広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2008年1月9日発行 第128号

 ODAメールマガジン第128号は、シンガポールからの「途上国を支援するシンガポール」「JSPP21―日本とシンガポールによる途上国への技術協力支援」をお届けします。

シンガポール地図

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 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


途上国を支援するシンガポール 原稿執筆:在シンガポール日本国大使館 阿部 宏 一等書記官

 都市国家シンガポールは、赤道近くに位置し、東京23区を一回り大きくした程の面積の島国です。総人口は約450万人ですが、このうち本来のシンガポール国民は、約360万人、中華系約75%、マレー系約14%、インド系約9%という多民族国家で、民族間の融和にきめ細かい配慮がなされてきました。残りの90万人は長期滞在の外国人で、シンガポールにはこうした長期滞在外国人が多いことが特徴となっています。

 シンガポールは一年中色濃い緑が美しい(fine)国ですが、これにゴミの投げ捨てなどにも厳しい罰金(fine)が規定されていることにひっかけ、冗談で「fine city」という言い方がなされます。在留邦人は約2万6千人、日本からの観光客は年間約60万人。一流ブランド店が集まり、世界中の食事が味わえるなど、日本人にとってもショッピングや食べ歩きには魅力的な国です。日本から南アジア、中近東、アフリカへの中継地として使われるチャンギ国際空港の機能性や美しさでも、日本人にとりお馴染みの国となっています。

 このように今や発展した国という印象のシンガポールですが、そんなシンガポールも、1965年の独立当時は、貧しい国でした。当時は資源もない小さな国がやっていけるのだろうかと多くの人が心配しました。しかしその後40年以上にわたり、著名なリー・クァンユー(長く首相を務め、現在は内閣顧問)やゴー・チョクトン(首相を務めた後、現在は上級相)などの政治家の強力な指導力のもと、その国力は急成長を遂げてきました。今や貿易、運輸、金融などのハブ国家として、その存在に一目置かない人はいないでしょう。

 政府の指導力、勤勉な国民性、才能ある人材を発掘する努力、地の利を十二分に利用したアイデアの才、自由貿易を信奉する弛まざる先進性、これらがうまく調和して現在のシンガポールの発展が築き上げられてきたといえますが、建国当初に日本をはじめ各国から受けた支援もその成長に大きく貢献しました。

 シンガポールは1996年、DAC援助受取国リスト・パート2に移行したため、日本からの経済協力も1998年をもってすべて終了しました。シンガポールは、援助を行う側に変わったのです。シンガポールは、1992年から、ASEAN加盟国をはじめ世界各地の途上国に対する技術協力を実施するSCP(シンガポール協力プログラム)を開始しました。これにはシンガポールが途上国に対し単独で実施する研修と、外国や国際機関と協力して行うものがあります。この他に、途上国からの若者をシンガポールの主要大学に留学させる制度もあります。シンガポールは、SCPにより、これまでにアジア、大洋州、アフリカ、中東欧、中近東、中南米など168の途上国から、5万2千人もの研修員を迎えてきました。ベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマーには研修センターを設け、講師が派遣されて研修を実施しています。

 シンガポールは、災害復旧支援を除けば、技術協力以外の支援は行っていません。これは「魚を一匹与えればその人は一日だけ生きられる。しかし魚を捕る方法を教えたら、その人は一生生きられる」という考え方に基づいており、この方針は現在に至るまで守られてきています。



JSPP21-日本とシンガポールによる途上国への技術協力支援 原稿執筆:在シンガポール日本国大使館 阿部 宏 一等書記官

 シンガポールが実施するSCP(シンガポール協力プログラム)のうち、外国や国際機関と協力して行われている中で最大のものが、JSPP21(21世紀のための日本・シンガポール・パートナーシップ・プログラム)です。

 日本とシンガポールは、1994年にJSPP(日本・シンガポール・パートナーシップ・プログラム)を開始しました。これは両国が経費負担や講師派遣で協力し、シンガポールにおいて開発途上国からの研修員のために技術協力を行う試みで、1997年からはJSPP21と名称を変更しました。この協力によって、1994年のJSPP開始の時から数えれば、これまでに200以上のコースで、74カ国約3500人もの研修員に対する研修が行われてきました。

交通管理<カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムへのコース> (2005年)
都市災害における国際捜索救助
屋外での実地研修
屋外での実地研修
消防署への視察
消防署への視察

 昨年12月14日には、JSPP21の開始10周年を記念して、高村外務大臣とジョージ・ヨー外務大臣との間で新しい討議議事録への署名が行われ、ASEAN向けのフラッグシップ・ジョイント・イニシャティブを新たに開始することが謳われました。

 JSPP21が対象とする分野は、貿易、金融、情報通信、ガバナンス、運輸、水産、保健医療、職業訓練など多岐に亘ります。最も開催回数が多いのが、2007年で13回目を迎えた「交番セミナー」です。このコースは、かつてシンガポールが日本の交番制度に準じた地域密接型警察署を導入し自国に適合させた経験を、他の国にも移転しようとするものです。ちなみにシンガポールでは現在約100のシンガポール型交番が存在し、シンガポールの治安維持に大きな役割を果たしており、日本の交番制度は、関係者から高く評価されています。昨年はこのコースに、イラク、アフガニスタン、東ティモールからも参加しました。

交番システム(2007年)
研修員とゲストの記念撮影
研修員とゲストの記念撮影

 「航路標識」のコースでは、年間9万隻以上の船舶が往来し、日本向け中東産原油を積載した船舶の8割以上が通過しているマラッカ・シンガポール海峡について、安全航行に欠かせない航路や岩礁、沈没船の存在を示すブイ、灯台などの航路標識の整備・管理の技術指導を行っています。この他にも、新型インフルエンザなどの発生に備え患者隔離などの知識を得る「感染症防止のための能力開発」、税関が輸出入禁止物資を水際で取り締まるための知識向上を図る「不拡散有効化のための関税管理」なども2006年度から始まっています。これらのコースの一部には、日本からの講師が参加しています。

マラッカ・シンガポール海峡における航路標識(2006年)
ラッフルズ灯台にて
ラッフルズ灯台にて
ラッフルズ灯台敷地で説明を受けているところ
ラッフルズ灯台敷地で
説明を受けているところ
ブイ設置の見学。後ろのブイは古いブイ。
ブイ設置の見学。
後ろのブイは古いブイ。

 日本とシンガポールによるJSPP21は、様々な分野における途上国支援として、二国間協力の良き見本を示すものと言えます。JSPP21は、今後もASEAN統合の推進や、中近東やアフリカへの技術協力支援のために、さらに重要な役割を果たすことが期待されています。



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