部をはじめ、横長に広がる国土のほぼ中心に位置する首都カトマンズは盆地となっている他、インドと国境を接する南部地域は海抜数十メートルの平野が広がります。多種多様な風土に恵まれたネパールには、約101民族の人々が共存しており、自然同様豊かな文化と生活様式が育まれています。言語数も100以上にのぼり、各民族が異なる言語や伝統衣装・文化・祭儀を継承しています。

 首都経済は過熱気味で、家電製品、携帯電話、車・オートバイ等の普及も進み、日本と変わらぬファッションに身を包む若者も増えつつあります。しかしながら、ネパール全体としてはまだまだ南アジアにおける最貧国に位置づけられており、計画停電が一日十数時間にも達するなど、経済社会開発については依然として多くの課題が残されています。

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山間地域の村 女性たちの働く様子
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村の女性仕事風景

 人口の半数以上の人々は山間地域にて、神が宿るとされるヒマラヤ山脈を仰ぎ、傾斜面に居を構え生活しています。お祭りになると村人たちは色合い鮮やかな民族衣装とアクセサリーを身にまとい、マリーゴールドの花々を摘み、独特の音色を奏でる笛や弦楽器を演奏しつつ、各家庭で作られた地酒に舌鼓を打ち、朗々と歌い、優雅に踊ってお祝いします。しかし日常においては、働き盛りの男性たちの海外や首都等への出稼ぎによる不在等の理由により、女性やお年寄りが丘陵地の畑で働かざるをえません。大きな籠に作物や燃料用の薪等を入れて背負い、家までの急斜面を数時間も往復を繰り返す地域も多いです。子どもたちは身軽に急斜面を走り、時には数時間を掛けて学校に通います。帰宅後は日が暮れるまでに急いで宿題をこなし、家事や畑仕事、ヤギの世話等のお手伝いもします。

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山間地域の村の子どもたち 学習風景

 しかしながら、学校に通えない子どもたちも多く、ネパールの未就学率は2003年の16.5%から2008年には8%へと減少したものの、教育へのアクセスが困難な山間地域の子どもたちにはまだ就学の機会が限られています。8%と書くとさほど大きくは聞こえないかもしれませんが、人数にすると約26万人に及びます。

 日本政府は「万人のための教育」のための支援として、これまでに約8千校の学校に教室を建設しており、学校へのアクセスが困難とされる地域にも力を入れています。また、マオイストによる反政府武力闘争による10年の内紛が残した爪痕は大きく、ユニセフ経由で元児童兵の社会復帰支援を実施した他、憲法制定に向けた法整備支援等、民主化・ガバナンス支援も実施しています。他にも経済活動の活性化に向け、山間地域、盆地、平野において道路整備や食糧支援等、多岐に渡り支援を実施しています。

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村の男性たち


ヒマラヤ山間の村々で学校運営改善支援 原稿執筆:小学校運営改善プロジェクト(SISM)総括 JICA専門家 石田洋子

 「ネパール小学校運営改善支援プロジェクト」は、2008年2月から開始された技術協力プロジェクトです。3年間の活動を通して、就学率向上や中退率低下を目指します。英文名は「The Support for Improvement of Primary School Management」。略称でSISMプロジェクトと呼ばれています。SISMプロジェクトの特徴は、活動の大部分がダディン郡とラスワ郡というヒマラヤ山岳地域にある2つのパイロット郡の学校(94校)を中心に展開されていることです。

 これらの学校の校長や教員、保護者やコミュニティの人々は、郡教育事務所やネパールNGOの支援を受けつつ、子どもたちによりよい教育環境を提供するための改善に取り組んでいます。ネパール教育局は全公立学校に学校改善計画(SIP)の作成と提出を要請しましたが、当初は多くの学校でSIPへの関心は低いままでした。その後SISMプロジェクトのSIPオリエンテーション等を通してSIPが自分たちの学校を理解して改善を進めるための「学びと協働のツール」であることが理解され、SIP活動計画に沿って様々な学校改善活動が実施されています。

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ベニガート・カリカ中学校での子どもクラブによる学校衛生活動

 SIP活動計画には、施設リハビリなど多めの資金を必要とするもの、キャンペーンなど少しの資金でできるもの、住民による学校モニタリングや清掃など資金なしでできるものが含まれます。各 学校は資金集めに苦労をしながら、資金なしでできる活動を中心に改善を進めています。

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ラスワでのSIPオリエンテーション
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ダディンでのSIPオリエンテーション

 山間の遠隔地に住んでいたり、貧困に苦しんでいたり、低カーストであったり、障がいを持つ子どもたちが学校に行けるようになるにはコミュニティの理解と努力は重要です。

 一方コミュニティにまかせるだけではなく、中央・地方政府にはコミュニティの努力を支援することが求められます。SISMプロジェクトでは、学校活動支援とともに、中央・地方政府によるコミュニティ支援強化も目指します。

 SISMプロジェクトが始まって2年が経過し、いよいよ最後の1年間となりました。現在はパイロット郡で学校運営委員会やPTAに対する研修を行いながら、教育局とともにパイロット郡での活動で得た成果の全国普及に力を入れ始めました。
 ネパールでの学校運営改善活動に対し、日本の皆様からのご理解とご支援を期待いたします。

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ダディンでのSMC/PTA研修
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SMC/PTAの研修に
子どもたちも参加(ダディン)


小さくてもキラリと光る国、ジブチ 原稿執筆:在ジブチ外務省連絡事務所 杉尾 透 一等書記官

 ジブチ(Djibouti)はアフリカ北東部の「アフリカの角地域」の付け根に位置しています。1977年独立とアフリカでも4番目に若い国ですが、ソマリア、エリトリアなど政情不安な国に囲まれながらも、例外的に安定している国でもあります。面積は約2.3万平方キロ(四国の約1.3倍)、人口80万人ほどの国ですが、最近はソマリア沖・アデン湾海域を航行する民間船舶を海賊から護衛する任務を担う各国軍隊艦船の寄港地として、一躍脚光を浴びています。日本の海上自衛隊もここジブチを拠点としているため、外務省も昨年3月に連絡事務所を設置し、その活動を支援していますが、この4月からは正式な公館(兼勤駐在官事務所)になる予定です。

 ジブチ国民一人あたりのGDPは約1100ドルと他のアフリカ諸国と同程度ですが、現在でも地方にまで開発が十分に行き届いていません。その地域格差等が原因となり、1990年代初頭には、ジブチでは部族が異なる北部と南部が内戦に突入する事態となりました。その際、他の主要国が援助を停止し、ジブチが苦況に陥る中で、日本のみが援助を継続したことをジブチの人は今でも非常に感謝しており、現在も自衛隊の活動に対して多大な支援を行っています。

 また、国土の南北を海に隔てられ、急峻な山地も多いジブチでは交通網の整備が必要不可欠です。特に南北交通の活性化は民族融和のためにも重要です。こうしたニーズに応えるべく、日本政府はジブチに対して南北を結ぶフェリーボートをODAにて供与しました。昨年10月22日に北部の中心都市であるタジュラで行われた供与式には数百人にも及ぶ地元住民がつめかけ、私を含めた出席者は大いに感激したのでした。

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我が国ODAにより供与された
フェリーボート
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タジュラに着いた
フェリーボートを出迎える群衆

 ジブチは年間平均気温約30度、最高気温50度、降水量200ミリメートル以下と、アフリカ有数の酷暑地です。また、アフリカ大地溝帯の一端に位置し、火山もあることから、この地での農業は容易なものではありません。

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高台からは青い海と荒涼とした大地が一望できる

 それでも一昨年初頭に発生した食糧危機を契機にジブチでも農業への関心は高まりつつあります。具体的にはジブチ南部を中心に農業振興の取り組みが進んでおり、日本の青年海外協力隊の隊員も現地の人とともにジブチの気候に合った農作物の開発に取り組んでいます。
 ジブチの中心産業は中継貿易であり、ジブチ経済の実に8割を占めています。そのため港湾の存在は死活的に重要ですが、日本は1990年代にジブチ港の施設修復を行い、港湾の発展を支援してきました。さらにジブチ政府は近年、港湾運営の委託、投資優遇措置などの施策をとっており、その成果からか、近年はモンバサ(ケニア)と並ぶ東アフリカの重要な物流拠点となりつつあります。

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ジブチ港には日本の商船も停泊する

 また、この良質な港の存在が、一昨年以来、各国がソマリア沖海賊対策の拠点とする理由の一つであることは間違いありません。更に、ソマリアと文化、言語、生活習慣等を共有するジブチは、ソマリア和平を推進する上でも、重要なアクターになりつつあります。
 このようにジブチはアフリカの中でも決して大きい国ではないですが、紅海の入り口、中東とアフリカの交差点という、戦略的にも重要な地点に位置することから、「小さくてもキラリと光る国」として、近年、存在感を増してきています。こうしたジブチに対して我が国が綿々と行ってきた経済協力は、近年、年間20億円規模にまで増大し、自衛隊のソマリア沖海賊対処活動と並んで、日・ジブチ間関係強化の重要な柱となっています。



JICA帰国研修員の活躍 原稿執筆:JICAジブチ支所 ボランティア調整員 高原 敏竜

 ジブチには200名を超えるJICAの帰国研修員がおり、様々な分野で活躍しています。現雇用大臣をはじめとしてジブチ政府の中で要職についている人、ジブチ大使となって他の国で活躍している人、県知事などになってジブチの地方で活躍している人など、もともと人口が80万人程度の小さな国ですので、いろいろなところで研修員として日本に行ったという人と出会います。彼らの存在は私どもJICAジブチ支所の活動にはなくてはならない存在で、いろんな意味で日々協力してもらっています。

 特にお世話になっているのが青年海外協力隊の隊員たちです。新隊員が着任すると、事務所でのオリエンテーションの後、語学訓練としてジブチ大学に数週間通うのですが、その間、帰国研修員の家にホームステイさせてもらっています。隊員はここでジブチの家庭の現実に触れ、ジブチでの生活ノウハウを身につけ、ジブチ社会に溶け込んでいきます。隊員として業務をはじめる際に素早く効果的な活動を行っていくために、このホームステイは非常に役に立っています。また隊員たちのジブチでの家族、心のよりどころとして、ホームステイ終了後もなにかとお世話をしていただいています。

 また、帰国研修員は日本とジブチの友好の架け橋として、年一回、在ジブチの邦人を招いて「日本ジブチ友好の夕べ」を開催しています。一昨年までは在留邦人も20名未満と少なくささやかな会でしたが、昨年11月に開かれた友好の夕べには、ジブチに滞在している自衛官の方たち約450名も参加され、楽しくにぎやかな会になりました。今後もこれらの帰国研修員たちがジブチの発展と、日本-ジブチの人々の友好のために活躍してくれることでしょう。

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JICA同窓会タバレック会長(農業省職員)と青年海外協力隊隊員たち


編集・発行 外務省国際協力局(〒100-8919 千代田区霞が関2-2-1)

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