広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2009年1月14日発行 第151号

 ODAメールマガジン第151号は、マレーシアから「先進国入りを目指して」「国民の10人に1人が利用する下水処理施設の整備」を、他に「平成20年度ODA民間モニター・ケニア班のご報告」をお届けします。

マレーシア地図

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中曽根外務大臣のカンボジア訪問(結果概要)
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第5回開発教育/国際理解教育コンクール 受賞者決定
無償資金協力(入札等結果の公表)(平成20年度)
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パレスチナ自治区への無償資金協力「ジェリコ市内生活道路整備計画」に関する書簡の交換
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橋本副大臣とマーリキー・イラク首相及びアブドゥルマハディー副大統領との会談について
バリ民主主義フォーラム閣僚会合・高村総理特使スピーチ
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 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


先進国入りを目指して ~マレーシア~
(原稿執筆:在マレーシア日本国大使館 鈴木 彰一 二等書記官)

 マレーシアは、1957年にイギリスからの独立を果たし、同年日本とも外交関係を樹立しましたが、独立後の日本との関わりでは、ルックイースト政策を掲げたマハティール元首相の存在がとても大きなものであったと言えます。

 1981年に就任したマハティール首相は、個人主義でなく集団の利益を尊重する精神や職業倫理の範を日本・韓国に学ぶべしと提唱しました。これにより、留学生の派遣はもちろん、マレーシア国内での日本への関心が高まり、また、マレーシア政府の積極的な外資誘致政策とも相まって、日系企業のマレーシアへの進出も進みました。東方政策としての1982年以降の日本への受け入れ実績は、累計で、留学プログラムで約4300人、研修プログラムで約7100人にもなっています。

 マレーシアは長期目標として、2020年までに先進国入りすることを掲げています。1997年のアジア通貨危機の際に足踏みを余儀なくされましたが、2007年の経済成長率は6.3%、一人あたりのGDPは6,871ドル(2007年)と順調に成長を続けてきました。現在では電気・電子製品が輸出額の約44%を占め、パーム油・パーム油製品(7.4%)、天然ガス(4.3%)といった資源輸出を大きく上回るなど、工業化も進展してきています。

 しかし、先進国入りを目指す上で、課題は山積しています。経済の持続的発展を可能とするための制度整備・執行力強化、ボルネオ島における開発の遅れ等の格差是正、開発に伴う環境破壊の是正、エネルギー源の多様化・効率的利用など、日本の知見・技術が必要とされています。

 マレーシアは、日本の海上輸送の生命線であるマラッカ海峡を抱え、主な天然ガス供給国の一つ(日本の総輸入量の約2割がマレーシアからの輸入)でもあることから、ASEANの知日国であるこの国の安定・発展は、わが国にとって極めて重要です。マレーシアにも世界不況の影響が出始めていますが、アジア通貨危機の際には、宮澤構想により支援を拡充したことから、「苦しいときの友は真の友」と言われました。

 わが国は、これまでも様々な形でマレーシアの国造りに協力してきましたが、現在もマラッカ海峡の安全確保、税関・知財・中小企業行政に携わる人材の育成など、発展を続けるマレーシアならではの協力を実施しています。今後も、政府間のみならず多様なレベルで二国間協力を進め、互恵関係を強めていくことが必要だと思います。



国民の10人に1人が利用する下水処理施設の整備 ~マレーシア~(原稿執筆:在マレーシア日本国大使館 鈴木 彰一 二等書記官)
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完成式典の様子

 昨年12月、円借款事業により建設された下水処理施設の完成式典が、クアラルンプール市近郊のパンタイ下水処理場で行われました。今回の式典は、首都クアラルンプール近郊の4か所の下水処理施設及び1か所の汚泥処理施設の完成に伴い執り行われたものです。マレーシア政府側からは、エネルギー・水・通信省ジョセフ副大臣が、日本政府側からは、在マレーシア日本国大使館・星山公使、JICAマレーシア事務所・鈴木所長他が出席しました。

 今回完成した下水処理施設は、下水処理施設が未整備で衛生状況が悪化している都市部を対象に計13か所の下水処理施設を整備する事業の一部です。他の8か所 については、2009年3月の完成が予定されており、13施設が完成した際には約280万人(マレーシア国民の10人に1人)の住民が本事業により整備された施設を利用することとなります。そして高度処理設備を含む下水処理施設により、対象区域から河川に流れ込んでいる下水汚濁の90%が削減されると見込まれています。

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パンタイ下水処理場のODA記念プレート

 本事業においては、マレーシアで例の少ない高度処理設備を備えた下水処理設備を導入するため、工事の段階から施設の運転手法や維持管理方法等の技術移転も実施されています。また、本事業と連携し、エネルギー・水・通信省下水道局の人材・能力の向上のための協力も同時に実施されており、国際協力機構(JICA)が、「下水処理施設整備技術ガイドライン」の改訂、「下水道事業に関する優先順位付けマニュアル」の作成支援等を行っています。



平成20年度ODA民間モニターからのご報告(原稿執筆:平成20年度ODA民間モニター・ケニア班 武田 直子 さん(教員))
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 「国際社会における日本の役割」とよく言われる。テロ対策などでの「国際社会」とは単なる親米国家集団のようで、耳にするたびに違和感を覚えていた。しかし、今回の視察を通し、ODAに関してはこの言葉が素直に納得できた。ケニアの至る所で目にした多くの日本車は、私たち日本の社会経済がこうした途上国によっても支えられていることを実感させる。実際、ケニアの日本製品の輸入額は、日本のODAや輸入額の何倍にもなる。

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説明を受けるモニター一行(右端・久保田さん)
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ソンドゥ・ミリウ水力発電所を視察する一行

 自立した国づくりのための貧困削減には経済成長が必要と言われ、日本のODAも発電所建設などでその一端を担っている。しかし、17年ぶりに訪れたケニアでは、発展の一方で格差の拡大と治安の悪化の印象を受けた。また、所得が増えても世界的なエネルギー・食糧の高騰による物価高に直面する。現に日本と変わらないガソリン価格には驚いた。そうした人々の生活をよそに、依然として汚職体質は続いており、富の再分配を果たすべき政府にも不安材料は多い。
 このような難しい状況において、日本の援助は単に与えるのではなく、育てて持続していく点で評価できる。逆にそれだけケニア社会に踏み込んでいるということは、今後の社会や生活・文化の変化に責任を負っているともいえる。それゆえ、押し付けにならぬよう、あくまでもケニア人の主体性を重んじる日本側の姿勢も理解できた。そして、ケニア人と時間をかけて向き合う日本人スタッフの話を聞きながら、私たちも同様にそうした現場の声に耳を傾ける必要を強く感じた。
 ODAは今後どのような方向に進むのか。先進国が現在の豊かさを享受したまま、途上国の貧困削減・経済成長を支援することに地球の許容量との矛盾はないのか。昔と変わらない穴だらけのケニアの道路を走り続けた後は、日本の道路もこれが普通というよりむしろ贅沢に感じる。ODAがこうした格差世界の富の再分配として本当に有効に機能するならば、私たちは日本のODAの問題を指摘しながらも、評価できる点は評価して理解と協力に努めるべきではなかろうか。



編集・発行 外務省国際協力局(〒100-8919 千代田区霞が関2-2-1)

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