日本はアジアの東の外れにありますが、トルコ共和国はアジアの西端にあり、僅かですが国土の一部はヨーロッパ大陸にあります。国土面積は日本の約2倍、人口は7000万人程度で日本の約半分、国民の大部分がイスラム教徒の国です。ただし、トルコは政教分離の世俗主義が建国以来の国是であり、他のイスラム諸国と異なりお酒も飲めますし、既婚女性が出歩く際、皆スカーフをしているわけではありません。都市部では街の雰囲気もヨーロッパと変わりません。一人あたりのGNPは1万ドル弱で日本の4分の1程度、公用語はトルコ語という言語です。私が住んでいる首都アンカラは政治の中心で、2000年の国勢調査によれば340万人ほどの人が暮らしています。生活してみて感じるのは近年めざましい経済発展を遂げている一方、高所得者層と低所得者層の開きが大きく、都市部と地方部で生活に大きな差があるということです。
日本とトルコとの関係は良好で、近年では2006年に小泉総理(当時)がトルコを訪問、2008年にはギュル大統領が日本を訪問、そして本年3月に開催された第5回世界水フォーラムには日本から皇太子殿下を始め、森元総理等が出席され、両国間の要人の行き来も活発になっています。
これまで、トルコに対してはボスポラス第2大橋をはじめとして、円借款事業や技術協力事業を数多く行ってきましたが、順調にトルコ経済が伸びてきたことから、近年は日本からの投資の呼び込みや、二国間経済の発展にトルコ政府は力を入れています。意外と知られていませんが、日本人が大好きなマグロはトルコの最大の対日輸出品目です。
2010年は「トルコにおける日本年」に位置づけられており、数多くの日本年事業が現在企画されています。今後は経済協力だけでなく文化交流や二国間経済等様々な分野での交流を広げ、相互のつながりを強固なものにしてゆくことが望まれます。

イスタンブールの町並み |

日本の円借款で整備された ボスポラス第2大橋 |
|