広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2009年8月5日発行 第165号

 ODAメールマガジン第165号は、ガーナ共和国からの「草の根無償による支援「シアバター加工施設」」と、シエラレオネ共和国からの「主なき「ライオンの山」の現在-シエラレオネ共和国-」をお届けします。なお、シエラレオネは在ガーナ日本国大使館が兼轄しているため、両記事ともに同大使館員が執筆いたしました。

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草の根無償による支援「シアバター加工施設」原稿執筆:在ガーナ日本国大使館 茂田 剛 二等書記官

 皆さんは、「ガーナ」という言葉を聞くと、「ガーナ・チョコレート」を想像し身近に感じることでしょう。確かにガーナはチョコレートの原料となるカカオ豆の生産量は世界第二位で、その殆どが輸出されていてガーナの一大産業となっています。ガーナでは、コーヒーブレークのことをカカオブレークというほどカカオ豆はメジャーな存在です。

 このカカオ豆の産地はガーナ中南部で、中南部地域は雨量が豊富で土壌が肥沃なため農業生産に適しているだけでなく、主要な都市も中南部に集中し、インフラや社会サービスの面でも相対的に発展しています。対照的にガーナ北部は、サバンナ気候のため農業生産に困難が伴い、社会インフラ整備も相対的に遅れていて、人々は厳しい生活環境にあります。

 この生活環境の厳しい北部地域では、シアバターの生産が伝統的に女性の重要な生計手段となっていて、約60万人の女性がシアバターとその関連製品の生産に携わっていると言われています。2007年2月から、国連開発計画(UNDP)が、ガーナでも特に貧しい地域であるノーザン州のサナリグ地区とワレワレ地区において、女性の経済的・社会的エンパワーメント、シアバターの産業育成による北部地域の貧困削減を目的としたプロジェクトを実施しており、日本政府は、このプロジェクトと連携し、シアバター加工施設の建設を支援しました。

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生産されたシアバター。
1キログラム当たり約100円で取引されている
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女性グループのメンバー

 シアバター加工施設の整備状況は、シアバターの買い手(バイヤー)が買い取り価格を決定する重要な要素となっているそうですが、この地域では、昔ながらの製法によりシアバターが生産されていて、生産環境が乏しいため、その品質は良質ではなく、高い需要があるものの安価で取引されていたため、高い収入を得ることが出来ずにいました。今回の支援により、日中の激しい暑さの中で作業することが無くなり、雨季中でも作業が容易に行えるなど、作業に携わる女性の負担軽減となることは勿論、加工施設の充実により高品質のシアバターが生産され、女性グループの収入増となることが期待されています。

 今回支援した女性グループの代表のアディサさんは、今後のシアバター生産の活性化を目指し、次のステップとして女性グループの能力強化構想を抱いています。現在女性グループがバイヤーと直接取引を行っていますが、多くの女性グループのメンバーが英語を解しない言語問題、不慣れな会計処理の問題があり、円滑な販売手段が確立されているとは言い難い状況です。そこで、女性グループに代わって、販売を行う専門窓口を設置し、円滑なバイヤーとのやりとりを可能にするという構想です。この地域でのシアバター産業は、自立発展へ向け次の段階へと着実に進んでいます。

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加工施設内での良質な
シアナッツの選定作業
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加工施設内での
シアナッツの焙煎作業


主なき「ライオンの山」の現在 ―シエラレオネ共和国―原稿執筆:在ガーナ日本国大使館田村優輝 二等書記官

 シエラレオネ。この国名を聞いて即座に世界地図上での場所を答えられる日本人は、おそらくあまり多くない。まして仕事以外でこの国への訪問経験がある人となると、相当な旅行好きか、レオナルド=ディカプリオ好きが高じて映画「ブラッド・ダイヤモンド」の舞台を見に行った人くらいだろうか。

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首都・フリータウンにも
美しい砂浜が残る
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こんな地面でもサッカーは大人気

 ポルトガル語で「ライオンの山」を国名の由来とするこの国には、実のところライオンはいないそうだ。一説によれば、大航海時代に西アフリカへ到達したポルトガル人が、大洋に突き出た険しい山から吹き下ろすこの地域の暴風を「まるでライオンの雄叫びのようだ」と表現したのが始まりらしい。実際に、北海道程度の大きさの国土の大半は熱帯雨林で、赤土の大地に鬱蒼とした密林が茂っている。どう考えてもライオンの生息にはあまり向いていない。

 シエラレオネの歴史を紐解くと、強い指導力を持つ主の「ライオン」が不在のまま、「山」が荒らされていった経緯が浮き彫りになる。英国の植民地を経て1961年に独立したシエラレオネを待っていたのは、苦難の道のりだった。鉱物資源やカカオ等の商品作物の生産に依存する経済は、通貨レオーネの価値下落に伴い1980年代に低迷の一途を辿り、国内では軍事クーデターが相次いだ。さらに、1990年代に勃発した内戦は、この国をどん底に突き落とした。反政府勢力による住民への暴行や手足切断、前線に駆り出された10代の少年兵、AK-47(カラシニコフ銃)の氾濫、密売される紛争ダイヤモンド。凄惨な内戦の実態は世界中の耳目を集めた(先述した映画「ブラッド・ダイヤモンド」もその一例である)。この影響もあって、シエラレオネには「世界最貧国」「失敗国家」といった、有り難くないニックネームが定着した感がある。

 「私はいつも思うのですが、もしこの国に日本人が住んでいたら、シエラレオネは今頃世界で一番豊かな国なっていたでしょうね。」30年以上にわたってこの国で教育活動に従事してきた日本人女性は、私にこう述懐してくれた。実際、肥沃な土壌に熱帯の果物がたわわに実り、大地が緑に覆われているこの国は、ステレオタイプ的な「貧困のアフリカ」のイメージとだいぶ異なる。さらに、天然資源の豊富さには目を見張るものがある。西アフリカ最大のダイヤモンドの産地なだけでなく、金、ボーキサイトといった鉱物資源も多い。最大の問題は、豊富な資源を有効に活用するよう取り仕切る「ライオン」がいないまま、様々な者たちが「山」を荒らしていったことにある。

 内戦を経たシエラレオネに、リーダーシップのある「ライオン」は出現するのか。その試みは、シエラレオネ人自身の手で既に始まっている。内戦終結後、2007年の選挙で当選したコロマ大統領は、着実な経済成長や汚職根絶を掲げた政治を行っている。シエラレオネが紛争後に平和が定着したモデル国になるように、国連や主要援助国も様々な経済援助を行っている。

 日本もその例外ではない。昨年我が国が送ることに決めた援助米は、今年7月に首都・フリータウンの港に到着した。同じ時期で締結されたノン・プロジェクト無償援助は、シエラレオネ政府が石油精製製品等を購入する資金を我が国が外貨で援助し、さらに得られた資金をシエラレオネ政府が運用できる仕組みになっている。今後は、この資金が適切に管理され、真の意味でシエラレオネ国民に利益をもたらすように目を光らせるのが重要だ。長年主が不在だった「山」の「ライオン」は、遅々とした歩みながらも、一歩一歩前に進み始めている。

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ノン・プロジェクト無償援助協定
の署名式
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日本の援助は
シエラレオネ各地に根付いている


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