広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2007年4月11日発行 第112号

 ODAメールマガジン第112号は、タイ王国からの「タイにおける日本のODA」「微笑みの途上国(?)」と、平成18年度ODA民間モニター・モロッコ班からのご報告をお届けします。

タイ王国地図

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 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


タイにおける日本のODA 原稿執筆:在タイ日本国大使館 安部 徳朗 三等書記官

 タイには年間120万人以上の日本人が訪れており、このメルマガの読者の方の中にもタイを訪れたことがある方が大勢いらっしゃると思います。タイを初めて訪れた方は、タイの中の日本の存在の大きさに驚かれるかも知れません。街を走る車はタクシーを含めそのほとんどが日本車ですし、子供たちが読んでいるマンガのほとんども日本のマンガをタイ語に訳したものです。街の至る所に日本食レストランがありますし、映画館でも頻繁に日本の映画が上映されます。

日本の映画も頻繁に上映されるタイの映画館
日本の映画も頻繁に上映されるタイの映画館

 このように日タイ両国の国民や企業の活動の結果、日本に関連するものはタイ人の生活の隅々まで行き渡っており、それらをなくしてしまったらタイ人の生活が成り立たなくなってしまうのではないかと思うほどです。しかし、この他にも日本国民の皆さんは日本政府のODAを通じてタイ人の日常生活に不可欠なものを作り出してきています。

 例えば首都バンコクの空の玄関口、スワンナプーム国際空港。昨年オープンしたこの新空港にも日本からのODAが利用されています。またバンコクの街中を走る地下鉄。このトンネル工事にも日本のODAが貢献しています。地下鉄の各駅の出入り口に日本の協力に感謝するプレートが掲げられているのはそのためです。バンコクの中心部を横断するラーマ4世通りには、3つの交差点を跨ぐ長い陸橋が架かっています。悪名高かったラーマ4世通りの渋滞を大幅に解消したこの陸橋には「日タイ友好橋」という名前が付けられています。この橋も日本のODAの成果です。

地下鉄の駅と日タイ友好橋
地下鉄の駅と日タイ友好橋

 タイを訪れた日本人の多くが、タイに良い印象を持ってタイを後にされているようです。その理由の一つは、タイ人が大変親日的だからではないでしょうか。実際、先日行われたタイのとある世論調査において、「タイ人が好感を抱いている外国人」のトップの座を射止めたのは日本人でした(ちなみに第2位は僅差で中国人でした)。このようにタイ人が日本人に対して好感を抱いてくれているのは、ひとえに日本人が日本で作ったものをタイに売りつけるばかりではなく、タイにおいて多くの投資を行い、またODAを通じてタイのために多くの貢献をしてきていることをタイ人がわかってくれているからではないでしょうか。

 しかし、タイ人はプライドの高い国民でもあります。いつまでも日本から助けてもらうばかりで満足している人達ではありません。相当程度の経済発展を遂げた今、その傾向はますます強まっています。そして実際タイは今、海外からの援助受け入れを減らす一方、近隣のより貧しい国に対する援助を盛んに行っています。現在のタイ人の良好な対日感情を今後とも維持していくためには、我々が過去の援助のことを恩着せがましく言うことは逆効果です。今我々に求められているのは、誇り高いタイ人の気持ちを理解し、近隣諸国を支援するタイを温かく見守り、時には側面支援してあげることだと思います。



微笑みの途上国(?)原稿執筆:JICAタイ事務所 大野 艶士 さん

 「微笑みの国」、タイ。日本から約6時間という、身近な途上国の一つです。昨年9月に開港した真新しいスワンナプーム国際空港に到着。高級外車に混じって高速道路を走り、立ち並ぶ高層ビルを見ながらホテルに到着。・・・ここは、「途上国?」。

 バンコクへ初めてやってきた人は戸惑うでしょう。ましてや、「途上国」が初めての学生さんならなおさらのこと。2006年度、JICAタイ事務所には学生グループ(引率者含む)だけで140人以上の方々に来訪いただきました。たくさんの来訪者があるJICAタイ事務所ですが、学生の方々の受入は、「開発教育」・「広報」という視点からも非常に重要だと考えています。途上国の真実を見て、自分が、そして日本ができることを見つめて欲しい。これが私の希望です。

 「思っていたよりも発展しているのに驚いた」と、タイの印象を聞かせてくれる学生のみなさん。そんなとき、私はこう話しかけます。「時間があれば、電車に乗って線路沿いを見て欲しい。川沿いを見て欲しい。そこには発展の手が行き届かない人たちの生活がありますよ。」。線路沿いや川沿いに立ち並ぶトタン板の家。汚れただぶだぶのシャツを着て、はだしで遊ぶ子どもたち。悲壮さはないけれど、衛生・教育面の公的サービスが充分に行き届いているとは思えない・・・。中進国入り間近のタイ。その一方、間接的な裨益しか得られないところで日々を暮らしている人々がいます。

線路沿いの風景
線路沿いの風景

 昨年の着任以来、私はバックパッカーさながら、ソンテウ(改造版小型乗合バス)やミニバスに数時間ゆられて国境まで旅をしてきました。タイという「国」をもっと知りたい。カンボジアやミャンマー国境付近で見た乾燥した土地、拡がる焼畑、朽ちた床板の家々。そしてあまりにあっけない国境。「これで本当に人の行き来を管理できるのか?」。国境近くでは警察がバスやソンテウを急に止めて、乗客のIDカードをチェックすることもしばしば。事実、私の真後ろに乗っていた親子3人は、警察に命令されて降ろされました。これから彼らはどうなるのでしょう。

タイ・ミャンマー国境
タイ・ミャンマー国境
警察によるIDチェック
警察によるIDチェック

 バンコクに限らず、貧困を余儀なくされている住民には少数民族や周辺国からの難民が多いと言われています。クーデター、難民、南部の混乱。そして、バンコクの繁栄。タイは政治的・社会的にどのような社会を目指していくのでしょうか。そして、JICAは、日本はどのように協力していけるのでしょうか。

 ピュアな学生の方々だからこそ、明と暗の両方を自分で見て、自分で考え、そして何かを感じて欲しい。その感じた気持ちこそが、今後の将来の働き方・生き方をより充実したものへと変える原動力となってくれることを願っています。



平成18年度ODA民間モニターからの報告 原稿執筆:平成18年度ODA民間モニター・モロッコ班 藤本 高志 さん(大学教員)
モロッコ女性センター
モロッコ女性センター

 最も興味深かったのはジェンダー問題だ。水の少ないこの国において、重労働の水汲みは女性の仕事。少女は、水汲みのため、小学校にも行けない。小学校を卒業すれば、家を出してもらえず、18才で結婚する。結婚後も、妊婦検診に行く意思決定権さえ男性が握る。途上国の人口増加問題がジェンダー問題とリンクしていることは、今の日本を見れば明らかだろう。女性が力を持てば、人口は減少する。また、教育にお金を使うのは、父親よりも母親だ。女性が力を持つことは、途上国が経済発展するための人的資本の形成にもつながる。

 ジェンダー問題に関連する案件をたくさん視察した。地方給水計画は、少女や女性を水汲みから解放するプロジェクトだ。地方村落妊産婦ケア改善プロジェクトは、分娩ケアの改善だけでなく、家族計画にも貢献するものだ。地方女性促進センター計画は、女性の識字教育や洋裁教育など、女性の自立を助けるプロジェクトだ。興味深いのは、日本の若い女性が、地方村落の女性の自立に貢献していることだ。よそ者である彼女らが村に入ることで、女性が地域の伝統を生かした民芸品の開発・販売を始めた。女性が自らの創意工夫能力を生かし、自ら収入を得ることは、女性の自立を助けるものだ。

 ODAと言えば、道路やダムの建設などハード事業を想像する。これが重要なことは明らかだが、心が動いたのは、厳しい環境のなか活動する日本人だった。協力隊員によるソフト事業をベースに、この国に必要なハード事業は何かを考えることも必要だろう。例えば、女性の協力隊員は「ミシンさえあれば」と、日本人医師は「医療機材さえあれば」と、話していた。

 また我々国民は、ODAに税負担という形で貢献しているが、ボランティアとして働く日本人がいることを忘れてはならない。彼ら彼女らは安い給料と不安定な身分で働いている。外務省だけではなく、企業や自治体が国際貢献に関心を持ち、ボランティアの身分保障ぐらいすることが求められる。



編集・発行 外務省国際協力局(〒100-8919 千代田区霞が関2-2-1)

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