広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2007年10月26日発行 第123号

 ODAメールマガジン第123号は、パレスチナからの「遠くて近いパレスチナ」 「生まれてきた証・・・母子健康手帳」をお届けします。

パレスチナ地図

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 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


遠くて近いパレスチナ 原稿執筆:在イスラエル大使館パレスチナ班 東間 史歩 二等書記官

 パレスチナと聞いて何が思い浮かぶでしょうか。平和な日本とはかけ離れた、政治的にも文化的にも社会的にも別世界であるのは確かですが、パレスチナと日本には意外と深い関係があります。

 1993年のオスロ合意以降、日本は中東和平プロセスとパレスチナ独立国家樹立を一貫して支援しており、パレスチナに対するさまざまな経済援助を行っています。今年までの支援総額は約9億ドルにのぼり、EC、アメリカに次ぐ第3位のドナー国です。

 日本は、パレスチナの国造りに向けて、パレスチナ社会の基盤整備、生活の向上等に貢献すべく、学校や病院の建設、上下水道網の敷設、道路の新設及び修復等、幅広い支援案件を実施しており、日本からの援助であることを示すODAマークは、パレスチナ中の村々で目にすることができます。パレスチナの村を訪れて、日本のODAマークをつけた給水車とすれ違うことも頻繁です。

 加えて、パレスチナにおける国立劇場とも言える「文化パレス」の建設、何千年もの歴史を誇るベツレヘムとナブルスの旧市街の補修・改善等といった国家事業にも貢献しています。また、ユニセフを通じて、パレスチナで毎年誕生する全ての赤ちゃんに対して、不可欠な予防接種の実施も支援しており、パレスチナの人々からとても感謝されています。

 2000年以降、現地での政情悪化に伴う多大な人的及び物的損害に応え、ここ数年は、緊急人道支援が日本の対パレスチナ支援の大きな比重を占めるようになっています。従来のように、国造りを目指した将来への建設的な試みへの支援だけではなく、人々の日々の暮らしと生存を支えるために緊急援助を供与しなければならないことは大変残念なことです。

 一方で、中長期的な視点に基づき、パレスチナの開発・発展を目指した支援も着実に続けています。2006年には「ジェリコ県の総合開発計画」を策定し、包括的な地域の発展を目標とするJICAによる技術協力が着実な成果を挙げています。また、日本が主導し、イスラエル、ヨルダンも含む地域協力を通じてパレスチナの経済発展を目指す「平和と繁栄の回廊」構想も進められています。

 厳しい現実に直面しつつも、パレスチナの人々は極めて明るく、訪れる者を寛容に受け入れ、もてなしてくれます。また、概して親日家であり、日本のパレスチナ支援が広く認知されていることも加わって、日本や日本人に対して親近感を持ってくれています。

 パレスチナの町でよく見かけるのは、道着をきた子どもたちの姿です。大きな町では空手道場がいくつかあり、女の子や男の子たちに大人気です。空手をはじめ、日本のアニメ、電気製品、ハイテク技術等、日本の情報はたくさんありますが、彼らが日本人と直接接する機会がまだ限られています。

 今後は、援助関係者のみでなく、観光客を含め、多くの日本人がパレスチナを訪れ、彼らと直接触れ合い、友好を深めることで、一方通行でない心の通った交流が実現することを期待します。そのためにも、パレスチナに平和が訪れることが必要です。パレスチナ人の日本への思いに応えるためにも、今後ともパレスチナに平和が実現するよう支援を続けていきます。



生まれてきた証・・・母子健康手帳 原稿執筆:JICA専門家(母子保健サービスマネジメント/地域保健)津田 加奈子 さん

【お母さんと赤ちゃんの命を守るためのツールとして】

 国際社会上、問題になってはいるけど、パレスチナは独立国としては認められておらず、パレスチナ生まれの人は、諸外国から見ると「無国籍扱い」だそうです。もちろん、パレスチナ自治政府には出生登録制度があり、パレスチナ人として登録されています。また、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)ではパレスチナ難民の出生登録も行っています。

 自治政府も各国政府もパレスチナの人々の命を大切にするために様々な工夫をして取り組んでおり、中でも画期的なツールとして活躍が期待されているのが「母子健康手帳」です。

 あらゆる理不尽な環境であっても、赤ちゃんは日々生まれるわけで、生まれる前の産前検診の記録、お父さんとお母さんの名前、そして生まれた瞬間や産後の記録も、母子健康手帳に記入されお母さんに渡されるということは、後々赤ちゃん本人にとっては「生まれてきた証拠」ともいえるIDがお母さんの手元で管理されるということであり、我々の国の母子健康手帳以上に大きな意味があるようです。

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【給料ないのに働けますか?】

 世界初のアラビア語版母子健康手帳の開発・導入・普及を目玉とする「JICA母子保健に焦点を当てたリプロダクティブヘルス向上プロジェクト」は2005年8月から3年間の予定で実施されていますが、その間にもパレスチナをめぐる情勢は日々流転しています。

 なかなか安定することの許されないパレスチナ自治政府の下、公務員へ給与が支払われないことが続くなど、住民に提供されるべき公共サービスである母子保健サービスの質も低下せざるを得ない局面がありました。

 しかし、JICAプロジェクトともに、ボランティアベースで無料診療デーを開催するなど、最低限のサービス提供を保持した自治政府保健庁の努力や、政府の手の届かないサービスを補うためにUNRWAやNGO等の医療機関が相互補完しあってパレスチナの人々のための保健医療サービスを保持した経験は、縦割りの組織を超越した「苦労をともに乗り越えたからこその信頼感と結束感」という良い副次的効果を生み出しています。これぞ「禍転じて福となす」です。

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【ばらばらがひとつになることの大切さ】

 2008年1月からはパレスチナ西岸及びガザ地域へ母子保健手帳が全国普及される予定です。年間10万人を越える赤ちゃんが生まれるパレスチナで、赤ちゃん全員に配るための母子健康手帳は、日本の技術協力で生まれ、その印刷費はUNICEF(国連児童基金)を通して日本政府の拠出金によってまかなわれることになりました。保健庁、UNRWA、UNICEF、UNFPA(国連人口基金)、NGO、民間クリニックなどが母子保健サービスの全国標準として「みんなで母子健康手帳を使おう!」と、当事者意識を抜群に発揮し、積極的にチーム一丸となって普及に向けて頑張っています。

 現在パレスチナは、分離壁やチェックポイントなど制限だらけの状況で、組織もサービスもパッチワークのように「継ぎはぎ」になってしまいがちです。「ひとつになることの難しさ」を抱えているパレスチナで「ひとつになることの大切さ」をパレスチナの人々と一緒になって学んでいるところです。

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編集・発行 外務省国際協力局(〒100-8919 千代田区霞が関2-2-1)

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