広報・資料 ODAメールマガジン

ODAメールマガジン/2007年3月7日発行 第110号

 ODAメールマガジン第110号は、ネパール国からの「ネパール国:和平後の新たな国づくり」「農業研修普及改善計画プロジェクト」と、平成18年度ODA民間モニター・中国班からのご報告、そして「ODAの点検と改善2006の発表」をお届けします。

ネパール国地図

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 なお、このODAメールマガジンでは、ODAの現場で働いている人々や実際にODAを視察した方々の生の声をお伝えしておりますので、本メルマガに掲載されている意見は執筆者個人の意見であり、政府の立場を示すものではありません。


ネパール国:和平後の新たな国づくり 原稿執筆:在ネパール日本国大使館 嶋田 光雄 二等書記官

 インドと中国という二大国に挟まれるように位置するネパールでは、北海道の2倍ほどの国土に2,700万人ほどの人々が暮らしています。

 国土の大半は急峻な山岳地域で、北側にはエベレストをはじめとする8,000メートル級の山々が連なっていますが、他方南部にはインド平原へと続く海抜数十メートルという平野がひろがっており、気候・風土のみならず、民族・言語・習慣などに至るまで非常に多様性に富んだ国です。

 当国では、急峻な地形のため社会基盤整備が容易ではなく、また二大国に挟まれた内陸国であることもあって経済開発は立ち遅れています。一人当たりのGDPは依然300ドルあまりと、経済指標上はアジアの最貧国の一つです。

ネパールの農村風景
ネパールの農村風景
(耕地や集落が斜面にへばりつくように広がるさまは日本の中山間地域を思わせます)

 ネパールでは過去11年間、ネパール共産党毛沢東主義派(マオイストと呼ばれています)が反政府武力闘争を繰り広げてきました。しかし、昨年11月、政府を構成する主要7政党とマオイスト間での包括的和平協定が締結され、紛争後の新しい国造りに向け大きく舵が切られています。今年1月からは、国連によるネパール支援ミッションが発足し、マオイストの保持していた武器の監視や、今後予定されている憲法制定議会に向けた選挙実施支援に取り組んでいます。

 しかし、このような当面の課題以外にも、地方を含む国の安定の回復、紛争当事者間の和解の推進、紛争期間中に立ち後れた経済・社会基盤の整備など、この国が直面する課題は数多くあります。

 日本は、1969年よりODAによる経済協力を開始し、病院や学校、発電所や道路など国の社会・経済基盤を整備するとともに、多くの専門家やボランティアの派遣を通じ、制度整備や技術開発、その普及支援などを実施してきました。

 このような取り組みの成果もあってか、はたまた顔立ちの似た気安さからか、ネパールの一般の方々は大変親日的で、トレッキングなどで当国を訪れる多くの日本人を暖かく迎えてくれます。

 ネパールは依然、国の難しい舵取りが必要な時期ですが、日本としては今後、短期的な平和構築支援と、中・長期的な社会・経済開発の両面から、この国の新たな形作りを支援して行きたいと考えております。

カトマンズ盆地
カトマンズ盆地の歴史的建造物
(パタン旧王宮広場)伝統に根ざした豊かな観光資源があります。

農業用貯水池
女性グループ主導で建設した農業用貯水池。
ネパール政府が数万円を補助していますが、この政府補助の財源を日本が支援しています。


農業研修普及改善計画プロジェクト 原稿執筆:JICA専門家(農業普及) 寺川 幸士さん

 ネパールでは、2%を超える人口増加の一方、食糧生産量の伸び率は1.5%に満たない状態が続いています。国全体での穀物自給率は100%を超えるものの、ネパール国民の半分が生活する山間地域においては生産不足の状態です。ネパールでは国民の70%が農業に従事し、農業生産の拡大と生産効率の向上は長年の課題となっています。

 農業に対する行政サービスの一環として、農業普及事業を実施するのは、各郡の農業開発事務所職員及びその傘下の普及員です。しかし、普及員の人数が限られている上に、栽培技術及び農家への指導能力が不足していることから、このプロジェクトが実施されることになりました。

 本プロジェクトは2004年1月から5年間の予定で、ネパールの首都であるカトマンズ周辺の5郡(ダディン、ヌワコット、ラスワ、シンドゥパルチョーク、マクワンプール)の農業開発事務所に所属する約90人の普及員と周辺農家を対象に実施されています。

 プロジェクトでは次の2つの活動を中心に実施しています。まず、農業普及員の実践的な技術力の強化です。次に、農業開発委員会という農家の組織化を進め、様々な課題を農家自身が分析し、解決する能力を強化するというものです。

 普及員の多くは農業高校卒業後に農業省に採用され、すぐに複数の村の責任者として着任します。先輩普及員から指導を受けるなど、実地経験を積む機会が無いまま、書籍からの知識を頼りに農家と接するため、「農家に対して、自信を持って栽培指導が出来ない」といった声が多いのです。プロジェクトでは普及員の実地経験の場として、地元の篤農家の協力を得て、カリフラワー、オクラ、インゲンなどの栽培を自ら体験する活動を展開しています。

普及員自らが栽培技術を実地研修しています
普及員自らが栽培技術を実地研修しています

農家の相談にのっている普及員(右側)
農家の相談にのっている普及員(右側)

 農業開発委員会は村の各地区(9地区あります)から、各々2名の委員が選出され18名で構成されます。農業委員に対しては、住民組織化やグループ運営に係る研修を実施するとともに、委員会を通じて農家ニーズの集約化を図り、郡農業開発事務所の実施する農業普及サービスの改善に反映することとなっています。

農業委員による村の地図作成実習
農業委員による村の地図作成実習

農業委員会の会合
農業委員会の会合


平成18年度ODA民間モニターからの報告 原稿執筆:平成18年度ODA民間モニター・中国班 風間 喜美江 さん(教員)
中国黄土高原における森林再生事業にて説明を受ける民間モニター
中国黄土高原における森林再生事業にて説明を受ける民間モニター

 これまで学校や数学教育を通して、世界をみていた。民間モニターという特別な体験や立場を通して、日本の教育や学校、数学教育をみてみたい。これが私の応募の動機であった。ODAの意味も応募の際に知る程度の自覚であった。中国は遠い隣国のような気がして、正直言って避けたい気持ちがあったが、縁があったと思い、どんなことがあってもこの国での体験を受け容れようという気持ちで出発した。

 中国を訪れた初日の日本大使館で、「共産主義、資本主義、封建的意識の混在」という中国情勢を示す説明があった。大使館関係者も「未だに理解するのが難しい。いろいろな要素が混在している。」というのである。いくつものスタンダードの中で、日本の開発援助にどんな壁が、どんな成果があるのか、じっくり見たいという気持ちになった。

 全体的には日本の援助の重要性を強く感じ、より必要な内容は人材協力や技術面であると感じた。器を残すことは目立つことであるが、今、日本と中国の間にある溝を埋めるような援助が必要だ。緑の地球ネットワークの高見さんたちのような支援だと思う。石を投げられても、支援の必要性を感じ、地元の目線を大切にしながら研究を重ね、身を粉にして働く日本人の後ろ姿は、両国の理解と友好という面からも強い絆となっていく。

 一言で中国といっても一般化できないとODA関係者が言っていた。苦労が目に浮かぶ。中国の人たちの中に飛び込んで困窮した状況に何が必要かを知り、支援をしていくことが、過去の歴史のわだかまりをほぐしてくれると考える。両国が一体となって育成するという気持ちや共通の宝をもつことを大切にしたい。2年後円借款打ち切りの中で、何とかその精神での援助を大切にして欲しいと思った。

 8日間の貴重な体験や交流は私に大きなエネルギーを与えてくれたようだ。身近な所から相互理解や協力、交流の輪を広げたい。



「ODAの点検と改善2006」の発表

 2005年に外務省がまとめた「ODAの点検と改善」を受け、先月21日、第2弾となる「ODAの点検と改善2006」を発表しました。ODAの質を改善し、一層効果的なODAを目指すための取組をまとめたものです。この「点検と改善」作業は今後も定期的に実施し、国民の皆様に政府の取組について説明を続けていく予定です。第2弾である「ODAの点検と改善2006」は、

(1)「戦略的なODAの実施のための援助政策の企画・立案」
(2)「コスト縮減を通じた事業の効率化」
(3)「チェック体制の拡充」

の3本の柱それぞれについてこれまでの成果と今後の取組についてまとめてあります。

 例えば、(1)戦略的なODAの部分では、先日立ち上げられた国際協力に関する有識者会議、NGOとの連携強化などに関する取組がまとめられています。(2)コスト縮減については、技術協力、無償資金協力、有償資金協力の援助手法ごとの施策を説明し、コミュニティ開発支援無償での30%以上のコスト縮減目標などに触れています。(3)チェック体制の拡充関連では、ODAの評価とその反映、不正防止について成果と取組が述べられています。

 国民のみなさんにより理解され、支持される効果的なODAを目指す取組をとりまとめたものであり、ぜひご一読ください。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index/kaikaku/t_k.html



編集・発行 外務省国際協力局(〒100-8919 千代田区霞が関2-2-1)

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